化学物質管理

(4)化粧品に関連する法規制等

1.薬事法

化粧品に関連する最も重要な法律は薬事法です。

薬事法は医薬品、医薬部外品、化粧品及び医療機器について、その品質、有効性及び安全性の確保を主な目的として、製品そのもの、それを製造(輸入販売を含む)する場所および製品の表示事項などについて規制しています。

「1.化粧品」表紙画像

1-1.化粧品と医薬部外品

薬事法での化粧品の定義は「人の身体を清潔にし、美化し魅力を増し、容貌を変え又は皮膚もしくは毛髪をすこやかに保つために身体に塗擦、散布その他これらに類する方法で使用されることが目的とされている物で、人体に対する作用が緩和なもの」となっています。従って、これまで述べてきた大部分の化粧品が含まれます。

しかし、薬事法では、化粧品及び医薬品とは区別して、さらに医薬部外品という範疇があります。医薬部外品の定義は「次の各号に掲げることが目的とされており、かつ人体に対する作用が緩和の物であって器具機械でないもの及びこれらに準ずる物で厚生労働大臣の指定する物」となっています。

医薬部外品のうち、今回のテーマに関連するもののみを掲げると次のようになります。

<医薬部外品>
  • 吐き気その他不快感または口臭若しくは体臭の防止(口中清涼剤、デオドラント製品
  • あせも、ただれ等の防止(てんか粉、ベビーパウダー
  • 脱毛の防止、育毛又は除毛(育毛、養毛剤、除毛剤
  • 衛生上の用に供することが目的とされている綿類(生理処理用品その他紙綿類)
  • 染毛剤
  • パーマネントウェーブ剤
  • 浴用剤
  • 肌荒れ防止、ニキビ防止、美白、紫外線防止、皮膚の殺菌など、薬事法で医薬部外品として認められる効能・効果を持ち、かつ、化粧品と同様の使用目的・使用方法を持つ製品(薬用化粧品)

1-2.平成13年の化粧品に関する規制の改正

平成13年4月に薬事法に基づく化粧品の制度について大幅な改正が行われました。(ただし、薬用化粧品などの医薬部外品は本改正の対象になっていません。)

この改正は、近年化粧品の品質安全性が著しく向上したこと、企業の製造物責任について重要視されることになったこと、そして化粧品の国際的な流通促進を考えた上での化粧品規制の国際的ハーモナイゼーションなどの理由により実施されました。

(1)化粧品種別許可基準の廃止と化粧品基準の制定

これまでの「化粧品種別許可基準」では配合できる原料(約2700成分)がポシティブリスト的に規定されており、「化粧品原料基準」及び「化粧品種別配合成分規格」でその規格を規定した方式でした。

平成13年の改正により「化粧品種別許可基準」は廃止され、新たに制定された「化粧品基準」により、下記の3点がリストアップされました。

  1. 1.配合できない成分のリスト………ネガティブリスト
  2. 2.配合できるタール色素および制限つきで配合できる紫外線吸収剤、防腐剤………ポジティブリスト
  3. 3.配合に制限のある原料………リストリクテッドリスト

上記のリストを図にすると下記のようになります。

化粧品の配合物質の可否概念図

(2)化粧品の承認制度の改正

改正前は化粧品は内容成分により市販前に厚生労働省による承認が必要なものと届け出だけが必要なものとに分けられていましたが、改正後は、全ての化粧品が届出だけで製造、販売が可能になりました。

(3)表示しなければならない化粧品成分の改正

改正前は表示指定成分(注記参照)のみの表示が義務づけられていました。改正後は、配合されているすべての成分の名称を記載しなければならなくなりました(全成分表示)。

配合量の多い順に記載(ただし1%以下は順不同)し、色素などは最後にまとめて表示してもよいことになっています。

これにともない表示指定成分について特別に表示する必要はなくなりました。

注記:「表示指定成分」とはアレルギーなどの皮膚トラブルを起こすおそれがある物質について、そうした製品の使用を消費者がみずから避けることができるように、昭和55年の厚生省告示で指定されていて、102種類の成分に香料を加えて103種類が対象でした。

薬用クリーム ○○
医薬部外品
有効成分:酢酸トコフェロール、トコフェロール、BHT
容量:60g
株式会社 ○○○
東京都渋谷区西原  03-0000-0000

ハンドクリーム △△
全成分:水、ミネラルオイル、ワセリン、グリセリン、水添ポリイソブデン、シクロメチコン、マイクロクリスタリンワックス、ラノリンアルコール、パラフィン、スクワラン、ホホバ油、オレイン酸デシル、オクチルドデカノール、ジステアリン酸Al、ステアリン酸Mg、硫酸Mg、クエン酸、安息香酸Na、香料
標準容量:85g
株式会社 △△△
東京都渋谷区東原 03-0000-0000

このように、化粧品に関する規制は大幅に緩和されましたが、一方で製造する企業の責任がますます求められるようになりました。

なお、平成13年の改正には医薬部外品は含まれず、医薬部外品については従来の法律で運用されており、承認制度が存続しています。

すなわち、医薬部外品は個々の製品ごとに有効成分およびその他の成分、使用方法、効能・効果などについて審査され、承認されることが必要です。種類によって規制された範囲で効果・効能を表示できます。成分の表示については「表示指定成分」(注記参照)の表示が義務づけられており、一方、全成分表示をする義務はありませんが、業界による自主基準として医薬部外品についても全成分表示をする動きが始まっています。

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