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バイオテクノロジー特集

 NITEのバイオテクノロジーセンターは、 バイオテクノロジー産業を支える技術基盤となる生物遺伝資源とその情報を整備し、 研究者に幅広く提供します。 また、 微生物を中心としたゲノム解析や微生物を中心とした我が国の中核的な生物遺伝資源機関として、 独自性が高く魅力ある情報提供を目指していきます。

 我が国最大級のDNA解析施設 「生物資源情報解析棟」 が完成  

 NITEは、 21世紀のバイオ産業の創出と国際競争力強化を支援するため、 産業有用微生物及び微生物ゲノムの解析データ等の整備を行っています。 近年、 欧米各国を中心に生物のDNA塩基配列について、 高速・大量シーケンスが主流となっていることから、 我が国においても、 さらなる解析能力の強化が求められており、 この度、 我が国最大級のゲノム解析能力を有する施設 「生物資源情報解析棟」 を開設しました。 この建物の概要は以下のとおりです。


●シーケンス用サンプル自動供給システム
 高速、 大量シーケンス可能なキャピラリ型シーケンサが開発され、 解析量の急増に対応するため、 サンプル供給を高速かつ全自動で行うことを目的に、 各反応毎に自動化された装置をベルトコンベア、 自動走行ロボットアーム等でつなぎ24時間連続でサンプルを供給するシステムを我が国で初めて開発しました。 本システムは、 一日あたり約8,000クローンのサンプル供給を可能とし、 従来20名で約5ヶ月程度を必要としたサンプル供給を、 2名8日程度に短縮しました。 さらに、 複数生物のゲノム解析を同時に進めるため、 本システムを2式用意しました。
 また、 全てのプレート・サンプルをバーコードIDにより管理しデータベース化することにより、 膨大なサンプル処理に伴って発生する大量の履歴データの管理も同時に行い、 効率的なサンプル管理を行うことが可能となっています。 現在、 さらに効率的にシステムが作動するよう問題点を洗い出しながら日々改良に努めています。

自動化ロボット
   
●シーケンサ
 キャピラリー型シーケンサ32台を導入し、 上記システムと組み合わせたことにより、 通常の状態で、 一日あたり約18,000シーケンスが可能となりました。 このため、 解析対象生物のゲノムサイズが一般のバクテリア程度の3百万塩基対であれば、 約7日でドラフトシーケンスを完了させることが可能になりました。
●建物
 解析棟は、 建て面積1,342u、 延床面積4,325uの地上3階建物で、 1階で培養、 2階で前処理、 3階でシーケンス用サンプル調整及びシーケンスというように、 作業が下の階から上の階へ流れるようになっています。

 1階‥培養室、 サンプル保管室
 2階‥解析情報室、 培養操作室、
     サンプル処理室、 試薬等保管室  
 3階‥シーケンス室


見学の様子


NITEが解読した黄色ブドウ球菌データが  英医学誌ランセットに掲載

 食中毒や院内感染等で深刻な問題になっている黄色ブドウ球菌 (Staphylococcus aureus N315) の塩基配列を確定し、 その成果は4月21日付で英国の医学専門誌 「Lancet」 に発表されました。 今回解析したのは、 順天堂大学の平松教授が分離同定した黄色ブドウ球菌です。 この黄色ブドウ球菌のゲノム解析により、 医療現場で問題になっているメシチリン耐性黄色ブドウ球菌 (MRSA) が、 抗生物質に対する耐性を獲得する仕組みの解明や、 効果的な抗生物質の開発にもつながる可能性が広がると考えられます。 この発表後国内外から多くの反響がありました。 NITEでは、 この他にも放線菌、 コリネ菌について解析を行っているところです。
 これまでに得られた塩基配列と遺伝子の機能などの生物学的情報はすべて、 国際的なゲノムデータベースに登録を行い、 NITEのWebサーバー、 論文誌などで広く公開を行っております。 すでに公開を行った、 Pyrococcus horikoshii OT3, Aeropyrum pernix K1, Staphylococcus aureus N315菌のデータに関しては、 国内外の企業、 大学、 研究所などからバイオテクノロジーセンターのホームページなどにアクセスを受けています。

生物資源保存供給事業について

 バイオテクノロジーセンターでは来年度からBRC (Biological Resources Center) 事業を開始するために、 今年度より生物資源センター業務課を立ち上げました。 現在平成14年4月に千葉県木更津市かずさアカデミアパーク内にオープンする生物資源保存供給施設 (仮称) の立ち上げ準備を行っている他、 DNAクローンの分譲、 微生物を中心とした生物遺伝の資源の収集・保存、 生物多様性条約に基づく遺伝資源へのアクセスに関する調査等を行っています。

(執筆責任:バイオテクノロジーセンター計画課 tel:03−3481−1933、 e-mail:bio@nite.go.jp)



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