製品安全

Vol.4  8月26日号「生活・福祉技術センター成果発表会の開催」

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 ■    ◆========= 製品安全情報マガジン(PSマガジン)========== 
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         ■ 独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE・ナイト)
      ■■■          生活・福祉技術センター 業務管理課
                       http://www.jiko.nite.go.jp/

====================2005.8.26 Vol. 4====================
┌─────┐
│PSコラム│
└─────◆───────────────────────────┐
      │     生活・福祉技術センター成果発表会の開催      │
      └───────────────────────────┘

◇経済産業省の一機関であったNITEは、平成13年4月に独立行政法人と
 して新たなスタートをきった。NITE生活・福祉技術センターでは、その
 翌年の平成14年度から成果発表会を開催している。日頃の業務成果を関係
  各位に紹介するとともに、意見交換や情報交換の機会とさせていただき、よ
 り一層の連携を深めていくことを期待して始めたものだ。

◇「生活・福祉技術センター成果発表会」は、当初、大阪会場のみで始めたの
 であるが、2回目から、「東京開催」との声が聞かれるようになった。また、
 講演だけでは質問時間にも限界があることから、発表者からは「直接意見交
 換の場が欲しい」と意見が出された。

◇こうしたこともあって、平成16年度からは、開催地を東京、大阪の2会場
 とし、ポスターセッションを開催することとした。今年度も、9月28日に
 東京、30日に大阪で開催する。(今号の、4.NITEの製品安全情報を
 ご参照ください。)

◇今回の発表会では、「事故情報収集調査結果」や「事故原因の調査事例」に
 ついて紹介するほか、前号で触れた「誤使用事故防止ハンドブック」につい
 て、誤使用事故防止への考え方を紹介するつもりだ。是非とも関係各位のご
 参加をいただき、ご意見・ご要望をいただければ大変ありがたい。
                      (生・福C 計画課 長谷川)

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                目次 
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1.消費生活用製品の事故防止について
    第4回「誤使用事故防止の考え方のポイント」
2.事故情報 
   ・消費生活用製品の事故情報収集状況(8月8日~8月19日受付62件)
   ・消費生活用製品以外の事故(2件)
3.社告情報(1件)
4.NITEの製品安全情報
   ・平成17年度生活・福祉技術センター成果発表会
5.編集後記
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        1.消費生活用製品の事故防止について
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       第4回 「誤使用事故防止の考え方のポイント」

 第1回~第3回まで「正常使用」と「誤使用」を分類する意義、責任主体な
どについて解説してきたが、今回から、事業者が自社の製品を見直す際、どの
ような視点で検討すべきか解説していくこととする。
                           
◇(5)「予見可能性とは」
 ・「予見可能な誤使用」は事業者が予見すべき部分である。ここで言う予見
  とは、事業者が独自に予見するということではなく、第三者が客観的な立
  場で予見しうる使用方法も含まれることを認識しておく。この範囲の誤使
  用に対応しておくことが必要となる。
 ・製品事故は、製品自体の不備(強度設計ミスや製造不良など)に基づくも
  のの他に、ユーザー(使用者)の知識や技量、あるいは身体の大きさや運
  動能力の不足により生じることがある。事業者は、製品設計段階でその製
  品を使う可能性がある使用者を想定し、使用者の特性(使用者の知識・経
  験・人体寸法・運動能力など)を考慮した使用状況の予見を行わなければ
  ならない。

◇(6)「危険の明白さとの関係」
 ・包丁が危険であることは、誰から見てもわかりやすく、カバーを付けるな
  どの対策は通常は必要とされない。その製品の危険性が明白な場合には、
  その製品の予見可能な誤使用に関連した危険性が存在した場合でも、社会
  的に許容される場合もある。
 ・逆に、外観からは危険性がわかりにくい製品については、誤使用の起こる
  可能性が相対的に高いと考えられる。複雑で高度な製品ほど、消費者から
  は製品の原理や仕組みが見えず、危険性を認識することが難しくなる。こ
  のような製品については、事業者は消費者の使用方法をより一層詳細に予
  見し、必要な対策を施して安全な製品とすることが求められる。       
                                < S.N >

         ※「消費生活用製品の誤使用事故防止ハンドブック」より
                           (第5回に続く)
    ☆前回までの記事はこちらです→ http://www.jiko.nite.go.jp/psm/ 

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             2.事故情報
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◆◆◇ 消費生活用製品(*)の事故情報収集状況
                 (8月8日~8月19日受付62件) ◇◆◆

 NITEに通知のあった事故情報を傾向として集計しています。
(件数の多い順に5製品)なお、事故原因については現在調査中です。
                 
   製品名(事故状況と件数)        [前号比(件数±)]
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 1. ガスこんろ    (火災8件)        [+ 2]
 2. 四輪自動車    (火災7件)        [+ 4]
 3. 配線器具     (火災4件)        [+ 2]
 4. 簡易ガスライター (火傷1件、その他1件)  [+ 2]
  . 充電器      (火災2件)        [+ 1] 
  . 潜水具[シュノーケル](死亡2件)      [± 0] 
   . エアコン     (室外機:火災2件)    [- 1]

 (*)消費生活用製品:一般消費者が生活において使用する製品。

==天ぷら油火災への業界の取り組み==

 今回、天ぷら油火災と思われる事故は5件通知がありました。
前号でもご紹介しましたが、NITEに通知されたガスこんろの事故の約6割
が天ぷら油火災によるものです。また、その被害者は中高齢者に多い傾向があ
ります。
     被害者の年代別事故情報件数(NITE調査終了案件)

     20代  30代   40代   50代    60代   70代  80代 不明   合計
…………………………………………………………………………………………… 
H15年度 3(4%) 6(7%)  9(11%) 14(17%) 24(29%) 14(17%) 5(6%) 7(9%)  82 
H16年度 4(5%) 6(7%) 11(13%) 21(25%) 14(16%) 13(15%) 3(4%) 13(15%) 85
 (事故情報件数は、物的被害、人的被害にかかわらず被害のあった件数)

  *………*………*………*………*………*………*………*………*………*

 天ぷら油火災への対策は、「消費者の注意」に尽きるのでしょうか。
今回は、業界の取り組みについてご紹介いたします。

 昨年3月、ガス協会、簡易ガス協会、エルピーガス団体、ガス機器メーカー
団体、ガス機器検査機関等は、「ガスこんろ安全性向上検討協議会」を設立し、
本年3月まで検討を重ねた結果、次の取り組みを自主的に行うことを決めまし
た。
 …………………………………………………………………………………………
(1)家庭用で最も多く使用されている、こんろバーナーが2口あるいは3口
   のガスこんろは、必ず1口以上に「調理油過熱防止装置」を取り付ける
   こととする。
(2)具体的には、財団法人日本ガス機器検査協会が行っている製品認証の技
   術基準を改正し、平成17年4月以降認証されるガスこんろについては、
   同基準に適合したものとする。
 …………………………………………………………………………………………
 
 調理油過熱防止装置付きのガスこんろは、昭和58年に商品化され、最近で
は、新たに製造されるガスこんろの60%弱の割合で、この安全装置が搭載さ
れています。本年8月以降に製造されるガスこんろは、全て調理油過熱防止装
置付きのものとなりましたが、同協議会では、本年度も引き続き同こんろの表
示方法等の検討を行い普及促進に努めるとしています。

 ♪ワンポイント♪ 「調理油過熱防止装置」
 調理油過熱防止装置は、ガスこんろのバーナー中央にある温度センサーで鍋
底の温度を検知し、約250℃になるとガスを遮断してこんろの火を自動消火
するものです。

・・・‥‥…………………………………………………………………‥‥・・・

◆◆◇ 消費生活用製品以外の事故でこんな事故がありました ◇◆◆

◇『トラックにある降車時の手つき用部品が破損し、運転手が転落』
                         (7/29・長野県)
 運転手が、大型トラックの運転席ドア下にある、降車時の手つき用部品(樹
脂製)に足を乗せていたところ破損し、転落した。

◇『走行中の大型トラック、ボルト脱落』(8/8・大阪府)
 リコール作業時の修理ミスで、走行中の大型トラックのサスペンション部品
の取り付けボルト2本が脱落し、他の2本もゆるんで、走行不能になった。

■━━事故情報の検索━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■
 
  NITEのHPでは、調査が終了した事故情報を検索できます。
  http://www.jiko.nite.go.jp/php/jiko/index.html

■━━製品の事故情報をお寄せください━━━━━━━━━━━━━━━━■

  NITEでは、暮らしの中で起こった製品の事故情報を集めて調査し、
 その結果を公表して製品事故の未然・再発防止に役立てています。
 
 【事故情報収集制度概要】 http://www.jiko.nite.go.jp/index2.html
 【通知様式】 http://www.jiko.nite.go.jp/index10.html(Word版・PDF版)
 【送付先】 mailto:jiko@nite.go.jp Fax 06-6946-7280
  【問い合わせ先】 mailto:jiko@nite.go.jp

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             3.社告情報
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◆◆◇ 最近の社告 ◇◆◆

◇平成17年8月12日 宮田工業株式会社「自転車」
 通常の取り扱いでは発生しないが、施錠中にイタズラ等で過大な力が加えら
れた場合に使用者がハンドル錠内の部品が破損した事に気づかず乗車走行する
と、ごく稀に乗り始めや走行中にハンドル操作が重くなる場合がある。
(無償で部品交換(ハンドル錠))

■━━━NITE社告情報のページ━━━━━━━━━━━━━━━━━━■

 【過去半年間の社告】 http://www.nite.go.jp/jiko/index4.html
 【社告の検索】 http://www.jiko.nite.go.jp/php/shakoku/search/index.php

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          4.NITEの製品安全情報
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◆◆◇ 平成17年度生活・福祉技術センター成果発表会  ◇◆◆

 NITE生活・福祉技術センターでは、当センターで取り組んでいる事業に
ついて関係機関にご理解いただき、意見交換を行う機会として、「平成17年
度生活・福祉技術センター成果発表会」を開催します。

 「製品安全関係分野」「標準化関係分野」でそれぞれ口頭発表とポスターセ
ッションを行いますので、是非ご参加いただきますよう、お願いいたします。

………………開催日時及び会場………………………………………………………

 ☆東京会場
 (発表分野)「製品安全関係分野」「標準化関係分野」
 (開催日時)平成17年9月28日(水)10:00~16:05
 (会  場)東京ビッグサイト TFTビル 東館9F

 ☆大阪会場
 (発表分野)「製品安全関係分野」「標準化関係分野
                  (ポスターセッションのみ)」
 (開催日時)平成17年9月30日(金)10:00~16:05
 (会  場)大阪合同庁舎第4号館 2F    

……………………………………………………………………………………………
プログラム、参加申し込み方法、会場案内図などは、こちらをご覧ください。
 → http://www.tech.nite.go.jp/seika_17fy/seika_top.html

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             5.編集後記
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 明治大学リバティ・アカデミーが経済産業省と明治大学安全学研究所の共催
を得て、安全の概念を体系的に学べる公開講座「安全学入門」を10月に開講
します。

 7月に新聞で見たときから「受講したい」と思っていましたが、遠方なので
断念。「それならPSマガジンで皆さんに紹介しよう!」と思い、用意してい
ましたが、配信前(8月24日!)に定員オーバーになってしまいました。
一般申込の受付が8月19日からで、100名以上の応募があったそうです。
恐るべし「安全学入門」。PSマガジンを読んでくださっている方の中に、受
講予定の方がいらっしゃるのではないでしょうか。(うらやましい!)

 明治大学の向殿政男教授をトップバッターとした全6回講座で、製品の安全
を中心に、消費者の視点から「安全」について考える内容とのこと。第2弾が
あれば、ぜひ、関西で開講していただければ嬉しいです。(^_^) 

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          【編集・発行】 独立行政法人製品評価技術基盤機構
                  生活・福祉技術センター 業務管理課

お問い合わせ

独立行政法人製品評価技術基盤機構 製品安全センター  製品安全広報課
TEL:06-6612-2066  FAX:06-6612-1617
住所:〒559-0034 大阪市住之江区南港北1-22-16 地図