製品安全

Vol.56  9月12日号「コーンタイプのアロマ用線香による事故」

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 ■    ◆========= 製品安全情報マガジン(PSマガジン)========== 
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===================2007.9.12 Vol. 56=====================

 秋の夜長にお香やアロマキャンドルなどを使われるご家庭もあるかと思いま
す。今回は、アロマ用線香による火災事故をご紹介しています。事故100選
では、突然ボタン電池が破裂して天井まで飛び上がった「ボタン電池が破裂し
た事故」です。

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                 目次 
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1.製品事故収集情報 
  ・コーンタイプのアロマ用線香によるに事故
  ・消費生活用製品の事故情報収集状況(8月23日~9月5日受付313件)
2.社告・リコール情報(12件)
3.関係機関の製品安全情報
  ・消費生活用製品の重大製品事故に係る公表済事故において、
   製品に起因して生じた事故かどうか不明であると判断した案件について
                              経済産業省
  ・消費生活用製品の重大製品事故に係る公表済事故において、
   製品起因による事故ではないと判断した案件について   経済産業省
  ・消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について    経済産業省
4.事故100選
   第25回「ボタン電池が破裂した事故」
5.編集後記
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            1.製品事故収集情報
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    ◆◆◇ コーンタイプのアロマ用線香による火災事故 ◇◆◆

◇前回の事故情報に、消防機関より寄せられた、アロマ用線香による火災事故
 がありました(事故原因は調査中)。事例をご紹介いたします。
 
  (事例)使用後のコーンタイプのアロマ線香をごみ箱に捨てたところ、ご
      み箱内から出火し、紙屑と周辺に置いていたトレーニングウエア
      などを焼損しました。

 アロマ用線香は、主にスティックタイプ、うずまきタイプがありますが、今
 回、事故が起きた製品はコーンタイプ(円錐型)のアロマ用線香で、高校の
 部室で剣道着についた臭いを和らげるために使用されていました。事故当時、
 金属製の容器にアロマ用線香1個を載せて燃焼させ、約15分後に発煙が止
 まったのでゴミ箱に捨てたとのこと。このとき、残っていた火種がゴミ箱内
 の紙くず等に燃え移って事故に至ったと考えられます。

◇コーンタイプのアロマ用線香(特に中が詰まって空洞になっていないタイプ)
 は、発煙が止まって燃焼が終わったと思っても、灰の中に火種が残っている
 場合があります。完全に消えたことを確認してから処分するようにしてくだ
 さい。発煙終了後、約5~6分間火種が残ったという実験結果もあります。

     ◆◆◇ 消費生活用製品の事故情報収集状況 ◇◆◆ 
          (8月23日~9月5日受付313件)

 NITEに通知のあった事故の傾向を見るために、上記期間内で、収集件数
 の多い5製品を掲載しています。なお、事故原因については現在調査中です。
                  
     製品名(事故状況と件数)        [前号比(件数±)]
    ==========================================================
    1.草刈機        (折損   56件) [-]
    2.サンダル       (巻き込み 28件) [-]
    3.ガスこんろ      (火災等  20件) [-]
    4.カラーテレビ     (発煙等  13件) [-]
     .スプレー缶      (爆発等  13件) [-]
   
    (*) 前回は4週間分の集計(通常2週間分)であったため、
      前号比は掲載しておりません。

 草刈り機56件は社告対象品で、エンジンとパイプを固定する部品の一部が
折損したもので、昨年に起きた分も含め報告があったものです。サンダル28
件は、エスカレーターのステップ部などに巻き込まれて、足を負傷したり、サ
ンダルを破損したりした事故です。スプレー缶13件は、そのうち12件が社
告対象の殺虫剤で、台所等で使用して爆発したり、炎が上がったりした事故で
す。
 
<最新の製品事故情報の公表>

 最近1週間に受付をした事故情報について毎週月曜日に以下のNITEホー
ムページで公表しています。
  → http://www.nite.go.jp/jiko/sokuho/index20.html

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            2.社告・リコール情報
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・三洋株式会社「古い扇風機についてのお知らせとお願い」(H19/08/24) 
 こちらの「リンク情報」からご覧ください。
 → http://www.nite.go.jp/jiko/index4.html

◇日本サムスン株式会社 「液晶テレビ(再社告)」
 (平成19年7月20日の再社告)(部無償点検、修理)(H19/09/04)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20070904.html

◇パロマ工業株式会社「ガスファンヒーター」「ガス炊飯器」
 (無償点検、部品交換)(H19/09/01)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20070901.html

◇大東電機工業株式会社(製造元)/スライヴ株式会社(販売元)
 「マッサージ器」(部品交換)(H19/08/28)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20070828b.html

◇ライオン株式会社「殺虫剤」(自主回収)(H19/08/28)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20070828a.html

◇株式会社カワムラサイクル 「車いす」(注意喚起)(H19/08/25)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20070825.html

◇マイクロソフト株式会社「電気玩具(ゲーム機用コントローラー)」
 (注意喚起)(H19/08/23)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20070823c.html

◇株式会社セイカ「電動鉛筆削り器」
(商品回収、無償部品交換(電源コード))(H19/08/23)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20070823b.html

◇株式会社デビカ「電動鉛筆削り器」
 (商品回収、無償部品交換(電線コード))(H19/08/23)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20070823a.html

◇株式会社赤ちゃん本舗/株式会社ケイビーエクセル/株式会社国際貿易/
 株式会社ティーレックス/株式会社ナカジマコーポレーション/
 有限会社マーケット・ブレインズ/株式会社ライフプラン/
 (社団法人日本玩具協会が調整)「浴槽用浮き輪(座れるタイプ)」
 (注意喚起)(H19/08/21)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20070821b.html

◇旭硝子株式会社「温水浄化システム(通称「24時間風呂」)」
(無償点検、ヒーター部品交換、防水処理を実施。)(H19/08/21)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20070821a.html

◇NTTドコモグループ「携帯電話端末対応電池パック」
(製品交換(回収対象の電池パック))(H19/08/16)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20070816.html

■━━━NITE社告・リコール情報のページ━━━━━━━━━━━━━■

 【過去1年間の社告】 http://www.nite.go.jp/jiko/index4.html
 【社告の検索】 http://www.jiko.nite.go.jp/php/shakoku/search/index.php

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            3.関係機関の製品安全情報
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 ◆◆◇ 消費生活用製品の重大製品事故に係る公表済事故において、◇◆◆
     製品に起因して生じた事故かどうか不明であると判断した
     案件について(2007年09月07日)

 経済産業省は、消費生活用製品安全法第35条第1項の規定に基づき報告の
あった重大製品事故に係る公表において、製品起因か否かが特定できていない
事故として公表した案件のうち、原因究明調査を行ったものの、製品に起因し
て生じた事故かどうか依然として不明であるため、消費経済審議会製品安全部
会『第3回製品事故判定第三者委員会』において審議した結果、製品に起因し
て生じた事故かどうか不明であると判断したものについて、製品安全に資する
情報提供の観点から、不明の理由を付して公表しました。

【詳細】 http://www.meti.go.jp/product_safety/index.html 
 
 ◆◆◇ 消費生活用製品の重大製品事故に係る公表済事故において、◇◆◆
     製品起因による事故ではないと判断した案件について
     (2007年09月07日)    

 経済産業省は、消費生活用製品安全法第35条第1項の規定に基づき報告の
あった重大製品事故に係る公表において、ガス機器・石油機器に関する事故及
び製品起因か否かが特定できていない事故として公表した案件のうち、消費経
済審議会製品安全部会『第3回製品事故判定第三者委員会』における審議の結
果、製品起因による事故ではない(製品事故ではない)と判断したものを公表
いたしました。

【詳細】 http://www.meti.go.jp/product_safety/index.html

  ◆◆◇ 消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について ◇◆◆  

 経済産業省は、消費生活用製品安全法第35条第1項の規定に基づき報告の
あった重大製品事故について、以下のとおり公表しています。

 9/11 http://www.meti.go.jp/press/20070911004/20070911004.html
 9/ 6 http://www.meti.go.jp/press/20070906003/20070906003.html
 9/ 4 http://www.meti.go.jp/press/20070904006/20070904006.html
 8/31 http://www.meti.go.jp/press/20070831006/20070831006.html

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             4.事故100選
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         第25回「ボタン電池が破裂した事故」

◇平成17年、ボタン電池が破裂する事故が起きました。使用者によると、ラ
 イト付き防犯ブザーのライトが点灯せず、ブザー音も弱かったことから、交
 換するためにボタン電池を取り出してテーブルに置いたところ、約2分後に
 4個のうちの1個が突然破裂し、天井にあたったとのこと。防犯ブザーはイ
 ベントの景品として参加企業に配布されたものでした。

◇事故が起きたボタン電池はLR44形で、防犯ブザーに4個装填されていました。
 事故品を観察すると、負極側のキャップ端子が正極ケースから外れた状態で、
 負極、正極側の両方とも外側にふくらんでいました。このことから、ボタン
 電池内部でガスが発生して内圧が高くなり、破裂したと考えられます。防犯
 ブザーについては本体内部に異常は認められず、動作状況も正常でした。

◇ボタン電池の電圧について、事故品といっしょに装填されていたものと、防
 犯ブザーのクレーム品(ライトやブザーが動作しないもの)に装填されてい
 るものを測定しました。その結果、事故品といっしょに装填されていたもの
 は全て閉路電圧が0Vで、完全放電した状態でした。また、クレーム品に装
 填されていたものの1つに転極している電池がありました。転極とは、電池
 が強制放電されて正極と負極の電位が逆転する現象で、複数の電池を使用す
 るとき、そのうちの1つの容量が他の電池と比べて不足している場合にこの
 現象が生じることがあります。

◇クレーム品のライトのスイッチを入れたまま放置したところ、3日後に転極
 していた電池が過放電により内圧が上昇しふくらんだ状態になりました。

◇以上のことから、ボタン電池を防犯ブザーに装填する工程において、自然放
 電等によって容量の少ないボタン電池が混入し、輸入後の検査時か使用時の
 いずれかにライトのスイッチを入れたまま放置されたため、容量が少なかっ
 た電池が過放電となり、内部でガスが発生して内圧が上昇し破裂したものと
 推定されます。当該製品は配布した参加企業に告知し回収がなされています。

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              5.編集後記
===================================
 
 今回ご紹介したコーンタイプのアロマ用線香、似たタイプのもので試してみ
ました。発煙が終わって、外観上、燃焼が終わったかなという状態で灰を崩し
てみると、中に赤い火種が・・・。皆さまもお気をつけくださいね。

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 ◇事故情報の検索 
  NITEのHPでは、調査が終了した事故情報を検索できます。
  http://www.jiko.nite.go.jp/php/jiko/index.html

 ◇製品の事故情報をお寄せください
  NITEでは、暮らしの中で起こった製品の事故情報を集めて調査し、
 その結果を公表して製品事故の未然・再発防止に役立てています。
 
 【事故情報収集制度概要】 http://www.jiko.nite.go.jp/index2.html
 【通知様式】 http://www.jiko.nite.go.jp/index10.html(Word版・PDF版)
 【送付先】 mailto:jiko@nite.go.jp Fax 06-6946-7280
  【問い合わせ先】 mailto:jiko@nite.go.jp

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        【編集・発行】 独立行政法人製品評価技術基盤機構
                生活・福祉技術センター 製品安全企画課

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独立行政法人製品評価技術基盤機構 製品安全センター  製品安全広報課
TEL:06-6612-2066  FAX:06-6612-1617
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