製品安全

特別号 No.1  6月25日号

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==============2009. 6.25 PSマガジン<特別号>==============

 NITEでは、6月24日に「ブラウン管テレビの経年劣化による事故防止」
 について、記者説明会を行いました。

 【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/press/prs090624.html

 概要は以下になります。    
 
◆◆◇ブラウン管テレビの経年劣化による事故防止について(注意喚起)◇◆◆

 NITEは、平成21年4月1日、消費生活用製品安全法の改正による「長期
使用製品安全点検制度」と「長期使用製品安全表示制度」の施行に併せて、「経
年劣化対策室」を新設し、今後、経年劣化による重大製品事故等を減少させてい
くために、経年劣化に関する事故情報の分析を開始しました。
 これまでNITE事故情報データベース(平成21年5月19日現在、平成8
~20年度までに調査を終了した重大製品事故情報・非重大製品事故情報25,3
22件を格納)による経年劣化に関する事故情報の分析を進めています。
 その一つとして、「長期使用製品安全表示制度」対象品目のブラウン管テレビ
の経年劣化に関する分析結果を社会に公表し、同製品の経年劣化による事故防止
について注意喚起することにしました。

 説明資料: http://www.nite.go.jp/jiko/press/prs090624.pdf
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1.経年劣化に関する分析結果について

 (1) 経年劣化による製品事故が多い製品
   NITE事故情報データベース(平成21年5月19日現在、平成8
  ~20年度までに調査を終了した重大製品事故情報・非重大製品事故情
  報25,322件を格納)を分析すると、経年劣化が事故原因と推定され
  る事故情報件数は698件あります。これを製品別にみると、特にブラ
  ウン管テレビの経年劣化と推定される事故情報(※1)が多く約15%
  を占めています。

     1.ブラウン管テレビ(105件)
     2.扇風機(62件)
     3.ふろがま(55件)
     4.石油給湯器(33件)
     5.ガス給湯器(30件)など
     

 (※1) ブラウン管テレビの経年劣化が事故原因と推定される事故事例の概
    要

     これまでにブラウン管テレビの経年劣化と推定される次のような事
    故情報が報告 されています。

     1.平成19年10月7日(福岡県)
      (事故内容)
        視聴中のテレビから突然煙が上がり、火花が出た。
      (事故原因)
        長期使用(約20年)により、フライバックトランスの高圧
       コイル部に絶縁劣化が生じて層状に巻かれたコイルの巻線同士
       がショート(短らく)し、発熱して絶縁樹脂が気化し、フライ
       バックトランスの内圧が上昇して外郭ケースに亀裂を生じ、内
       部に発生したガスが噴出したものと推定される。

     2.平成19年12月23日(愛知県)
      (事故内容)
        当該製品のスイッチを付けたら音がして、発煙し、中を覗い
       たら炎が見えたので消火した。
      (事故原因)
        事故原因は、長期使用により高圧部品(フライバックトラン
       ス)の劣化と製品内部にホコリが堆積したことによって、発煙
       ・発火に至ったものと推定される。

     3.平成17年6月30日(愛知県)
      (事故内容)
        居間のテレビから発煙し、テレビ台の一部が焦げた。
      (事故原因)
        長期使用(約14年)により基板のはんだ割れ等が生じて放
       電し、基板の一部が炭化して焼損に至ったものと推定される。


 (2) ブラウン管テレビの経年劣化の事故原因と推定される部品

   ブラウン管テレビの経年劣化と推定される事故情報105件を事故原因
  と推定される部品別にみると、特にフライバックトランスが経年劣化の事
  故原因と推定されるものが73件(約70%)を占め、コンデンサーが経
  年劣化の事故原因と推定されるものは17件(約15%)を占めています。

     1.フライバックトランス(73件)
     2.コンデンサー(17件)
     3.基板(8件)
     4.サーミスタ(3件)
     5.水平偏向コイル(2件)
     6.ダイオード(1件)など

 (3) ブラウン管テレビの使用期間と経年劣化の関係

   ブラウン管テレビの経年劣化と推定される事故情報105件の使用年数
  を分析すると、使用期間が6年を越える頃から経年劣化の事故が発生し始
  め、10年を越える頃から事故件数が増加する傾向があります。
   グラフ:「ブラウン管テレビの使用期間と事故件数(経年劣化)の関係」
     http://www.nite.go.jp/jiko/press/prs09062402.pdf
   また、ブラウン管テレビの使用期間と経年劣化の事故原因となった部品
  との関係をみると、特にブラウン管テレビの経年劣化の事故原因で約70
  %を占めるフライバックトランスは、10年を越える頃から経年劣化の事
  故件数が増加しています。

2.ブラウン管テレビの経年劣化による事故防止について

  ブラウン管テレビは経年劣化によって発火事故を引き起こす可能性があり
 ます。長期間ご使用(※2)のブラウン管テレビをお持ちの消費者の方は事
 故防止のため、ご使用中に次のような症状がみられる場合は、電源スイッチ
 を切り、コンセントから電源プラグを抜いて、購入した販売店またはメーカ
 ーに連絡することをお薦めします。

   (症状)
     1.電源スイッチを入れても、映像や音が出ない。
     2.電源スイッチを切っても、映像や音が消えない。
     3.上下、または左右の画像が欠けて映る。
     4.映像が連続してチラついたり、揺れたりする。
     5.変なにおいがしたり、煙が出たりする。
     6.ジージー、パチパチなどの異常な音がする。
     7.内部に水や異物が入った。
     8.電源コードに傷や破れがある。

 (※2)ブラウン管テレビの側面に製造時期を表す表示が付されています。
     この表示によって製造時期を確認することができます。

    _____
   |     | 
   | 90製 |
   |-----|
   |1-6月期|
   |_____|
              
    この場合は製造時期が1990年(平成2年)であることを表していま
   す。
    -------------------------------------------------------
     上記の製造時期を表す表示は、パソコン表示環境によっては、
    うまく表示されない場合があります。

     かならず、説明資料でご確認ください。
    説明資料: http://www.nite.go.jp/jiko/press/prs090624.pdf
        
    -------------------------------------------------------

 
 ◇NITE事故情報データベースの紹介
  NITEのHPでは、調査が終了した事故情報を検索できます。
  http://www.jiko.nite.go.jp/php/jiko/index.html 

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独立行政法人製品評価技術基盤機構 製品安全センター  製品安全広報課
TEL:06-6612-2066  FAX:06-6612-1617
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