製品安全

事故情報特記ニュースNo.26

1999.7.1

通商産業省は、国民安全の日の7月1日、製品事故の未然防止・再発防止のための情報を収集している事故情報収集結果(平成10年度)の情報提供を行いました。

そのポイントは、次のとおりです。

1.事故情報件数

平成10年度に寄せられた製品事故情報は1045件。

平成10年度に通商産業省製品評価技術センターに寄せられた製品事故情報は、1045件。
平成9年度と比べて約8%減であった。(製品事故情報の減少が必ずしも事故全体の減少を示すものではないことに留意が必要である。)

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2.商品分類別に見た事故の状況

燃焼器具、家庭用電気製品、乗物・乗物用品による事故が多く、前年度と比較すると、これら以外の商品事故が減少している。

燃焼器具( 344件)、家庭用電気製品( 317件)、乗物・乗物用品( 173件)の3商品分野に関する事故情報が、寄せられた製品事故情報の80%を占めた。

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3.被害状況

事故の約38%( 401件)が人的被害を、また、約39%( 412件)が当該事故品以外に拡大被害を発生している。全事故のうち死亡事故は約9%(94件)、重傷事故は約7%(70件)であり、そのうち、燃焼器具によるものはそれぞれ49件、15件と多く発生している。

  1. (1)死亡事故については、その52%(49件)が燃焼器具による事故である。この内容は、火災、一酸化炭素中毒等となっている。
  2. (2)死亡事故の原因としては、専ら誤使用や不注意な使い方によると考えられるものが約51%(48件)を占めているが、「製品自体に問題があったもの」、「製品自体に問題があり、使い方も事故発生に影響したと考えられるもの」は発生していない。

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4.事故原因

事故のうち、原因が専ら誤使用や不注意な使い方によると考えられるものが全体の約36%( 375件)で最も多く、原因不明が約20%( 206件)、専ら設計上、製造上又は表示等に問題があったと考えられるものが約10%( 109件)でそれに次いでいる。

  1. (1) 専ら誤使用や不注意な使い方によると考えられる事故は、燃焼器具が最も多く( 215件)、家庭用電気製品(69件)がそれに次いでいる。
  2. (2) 原因不明の事故は、家庭用電気製品(80件)、乗物・乗物用品(54件)、燃焼器具(38件)で約83%近くを占めている。これは、出火事故が多く、事故品の焼損が著しく原因究明が困難なことによるものである。
  3. (3) 専ら設計上、製造上又は表示等に問題があったと考えられる事故は、家庭用電気製品(49件)、身のまわり品(22件)、乗物・乗物用品(10件)の順となっている。
  4. (4) 事故原因が製品に起因すると判断される事故の発生は、平成8年度約23%、平成9年度約18%と減少傾向にあったが、平成10年度においても約10%と前年度比8ポイントの減少となった。
  5. (5) 製品に起因する事故発生とは対照的に、誤使用や不注意によって生じた事故の発生は、平成8年度約37%、平成9年度約41%と増加傾向にあったが、平成10年度においては約36%と減少した。これは、調査中のものが263件あることも一因と考えられる。

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5.通商産業省における事故情報処理テスト

通商産業省は、収集した事故情報のうち適切な行政措置等を講ずるため原因究明が必要なものについて、事故情報処理テストを実施。

平成10年度については35件(平成9年度に寄せられた製品事故情報を含む)の事故情報処理テストを行った。

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6.通商産業省における再発防止措置状況

原因が製品に起因するものについては、事故再発防止の観点から、メーカーなどに対して所要の措置を講ずるよう指導を行うとともに、当該製品を特定できる情報(当該製品の製造事業者名、銘柄及び型式)を提供。特に緊急かつ重大な案件については、その都度公表を行った。

事故原因が判明したものの中で、原因が製品に起因するものについては、事故再発防止の観点から、メーカーや関係業界に対して、製造工程の管理強化等、所要の措置を講ずるよう指導を行っている。

このうち、折損・転倒のおそれがある「折り畳み式自転車」(事故発生:10年度2件)については、一般消費者に対して注意喚起のための公表(公表日は11年5月)を行うとともに製品評価技術センターの「事故情報 特記ニュース」により、広く消費者関連機関に周知を図った。

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7.企業における再発防止措置状況

自主的に回収等又は、新聞に社告等を掲載し、製品の回収・交換等を実施した旨の報告があったのは、21製品(22社)であった。

  1. (1) 自主的に回収等又は、新聞に社告等を掲載し、製品の回収・交換等を実施した旨の報告があったのは、電気加湿器、空気清浄機及び水中カメラ用ストロボ等21製品(22社)であった。
  2. (2) 企業における再発防止対策としては、この他に、製品の改良、製造工程の改善、品質管理の強化、表示の改善、取扱説明書の見直し等の措置が多く講ぜられている。

 

お問い合わせ

独立行政法人製品評価技術基盤機構 製品安全センター  製品安全広報課
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