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酵母は、元来“発酵のもと”という意味であり、英語の発酵(fermentation)という言葉も、“沸き立つ(わきたつ)”という意味に由来している。これは、糖類をアルコールと炭酸ガスに変換(へんかん)するアルコール発酵の現象を指している。アルコール発酵は、酵母にとってはエネルギー獲得(かくとく)のための手段であり、生成物のアルコールは残さ〔廃棄物(はいきぶつ)〕にすぎないが、この現象を利用して、非常に古い時代から、人類は、酒類の醸造(ぞうじょう)、製パンなどを行ってきた。
たとえば、紀元前3000年頃に、ビールの起源ともいえる大麦を原料にした酒を、メソポタミアのシュメール人が作っており、エジプトのピラミッド建設に携(たずさ)わった人々にもパンとビールが支給されていたといわれている。日本でも、やよい時代に、米を使った酒造りを行っていたという文献が残っている。ビールやウィスキーの製造では、麦芽を使って大麦デンプンを糖化した後、酵母によるアルコール発酵を行うが、清酒製造では、カビ(コウジ菌)による米デンプンの糖化と、酵母によるアルコール発酵(はっこう)が同時に進行するのが特徴(とくちょう)である。また、ある種の酵母は、タンパク質やビタミン類の含有量(がんゆうりょう)が高いことから、栄養剤(えいようざい)や飼料などにも用いられている。
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