名称:キシレン
CAS番号:1330-20-7
物質ID: | 16 |
分類実施者: | GHS関係省庁連絡会議 |
分類実施年度: | 平成18年度 |
使用マニュアル: | GHS分類マニュアル(H18.2.10版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性に関する原子団を含まない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
6 | 引火性液体 | 区分3 | 警告 | H226: 引火性液体及び蒸気 |
P303+P361+P353: 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと/取り除くこと。皮膚を流水/シャワーで洗うこと。 P370+P378: 火災の場合:消火するために...を使用すること。 P403+P235: 換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。 P210: 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。 P233: 容器を密閉しておくこと。 P240: 容器を接地すること/アースをとること。 P241: 防爆型の電気機器/換気装置/照明機器/...機器を使用すること。 P242: 火花を発生させない工具を使用すること。 P243: 静電気放電に対する予防措置を講ずること。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ICSC(2002)による引火点は32℃(o-体)(密閉式)、27℃(m-体、p-体)(密閉式)であり、いずれも「区分3」に該当する。国連危険物輸送勧告ではクラス3、容器等級II〜III(国連番号1307)。 | |
7 | 可燃性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性、あるいは自己反応性に関する原子団を含まない。 |
9 | 自然発火性液体 | 区分外 | - | - | - | - | 常温の空気と接触しても自然発火しない(発火点463℃(o-体)および527℃(m-体、p-体)、(ICSC,2002))。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 酸素、フッ素または塩素を含まない有機化合物である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | -O-O-構造を含まない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 区分外 | - | - | - | - | 国連危険物輸送勧告がクラス3(国連番号1307)。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分5 | - | 警告 | H303: 飲み込むと有害のおそれ | P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 | ラットを用いた経口投与試験のLD50=3,500 mg/kg(CaPSAR(1993)), 4,300 mg/kg(環境省リスク評価第1巻(2002))のうち、低い値に基づいて区分5とした。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 分類できない | - | - | - | - | ウサギを用いた経皮投与試験のLD50 > 4,350 mg/kg (IUCLID (2000)) に基づくと、区分5または区分外と考えられるが、確定値が得られていないので、分類できないとした。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による液体であるため、ガスでの吸入は想定できず、分類対象外とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 区分外 | - | - | - | - | ラットを用いた吸入暴露試験のLD50(4時間)=29.08 mg/L(環境省リスク評価第1巻(2002))(6,700 ppmに相当)は、飽和蒸気圧 0.8 kPa(20℃)における飽和蒸気圧濃度 8,000 ppm の90% より低い濃度であるため、「ミストがほとんどない蒸気」としてppm濃度基準値で分類し、区分外とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分2 | 警告 | H315: 皮膚刺激 |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P332+P313: 皮膚刺激が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P362: 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 |
ウサギを用いた皮膚刺激性試験の結果(CERI・NITE有害性評価書 No.62(2004))の記述から、「中等度の刺激性」がみられるとあり、区分2とした。 | |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2A | 警告 | H319: 強い眼刺激 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 |
ウサギを用いた眼刺激性試験の結果(CERI・NITE有害性評価書 No. 62(2004))の記述から、「中等度(moderate)の刺激性」を有するとあり、区分2Aとした。 | |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分外 | - | - | - | - | CERI・NITE有害性評価書 No.62(2004)、CaPSAR(1993)、IARC(1999)、NTP DB(Access on December 2005)の記述から、ヒト経世代疫学で陰性、経世代変異原性試験なし、生殖細胞 in vivo 変異原性試験なし、体細胞 in vivo 変異原性試験(小核試験・染色体試験)で陰性であり、生殖細胞in vivo遺伝毒性試験なしであることから、区分外とした。 |
6 | 発がん性 | 区分外 | - | - | - | - | ACGIH(2001)でA4、IARC(1999)でGroup 3に分類されていることから、区分外とした。 |
7 | 生殖毒性 | 区分1B | 危険 | H360: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれ |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
CERI・NITE有害性評価書 No.62(2004)、EHC 190(1997)、IRIS(2003)の記述から、マウスの発生毒性試験で親動物に一般毒性がみられない用量で、胎児に体重減少、水頭症がみられていることから、区分1Bとした。 | |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1(呼吸器、肝臓、中枢神経系、腎臓)、区分3(麻酔作用) |
警告 危険 |
H370: 臓器の障害(呼吸器、肝臓、中枢神経系、腎臓) H336: 眠気又はめまいのおそれ(麻酔作用) |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。 P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ヒトについては、「喉の刺激性、重度の肺うっ血、肺胞出血及び肺浮腫、肝臓の腫大を伴ううっ血及び小葉中心性の肝細胞の空胞化、点状出血と腫大及びニッスル小体の消失を伴う神経細胞の損傷、四肢のチアノーゼ、一過性の血清トランスアミナーゼ活性の上昇、血中尿素の増加、内在性クレアチニンの尿中クリアランス低下、肝臓障害及び重度の腎障害、記憶喪失、昏睡」(CERI・NITE有害性評価書 No.62(2004))、「肺のうっ血、浮腫、巣状肺胞出血」(環境省リスク評価 第1巻(2002))等の記述、実験動物については、「深い麻酔作用」(EHC 190(1997))、等の記述があることから、呼吸器、肝臓、中枢神経系、腎臓を標的臓器とし、麻酔作用をもつと考えられた。 以上より、分類は区分1(呼吸器、肝臓、中枢神経系、腎臓)、区分3(麻酔作用)とした。 なお、これらの分類結果は組成不明のキシレンや、他の混合物(エチルベンゼンやトルエンなど)が含まれるキシレンを用いたデータである。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(呼吸器、神経系) | 危険 | H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(呼吸器、神経系) |
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ヒトについては、「眼や鼻への刺激性、喉の渇き」(DFGOT Vol.15(2001))、「慢性頭痛、胸部痛、脳波の異常、呼吸困難、手のチアノーゼ、発熱、白血球数減少、不快感、肺機能低下、労働能力の低下、身体障害及び精神障害」(CERI・NITE有害性評価書 No.62(2004))等の記述があることから、呼吸器、神経系が標的臓器と考えられた。 以上より、分類は区分1(呼吸器、神経系)とした。 なお、これらの分類結果は組成不明のキシレンや、他の混合物(エチルベンゼンやトルエンなど)が含まれるキシレンを用いたデータも採用している。 | |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 区分2 | 警告 | H305: 飲み込んで気道に侵入すると有害のおそれ |
P301+P310: 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。 P331: 無理に吐かせないこと。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
o-キシレン、m-キシレン、p-キシレンのICSC(J)(2002)より、「液体を飲み込むと、誤嚥により化学性肺炎を起こす危険がある。」の記述があるため、区分2と分類した。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分2 | - | - | H401: 水生生物に毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
魚類(ニジマス)の96時間LC50=3.3mg/L(CERI・NITE有害性評価書、2005)から、区分2とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分2 | - | H411: 長期継続的影響によって水生生物に毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
急性毒性が区分2、生物蓄積性が低いと推定されるものの(log Kow=3.16(PHYSPROP Database、2005))、急速分解性がない(BODによる分解度:39%(CERIハザードデータ集、2005))ことから、区分2とした。 |
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