名称:m-フェニレンジアミン
CAS番号:108-45-2
物質ID: | 60 |
分類実施者: | GHS関係省庁連絡会議 |
分類実施年度: | 平成18年度 |
使用マニュアル: | GHS分類マニュアル(H18.2.10版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性に関する原子団を含まない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 区分外 | - | - | - | - | ICSC(2004)では可燃性としているが、データがなく分類できない。国連危険物輸送勧告がクラス・区分6.1(国連番号1673(o-,m-,p-))。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性、あるいは自己反応性に関する原子団を含まない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 区分外 | - | - | - | - | 常温の空気と接触しても自然発火しない(発火点560℃(ICSC,2004))。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 液体状の物質に適した試験方法が確立していない(融点62〜63℃(ICSC,2004)、試験温度140℃)。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 酸素、フッ素または塩素を含まない有機化合物である。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | -O-O-構造を含まない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分3 | 危険 | H301: 飲み込むと有毒 |
P301+P310: 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P330: 口をすすぐこと。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットを用いた経口投与試験のLD50 204 mg/kg(CERIハザードデータ集 98-29(1999))、650 mg/kg(IARC 16(1978))、280 mg/kg(環境省リスク評価第3巻(2004))に基づき計算式を適用して得られたLD50 204 mg/kgから 区分3とした。 | |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分4 | 警告 | H312: 皮膚に接触すると有害 |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 P322: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットを用いた経皮投与試験のLD50 1,100 mg/kg(CERIハザードデータ集 98-29(1999))から、区分4とした。 | |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による固体であるため、ガスでの吸入は想定されず、分類対象外とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分2 | 警告 | H315: 皮膚刺激 |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P332+P313: 皮膚刺激が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P362: 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 |
ACGIH(7th, 2001)、CERIハザードデータ集 98-29(1999)のウサギを用いた皮膚刺激性試験において「中等度から軽度の刺激」がみられ、ACGIH(7th, 2001)、CERIハザードデータ集 98-29(1999)、環境省リスク評価第3巻(2004)のヒトへの健康影響の記述においても皮膚刺激性がみられていることから、区分2とした。 | |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2A-2B | 警告 | H319: 強い眼刺激 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 |
CERIハザードデータ集 98-29(1999)のウサギを用いた眼刺激性試験結果において、「結膜の発赤と角膜の混濁がみられた」との報告があり、環境省リスク評価第3巻(2004)のヒトへの健康影響の記述においても、「眼を刺激する」との報告があることから、その程度については不明だが、眼を刺激すると考えられるため、区分2A-2Bとした。細区分の必要がある場合は、安全性の観点から、2Aとした方が望ましい。が | |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 区分1 | 警告 | H317: アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P333+P313: 皮膚刺激又は発疹が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P272: 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
CERIハザードデータ集 98-29(1999)のモルモットを用いた皮膚感作性試験において「皮膚感作性あり」との報告が得られ、CERIハザードデータ集 98-29(1999)、PATTY(4th, 1999)、環境省リスク評価第3巻(2004)のヒトへの健康影響の記述においても、皮膚感作性があることを示す記述が得られている。また、既存分類としては、日本職業・環境アレルギー学会特設委員会にて、皮膚感作性物質としてリストアップされており、産業衛生学会でも「皮膚:第1群」としていることから、皮膚感作性を有すると考えられるため、区分1とした。 | |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分2 | 警告 | H341: 遺伝性疾患のおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
CERIハザードデータ集 98-29(1999)、NTP DB(Access on March 2006)の記述から、経世代変異原性試験(優性致死試験)で陰性、生殖細胞in vivo変異原性試験なし、体細胞in vivo変異原性試験(小核試験)で陽性、生殖細胞in vivo遺伝毒性試験なしであることから区分2とした。 | |
6 | 発がん性 | 区分外 | - | - | - | - | ACGIH(2001)でA4、IARC(1987)でGroup 3に分類されていることから、「区分外」とした。 |
7 | 生殖毒性 | 区分2 | 警告 | H361: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
環境省リスク評価第3巻(2004)の記述から、母動物に一般毒性のみられる用量で、次世代に小奇形などがみられたことによる。 | |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分2(中枢神経系、呼吸器) | 警告 | H371: 臓器の障害のおそれ(中枢神経系、呼吸器) |
P309+P311: 暴露したとき、又は気分が悪いとき:医師に連絡すること。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ヒトについては、「気道浮腫」(IUCLID(2000))等の記述、実験動物については、「経皮投与での急性肺水腫」(RTECS(2004))、「間代性痙攣」、「チアノーゼ」(IUCLID(2000))等の記述があることから、中枢神経系、呼吸器が標的臓器と考えられた。なお、実験動物に対する影響は、区分1に相当するガイダンス値の範囲でみられた。しかし、引用評価書がPriority 2に指定されており、【判定基準 1b】Bを満たさないため、技術指針にしたがって区分2とした。 以上より、分類は区分2(中枢神経系、呼吸器)とした。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(神経系、肝臓、腎臓、膀胱)、区分2(心血管系、血液系、呼吸器) |
警告 危険 |
H373: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害のおそれ(心血管系、血液系、呼吸器) H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(神経系、肝臓、腎臓、膀胱) |
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ヒトについては、「反射異常、皮膚の知覚過敏、腎臓及び肝臓の病理変化」、「黄疸を伴った亜急性の肝臓萎縮による死亡」(環境省リスク評価第3巻(2004))、「肺線維化、指皮肥厚」、「逆流性食道炎、足浮腫、徐脈、心ブロック、強指症、指の終末血管拡張症、肺線維化、食道拡張」、「黄疸を伴う肝萎縮にて死亡」(IUCLID(2000))、「膀胱の粘膜浮腫、ポリープ状腫脹、膀胱最下部(三角帯)と頚部への細胞浸潤(好酸球)」(ACGIH(7th, 2001))等の記述、実験動物については、「核濃縮を起こした細胞をともなう肝の変性部位増加」(ACGIH(7th, 2001))、「鎮静、メトヘモグロビン血症」(環境省リスク評価第3巻(2004))、「肝臓と中枢神経系の損傷」(IUCLID(2000))等の記述があることから、神経系、血液系、心血管系、呼吸器、肝臓、腎臓、膀胱と考えられた。なお、実験動物に対する影響は、区分1、区分2に相当するガイダンス値の範囲でみられた。 以上より、分類は区分1(神経系、肝臓、腎臓、膀胱)、区分2(心血管系、血液系、呼吸器)とした。 | |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分2 | - | - | H401: 水生生物に毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
甲殻類(オオミジンコ)の48時間EC50=2.0mg/L(環境省生態影響試験、2001)他から、区分2とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分2 | - | H411: 長期継続的影響によって水生生物に毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
急性毒性が区分2、生物蓄積性が低いものの(BCF=24(既存化学物質安全性点検データ))、急速分解性がない(BODによる分解度:2%(既存化学物質安全性点検データ))ことから、区分2とした。 |
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