名称:アセトアルデヒド
CAS番号:75-07-0
物質ID: | 82 |
分類実施者: | GHS関係省庁連絡会議 |
分類実施年度: | 平成18年度 |
使用マニュアル: | GHS分類マニュアル(H18.2.10版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性に関する原子団を含まない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
6 | 引火性液体 | 区分1 | 危険 | H224: 極めて引火性の高い液体及び蒸気 |
P303+P361+P353: 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと/取り除くこと。皮膚を流水/シャワーで洗うこと。 P370+P378: 火災の場合:消火するために...を使用すること。 P403+P235: 換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。 P210: 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。 P233: 容器を密閉しておくこと。 P240: 容器を接地すること/アースをとること。 P241: 防爆型の電気機器/換気装置/照明機器/...機器を使用すること。 P242: 火花を発生させない工具を使用すること。 P243: 静電気放電に対する予防措置を講ずること。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ICSC(2004)による引火点は-38℃(密閉式)、かつ沸点は20.2℃であり、「区分1」に該当する。国連危険物輸送勧告ではクラス3、容器等級I(国連番号1089)。 | |
7 | 可燃性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性、あるいは自己反応性に関する原子団を含まない。 |
9 | 自然発火性液体 | 区分外 | - | - | - | - | 常温の空気と接触しても自然発火しない(発火点185℃(ICSC,2004))。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | フッ素および塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | -O-O-構造を含まない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 区分外 | - | - | - | - | 国連危険物輸送勧告がクラス3(国連番号1089)。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分4 | 警告 | H302: 飲み込むと有害 |
P301+P312: 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P330: 口をすすぐこと。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットを用いた経口投与試験のLD50=660 mg/kg(EHC167(1995))に基づき、区分4とした。 | |
1 | 急性毒性(経皮) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義による液体であるため、ガスでの吸入は想定されず、分類対象外とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 区分外 | - | - | - | - | ラットを用いた吸入(蒸気)暴露試験より、LC50 24 mg/L(13,000 ppm)(4時間)(EHC 167(1995))が得られた。 飽和蒸気圧100.6 kPa(20℃)(IUCLID(2000))における飽和蒸気圧濃度は993,000 ppmである。今回得られたLC50は、飽和蒸気圧濃度の90%より低い濃度であるため、「ミストがほとんど混在しない蒸気」として、ppm濃度基準値で区分外とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分2 | 警告 | H315: 皮膚刺激 |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P332+P313: 皮膚刺激が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P362: 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 |
ウサギを用いた皮膚刺激性試験の結果(ACGIH(7th, 2001))の記述から、「中等度の刺激性を有する」と考えられるので、区分2とした。 | |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2 | 警告 | H319: 強い眼刺激 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 |
ウサギを用いた眼刺激性試験の結果、「強度の刺激性」がみられ、非可逆的な影響と報告されていない(ACGIH (7th, 2001)) ため、区分2とした。 | |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データ不足のため分類できない。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分2 | 警告 | H341: 遺伝性疾患のおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
CERI・NITE有害性評価書 No.61(2004)の記述から、生殖細胞in vivo経世代変異原性試験なし、生殖細胞in vivo変異原性試験(マウスの精母細胞を用いた小核試験)で陰性、体細胞in vivo変異原性試験(小核試験、染色体異常試験)で陽性、生殖細胞in vivo遺伝毒性試験なし、であることから区分2とした。 | |
6 | 発がん性 | 区分2 | 警告 | H351: 発がんのおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
NTP(2005)でR、IARC(1999)で2B、IRIS(2005)でB2に分類されていることから区分2とした。 | |
7 | 生殖毒性 | 分類できない | - | - | - | - | CERI・NITE有害性評価書 No.61(2004)の記述から、雌CFラットの妊娠10、11又は12日目に単回又は10〜12日目にアセトアルデヒド0、50、75、100 mg/kg/日を腹腔内投与した実験で、50 mg/kg以上で吸収胚、奇形(浮腫、合指、小頭、小顎、外脳症、水頭症)、発育遅延、白内障、体重、胎盤重量減少がみられた(すべての用量で親への影響はなし)という報告と、雌SDラットの妊娠6〜18日目にアセトアルデヒド200 mg/kg/日(3 %水溶液)を経口投与した実験で、胎児骨格に影響(具体的記載なし、親への影響の記載なし)がみられたという報告があるが、前述の試験は腹腔内投与であること、後述の試験は影響の具体的な記載がないことから、分類に使用するには不十分なデータであることから分類できないとした。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1(呼吸器、神経系)、区分3(麻酔作用) |
危険 警告 |
H370: 臓器の障害(呼吸器、神経系) H336: 眠気又はめまいのおそれ(麻酔作用) |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。 P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ヒトについては、「咳や、鼻、喉、目に灼熱痛を引き起こす」、「アセトアルデヒドの偶発的な暴露により、頭痛、昏睡、目、皮膚、呼吸器、喉の刺激、気管支炎、肺水腫、運動麻痺、死亡がみられている。」(CERI・NITE有害性評価書 No.61(2004))、「全身的には麻酔作用及び意識混濁、気管支炎、肺浮腫等を起こす」(環境省リスク評価 第1巻(2002))等の記述から、呼吸器、神経系が標的臓器で、麻酔作用をもつと考えられた。 以上より、分類は区分1(呼吸器、神経系)、区分3(麻酔作用)とした。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(呼吸器、神経系) | 危険 | H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(呼吸器、神経系) |
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ヒトについては、「紅斑、咳、肺水腫、麻酔作用」(ACGIH(7th, 2001))、「頭痛、麻酔作用、麻痺、呼吸数の減少、呼吸器への刺激性、気管支炎、肺水腫」(CaPSAR(2000))等の記述より、呼吸器、神経系が標的臓器と考えられた。 以上より、分類は区分1(呼吸器、神経系)とした。 | |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | 動粘性率は0.314 mm2/S(15℃)であるが、沸点が20.2℃(ICSC(2004))であるため、40℃での動粘性率は存在しない。よって、分類できないとした。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分2 | - | - | H401: 水生生物に毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
魚類(ブルーギル)の96時間LC50=2.1mg/L(CERI・NITE有害性評価書、2004)から、区分2とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分外 | - | - | - | - | 急速分解性があり(BODによる分解度:80%(既存化学物質安全性点検データ))、かつ生物蓄積性が低いと推定される(log Kow=-0.34(PHYSPROP Database、2005))ことから、区分外とした。 |
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