GHS分類結果

名称:クロム
CAS番号:7440-47-3

結果:
物質ID: 108
分類実施者: GHS関係省庁連絡会議
分類実施年度: 平成18年度
使用マニュアル: GHS分類マニュアル(H18.2.10版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - 爆発性に関わる原子団なし。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - GHS定義による固体。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品ではない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - GHS定義による固体。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - GHS定義による固体。
6 引火性液体 分類対象外 - - - - GHS定義による固体。
7 可燃性固体 区分外 - - - - not flammable(IUCLID(2000))。
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - - 爆発性あるいは自己反応性に関わる原子団なし。
9 自然発火性液体 分類対象外 - - - - GHS定義による固体。
10 自然発火性固体 区分外 - - - - not flammable(IUCLID(2000))。そして発火点が580 ℃ for fine dust(cloud)、400 ℃ for fine dust(layer)(IUCLID(2000))である。
11 自己発熱性化学品 区分外 - - - - not flammable(IUCLID(2000))。
12 水反応可燃性化学品 分類できない - - - - データなし。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - GHS定義による固体。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - - 酸素、フッ素、塩素を含んでいない。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - 有機物でない。 過酸化物に関わる原子団なし。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - 固体状の物質に適した試験方法が確立されていない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(経皮) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHS定義による固体。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - - データなし。
2 皮膚腐食性/刺激性 分類できない - - - - データなし。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2B - 警告 H320: 眼刺激 P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
粉末は(mechanical)irritationを起す可能性がある(SITTIG(47th, 2002)、HSDB(2005)、ICSC(2004))との記載に基づき区分2Bに分類した。
4 呼吸器感作性 区分1 危険 H334: 吸入するとアレルギー、喘息又は呼吸困難を起こすおそれ P304+P341: 吸入した場合:呼吸が困難な場合には、空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
P342+P311: 呼吸に関する症状が出た場合:医師に連絡すること。
P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
P285: 換気が十分でない場合には、呼吸用保護具を着用すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
日本職業・環境アレルギー学会のリストに記載されていることに基づき区分1に分類した。なお、日本産業衛生学会でも「人間に対しておそらく感作性があると考えられる物質」に分類されている。
4 皮膚感作性 区分1 警告 H317: アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。
P333+P313: 皮膚刺激又は発疹が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。
P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
P272: 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
金属クロム、クロム合金、クロムメッキはこの形態では感作性は認められないが、湿気により溶解してクロムイオンのばく露を受けて皮膚感作性を示す可能性があるという記述(ECETOC Technical Report 45(1992))に基づき区分1に分類した。なお、日本産業衛生学会でも「人間に対して明らかに感作性がある物質」に分類されている。
5 生殖細胞変異原性 区分2 警告 H341: 遺伝性疾患のおそれの疑い P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。
P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。
P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
P281: 指定された個人用保護具を使用すること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
in vivoの体細胞変異原性(ラットの末梢血リンパ球の染色体異常)試験で陽性結果(IARC 49(1999))に基づき区分2に分類した。
6 発がん性 区分外 - - - - IARCでグループ3(1999年)、ACGHIHでA4(1994年)に分類されていることに基づき区分外に分類した。
7 生殖毒性 分類できない - - - - データなし。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分2(全身毒性)、区分3(気道刺激性) 警告 H335: 呼吸器への刺激のおそれ(気道刺激性)
H371: 臓器の障害のおそれ(全身毒性)
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
P309+P311: 暴露したとき、又は気分が悪いとき:医師に連絡すること。
P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。
P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
金属ヒューム熱を生じる可能性があるとの記載(SITTIG(47th, 2002)、HSFS(2000))に基づき区分2(全身毒性)に分類した。 ヒトで気道刺激性が報告されている(HSDB(2005))ことに基づき区分3(気道刺激性)に分類した。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない - - - - データ不足。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - データなし。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 分類できない - - - - データ不足のため分類できない。
11 水生環境有害性(長期間) 分類できない - - - - データ不足のため分類できない。


分類結果の利用に関する注意事項:
 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。
 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

厚生労働省モデルSDS

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