GHS分類結果

名称:3-(3,4-ジクロロフェニル)-1,1-ジメチル尿素
CAS番号:330-54-1

結果:
物質ID: 133
分類実施者: GHS関係省庁連絡会議
分類実施年度: 平成18年度
使用マニュアル: GHS分類マニュアル(H18.2.10版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - 爆発性に関連する原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体。
6 引火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体。
7 可燃性固体 区分外 - - - - 不燃性(HSDB, 2005)。
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - - 爆発性に関連する原子団、あるいは自己反応性に関連する原子団を含んでいない。
9 自然発火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体。
10 自然発火性固体 区分外 - - - - 不燃性(HSDB, 2005)。
11 自己発熱性化学品 区分外 - - - - 不燃性(HSDB, 2005)。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外 - - - - 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - - 酸素、塩素を含んでいるが、これらが炭素以外の元素と化学結合していない。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - HSDB(2005)に「腐食性なし」との記載があるが、固体状の物質に適した試験方法が確立していない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分5 - 警告 H303: 飲み込むと有害のおそれ P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 農薬登録申請資料(1996)の雄ラットのLD50=4990mg/kgに従って、区分5とした。
1 急性毒性(経皮) 区分外 - - - - 農薬登録申請資料(1996)のラットのLD50>2000mg/kgは区分5または区分外に該当するが、RTECS(2004)のラットのLD50>5g/kgは区分外に該当するため、区分外とした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類対象外 - - - - 本物質は蒸気圧が極めて低く(25℃で0.00115mPa)、蒸気暴露は困難と考えられ、分類対象外とした。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 区分外 - - - - 農薬登録申請資料(1996)のラットのLC50>5.0mg/Lに従って、区分外とした。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分3 - 警告 H316: 軽度の皮膚刺激 P332+P313: 皮膚刺激が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。 農薬登録申請資料(1996)のモルモットの皮膚一次刺激性試験において10匹中3匹の健常皮膚で軽度の紅斑がみられたことから、区分3とした。なお、ACGIH(7th, 2001)およびACGIH-TLV(2005)では皮膚刺激性があるとされている。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2B - 警告 H320: 眼刺激 P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
農薬登録申請資料(1996)のウサギの眼一次刺激性試験において結膜に極軽度の発赤、腫張、分泌物が認められたが、症状が適用4日目までに回復したため、区分2Bとした。なお、ACGIH(7th, 2001)およびACGIH-TLV(2005)では眼刺激性があるとされている。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データなし。
4 皮膚感作性 区分外 - - - - 農薬登録申請資料(1996)のモルモットの皮膚感作性試験では皮膚感作性は認められず、区分外とした。
5 生殖細胞変異原性 区分外 - - - - 農薬登録申請資料(1996)の体細胞in vivo変異原性試験(骨髄細胞の染色体異常試験)の結果が陰性であるため、区分外とした。
6 発がん性 区分外 - - - - 農薬登録申請資料(1996)のラットおよびマウスの発がん性試験では本物質に関連する腫瘍性病変は認められなかったことから、区分外とした。なお、ACGIH-TLV(2005)ではA4(区分外に相当)に分類されている。
7 生殖毒性 区分外 - - - - 農薬登録申請資料(1996)のラットの三世代生殖毒性試験、およびラット、ウサギの催奇形性試験では、本物質に関連する明確な影響は認められなかったため、区分外とした。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分3(気道刺激性) 警告 H335: 呼吸器への刺激のおそれ(気道刺激性) P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。
P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。
P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
農薬登録申請資料(1996)のラットの急性吸入毒性試験において鼻または口に赤色分泌物がみられたこと、および本物質は皮膚および眼に弱い刺激性があることから、区分3(気道刺激性)とした。なお、ACGIH(7th, 2001)およびACGIH-TLV(2005)では気道刺激性があるとされている。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分2(血液) 警告 H373: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害のおそれ(血液) P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
農薬登録申請資料(2005)のラットおよびイヌの反復暴露試験(混餌投与)では、血液への影響が認められた(特に赤血球数、ヘモグロビン濃度等の赤血球パラメータの減少)。毒性が表れた用量とガイダンス値との比較から、区分2(血液)とした。 (その他に腎臓、肝臓等への影響もみられたが、重篤な影響とは考えられず、標的臓器には含めなかった。)
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - データなし。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分1 警告 H400: 水生生物に非常に強い毒性 P273: 環境への放出を避けること。
P391: 漏出物を回収すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
藻類(緑藻)の72時間EbC50=0.013mg/L(農薬登録申請資料、2004)から、区分1とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分1 警告 H410: 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 P273: 環境への放出を避けること。
P391: 漏出物を回収すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
急性毒性が区分1、生物蓄積性が低いものの(BCF=14(既存化学物質安全性点検データ))、急速分解性がない(BODによる分解度:0%(既存化学物質安全性点検データ))ことから、区分1とした。


分類結果の利用に関する注意事項:
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 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

厚生労働省モデルSDS

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