名称:1,2-ジクロロプロパン
CAS番号:78-87-5
物質ID: | 136 |
分類実施者: | GHS関係省庁連絡会議 |
分類実施年度: | 平成18年度 |
使用マニュアル: | GHS分類マニュアル(H18.2.10版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性に関する原子団を含まない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
6 | 引火性液体 | 区分2 | 危険 | H225: 引火性の高い液体及び蒸気 |
P303+P361+P353: 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと/取り除くこと。皮膚を流水/シャワーで洗うこと。 P370+P378: 火災の場合:消火するために...を使用すること。 P403+P235: 換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。 P210: 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。 P233: 容器を密閉しておくこと。 P240: 容器を接地すること/アースをとること。 P241: 防爆型の電気機器/換気装置/照明機器/...機器を使用すること。 P242: 火花を発生させない工具を使用すること。 P243: 静電気放電に対する予防措置を講ずること。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ICSC(2000)による引火点は16℃(密閉式)、かつ沸点は96℃であり、「区分2」に該当する。国連危険物輸送勧告ではクラス3、容器等級II(国連番号1279)。 | |
7 | 可燃性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性、あるいは自己反応性に関する原子団を含まない。 |
9 | 自然発火性液体 | 区分外 | - | - | - | - | 常温の空気と接触しても自然発火しない(発火点557℃(ICSC,2000))。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 酸素およびフッ素を含まず、塩素を含む有機化合物であるが、この塩素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | -O-O-構造を含まない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 区分外 | - | - | - | - | データがなく分類できない。国連危険物輸送勧告がクラス3(国連番号1279)。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分4 | 警告 | H302: 飲み込むと有害 |
P301+P312: 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P330: 口をすすぐこと。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットを用いた経口投与試験のLD50=1,900 mg/kg(EHC 146(1993))に基づき、区分4とした。 | |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分外 | - | - | - | - | ウサギを用いた経皮投与試験のLD50=10,115 mg/kg(DFGOT vo.9(1998))に基づき、区分外とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義による液体であるため、ガスでの吸入は想定されず、分類対象外とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 区分外 | - | - | - | - | ラットを用いた吸入(蒸気)暴露試験より、LC50 14 mg/L(10時間)(PATTY 5th(2001))に基づき、計算式を適用してLC50の35 mg/L(7,600 ppm)が得られた。 飽和蒸気圧7.1 kPa(25℃)(HSDB(2005))における飽和蒸気圧濃度は70,000 ppmである。今回得られたLC50は、飽和蒸気圧濃度の90%より低い濃度であるため、「ミストがほとんど混在しない蒸気」として、ppm濃度基準値で区分外とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分3 | - | 警告 | H316: 軽度の皮膚刺激 | P332+P313: 皮膚刺激が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。 | ウサギを用いた皮膚刺激性試験の結果(CERI・NITE有害性評価書 No.39(2005))の記述および、ヒトへの影響の記述(環境省リスク評価書第2巻(2003))から、「軽度の刺激性を有する」と考えられるので、区分3とした。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2A | 警告 | H319: 強い眼刺激 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 |
ウサギを用いた眼刺激性試験の結果(CERI・NITE有害性評価書 No.39(2005))の記述および、ヒトへの影響の記述(環境省リスク評価第2巻(2003))から「中等度の刺激性を有する」と考えられるので、区分2Aとした。 | |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 区分1 | 警告 | H317: アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P333+P313: 皮膚刺激又は発疹が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P272: 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ヒトの2つの症例(EHC 146(1993))の記述より、「皮膚感作性がある」と考えられることから区分1とした。 | |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分外 | - | - | - | - | CERI・NITE有害性評価書No.39(2004)から、経世代変異原試験(ラット用いる優性致死試験)で陰性で、生殖細胞/体細胞in vivo変異原性試験でのデータがないことによる。 |
6 | 発がん性 | 区分外 | - | - | - | - | ACGIH(2001)でA4、IARC(1999)でGroup3に分類されていることから区分外とした。 |
7 | 生殖毒性 | 区分2 | 警告 | H361: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ATSDR(1989)の記述から、精子形成の低下、変性精子数の増加等を含む精巣の変性がみられたことによる。 | |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1(肝臓、血液、腎臓)、区分3(気道刺激性、麻酔作用) |
警告 危険 |
H335: 呼吸器への刺激のおそれ(気道刺激性、麻酔作用) H336: 眠気又はめまいのおそれ(気道刺激性、麻酔作用) H370: 臓器の障害(肝臓、血液、腎臓) |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。 P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ヒトについては、「門脈圧亢進症をともなう肝毒性、肝臓の壊死、溶血性貧血及び血栓」(CERIハザードデータ集 98-16(1999))、「腎臓への急性影響、腎尿細管壊死」(EHC 146(1993))、「中枢神経系抑制に起因すると考えられる疲労感」(ATSDR(1989))等の記述、実験動物については、「呼吸器刺激性」(ACGIH(7th, 2001))、「呼吸困難、運動性低下、昏睡」(CERI・NITE有害性評価書 No.39(2004))等の記述があることから、肝臓、血液系、腎臓が標的臓器と考えられ、気道刺激性、麻酔作用を示した。 以上より、分類は区分1(肝臓、血液系、腎臓)、区分3(気道刺激性、麻酔作用)とした。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(腎臓、肝臓、血液系)、区分2(呼吸器) |
警告 危険 |
H373: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害のおそれ(呼吸器) H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(腎臓、肝臓、血液系) |
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ヒトについては、「重度の腎障害(クレアチニン、尿素窒素の増加)、急性の肝障害(AST、ALT、ビリルビンの増加等)、溶血性貧血及び血栓、尿細管壊死」(CERIハザードデータ集 98-16(1999))等の記述、実験動物については、「嗅上皮変性」(CERI・NITE有害性評価書 No.39(2004))等の記述があることから、腎臓、肝臓、血液系、呼吸器が標的臓器と考えられた。なお、実験動物に対する影響は、区分2に相当するガイダンス値の範囲でみられた。 以上より、分類は区分1(腎臓、肝臓、血液系)、区分2(呼吸器)とした。 | |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分3 | - | - | H402: 水生生物に有害 |
P273: 環境への放出を避けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
甲殻類(ネコゼミジンコ属)の48時間EC50=13600μg/L(環境省リスク評価第2巻、2003)他から、区分3とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分3 | - | - | H412: 長期継続的影響によって水生生物に有害 |
P273: 環境への放出を避けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
急性毒性が区分3、生物蓄積性が低いものの(BCF=6.9(既存化学物質安全性点検データ))、急速分解性がない(BODによる分解度:0%(既存化学物質安全性点検データ))ことから、区分3とした。 |
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