名称:ジクロロメタン
CAS番号:75-09-2
物質ID: | 141 |
分類実施者: | GHS関係省庁連絡会議 |
分類実施年度: | 平成18年度 |
使用マニュアル: | GHS分類マニュアル(H18.2.10版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性に関する原子団を含まない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類できない | - | - | - | - | ICSC(2004)では爆発限界を12-25vol%とし、特定の条件下で可燃性としている。また、NFPA(13th,2002)では引火点なしとしており、引火性に関する情報が評価文書で異なり分類できない。なお、国連危険物輸送勧告ではクラス・区分6.1(国連番号1593)。 |
7 | 可燃性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性、あるいは自己反応性に関する原子団を含まない。 |
9 | 自然発火性液体 | 区分外 | - | - | - | - | 常温の空気と接触しても自然発火しない(発火点556℃(ICSC,2004))。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 酸素およびフッ素を含まず、塩素を含む有機化合物であるが、この塩素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | -O-O-構造を含まない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | 気体状の物質に適した試験方法が確立していない(沸点40℃(ICSC,2004)、試験温度55℃)。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分4 | 警告 | H302: 飲み込むと有害 |
P301+P312: 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P330: 口をすすぐこと。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットを用いた経口投与試験の LD50=2,100 mg/kg(CERIハザードデータ集 96-2(1997))、1,600 mg/kg(環境省リスク評価第2巻(2003))のうち、低い値に基づいて、区分4とした。 | |
1 | 急性毒性(経皮) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による液体であるため、ガスでの吸入は想定できず、分類対象外とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 区分外 | - | - | - | - | ラットを用いた吸入暴露試験のLC50(6時間)=53 mg/L(CERI・NITE有害性評価書 No.15(2004))より計算式を適用して LC50(4時間)= 64 mg/L(18,000 ppmに相当)を得た。飽和蒸気圧58kPa(25℃)であるとき、飽和蒸気圧濃度は 570,000 ppm である。LC50(4時間)=18,000 ppmは飽和蒸気圧濃度の90%より低い値なので「ミストがほとんど混在しない蒸気」としてppm濃度基準値で分類し、区分外とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分2 | 警告 | H315: 皮膚刺激 |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P332+P313: 皮膚刺激が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P362: 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 |
ウサギを用いた皮膚刺激性試験の結果、「中等度の刺激性がみられたが、皮膚に対する腐食性はなかった」(CERI・NITE有害性評価書 No.15(2004))ことから、区分2とした。 | |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2A | 警告 | H319: 強い眼刺激 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 |
ウサギを用いた眼刺激性試験の結果、「眼瞼の中等度ないし重度の炎症がみられた」(CERI・NITE有害性評価書 No.15(2004))ことから、区分2Aとした。 | |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分外 | - | - | - | - | CERI・NITE有害性評価書 No.15(2004)、IARC 71(1999)、EHC 164(1996)の記述から、経世代変異原性試験(優性致死試験)で陰性、生殖細胞in vivo変異原性試験なし、体細胞in vivo変異原性試験(小核試験、染色体異常試験)で陰性であることから区分外とした。 なお、マウス吸入暴露においてのみ、小核、染色体異常、SCEでの弱陽性結果が1つの機関から報告されているが、いずれもその反応は弱く、EHC 164(1996)では不明確/結論できない結果としていることから、「陽性」とは判断しなかった。 |
6 | 発がん性 | 区分2 | 警告 | H351: 発がんのおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
NTP(2005)でR、IARC(1999)でGroup 2B、ACGIH(2001)でA3、EPA(1993)でB2に分類されていることから、区分2とした。 | |
7 | 生殖毒性 | 分類できない | - | - | - | - | データ不足のため、分類できない。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1(中枢神経系、呼吸器)、区分3(麻酔作用) |
危険 警告 |
H336: 眠気又はめまいのおそれ(麻酔作用) H370: 臓器の障害(中枢神経系、呼吸器) |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。 P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ヒトについては「チアノーゼ」、「頭痛、胸部痛、見当識障害、進行性の警戒性の喪失、疲労感と無気力状態の亢進、記憶喪失、時間感覚の喪失」、「視覚機能検査のうち臨界flicker frequency の減少」、「神経行動学的な影響(警戒心の混乱、複合警戒追跡行動の障害)」、「肺の出血を伴う浮腫、皮膚の炎症:硬化を伴う肺炎、小脳扁桃ヘルニアを伴う大脳浮腫」(CERI・NITE有害性評価書No.15(2004))等の記述があり、実験動物では「気管支、細気管支上皮細胞の壊死、クララ細胞の腫大と空胞化、細胞分裂の軽度亢進」、「体性感覚惹起反応と脳波に変化」(CERI・NITE有害性評価書No.15(2004))の記述があることから、中枢神経系、呼吸器が標的臓器と考えられた。なお実験動物に対する影響は、区分2に相当するガイダンス値の範囲で見られた。 以上より分類は区分1(中枢神経系、呼吸器)、区分3(麻酔作用)とした。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(中枢神経系、肝臓) | 危険 | H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(中枢神経系、肝臓) |
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ヒトについては「断続的頭痛、吐き気、眼のちらつき、息切れ、一過性の記憶障害、脳波検査で右脳の障害」(CERI・NITE有害性評価書 No.15(2004))、「暴露後、幻聴及び幻視をともなう脳症が出現」、「知能障害をともなう記憶障害と平衡感覚喪失。両側性一過性側頭葉の変性」(HSDB(2000))等の記述、実験動物では「肝細胞脂肪染色陽性、軽度肝細胞空胞化」、「肝細胞の変異細胞」(CERI・NITE有害性評価書No.15(2004))等の記述があることから、中枢神経系及び肝臓が標的臓器と考えられた。なお、実験動物に対する影響は、区分1に相当するガイダンス値の範囲でみられた。 以上より分類は区分1(中枢神経系、肝臓)とした。 | |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分3 | - | - | H402: 水生生物に有害 |
P273: 環境への放出を避けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
甲殻類(オオミジンコ)の48時間LC50=27 mg/L(CaPSAR, 1993)から、区分3とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分外 | - | - | - | - | 揮発性が高く速やかに大気中に揮散し、かつ生物蓄積性が低い(BCF=40(既存化学物質安全性点検データ))ことから、区分外とした。 |
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