GHS分類結果

名称:p-ニトロアニリン
CAS番号:100-01-6

結果:
物質ID: 171
分類実施者: GHS関係省庁連絡会議
分類実施年度: 平成18年度
使用マニュアル: GHS分類マニュアル(H18.2.10版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 区分外 - - - - UNRTDG クラス6.1に分類されている。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品ではない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
6 引火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
7 可燃性固体 区分外 - - - - UNRTDG クラス6.1に分類されている。
8 自己反応性化学品 区分外 - - - - UNRTDG クラス6.1に分類されている。
9 自然発火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
10 自然発火性固体 区分外 - - - - 発火点が510℃である。(ホンメル(1991)Card No.293)
11 自己発熱性化学品 区分外 - - - - UNRTDG クラス6.1に分類されている。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外 - - - - 分子内に金属または半金属を含んでいない。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
14 酸化性固体 区分外 - - - - UNRTDG クラス6.1に分類されている。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - 分子内に-O-O-構造を含んでいない。
16 金属腐食性物質 区分外 - - - - UNRTDG クラス6.1に分類されている。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分4 警告 H302: 飲み込むと有害 P301+P312: 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P330: 口をすすぐこと。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラットLD50値:3249mg/kg(産衛学会勧告, 1995)、3250mg/kg(CERIハザードデータ集, 2002)および750mg/kg(CERIハザードデータ集, 2002)に基づき、計算を適用した。計算値は1049mg/kgであったことから、区分4とした。
1 急性毒性(経皮) 分類できない - - - - IUCLID(2000)にラットLD50値:>2500mg/kgとの記述があるが、他にデータがなく、区分5か区分外か判断できないため、分類できないとした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHSの定義により固体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - - データなし。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分外 - - - - CERIハザードデータ集(2002)のウサギの皮膚に適用した試験において刺激性はみられていないとの記述から、区分外とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 分類できない - - - - CERIハザードデータ集(2002)のウサギの眼に適用した試験において刺激性は認められていないとの記述があるが、ACGIH(7th, 2001)には、ヒトへの影響として眼を軽度に刺激するとの記述があり、眼に対する刺激性の有無については明確でないため、分類できないとした。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データなし。
4 皮膚感作性 区分外 - - - - CERIハザードデータ集(2002)のモルモットを用いた試験において感作性は認められていないとの記述から、区分外とした。
5 生殖細胞変異原性 区分外 - - - - IUCLID(2000)にin vivo変異原性試験であるマウスを用いた小核試験(使用組織不明)で陰性の結果との記述があることから、区分外とした。
6 発がん性 区分外 - - - - ACGIH(7th, 2001)でA4に分類されていることから、区分外とした。
7 生殖毒性 区分2 警告 H361: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。
P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。
P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
P281: 指定された個人用保護具を使用すること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ACGIH(7th, 2001)、PATTY(4th, 1994)、CERIハザードデータ集(2002)およびNTP TR418(1993)のラットを用いた妊娠中経口投与試験において母動物に一般毒性が認められる用量でのみ吸収胚数の増加や胎児の奇形がみられているとの記述から、区分2とした。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1(血液)、区分3(麻酔作用) 危険
警告
H336: 眠気又はめまいのおそれ(麻酔作用)
H370: 臓器の障害(血液)
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。
P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。
P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
産衛学会勧告(1995)、ACGIH(7th, 2001)、PATTY(4th, 1994)およびCERIハザードデータ集(2002)のヒト事故暴露例にメトヘモグロビン血症、めまい、意識消失が認められたとの記述、CERIハザードデータ集(2002)のモルモットへの経口投与により傾眠、痙攣が認められたとの記述から、血液が標的臓器であり、麻酔作用もあると判断して、区分1(血液)および区分3(麻酔作用)とした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1(血液) 危険 H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(血液) P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
産衛学会勧告(1995)、ACGIH(7th, 2001)、CERIハザードデータ集(2002)、NTP TR418(1993)のラットを用いた4週間吸入暴露試験またはマウスを用いた2週間経口投与試験においてメトヘモグロビン血症などの血液への影響が区分1のガイダンス値範囲の用量で認められたとの記述から、区分1(血液)とした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - データなし。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分3 - - H402: 水生生物に有害 P273: 環境への放出を避けること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
甲殻類(オオミジンコ)の24時間EC50=25mg/L(CERIハザードデータ集、2002)から、区分3とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分3 - - H412: 長期継続的影響によって水生生物に有害 P273: 環境への放出を避けること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
急性毒性が区分3、生物蓄積性が低いものの(BCF=3.6(既存化学物質安全性点検データ))、急速分解性がない(BODによる分解度:0%(既存化学物質安全性点検データ))ことから、区分3とした。


分類結果の利用に関する注意事項:
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 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

厚生労働省モデルSDS

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