GHS分類結果

名称:二酸化マンガン(IV)
CAS番号:1313-13-9

結果:
物質ID: 201
分類実施者: GHS関係省庁連絡会議
分類実施年度: 平成18年度
使用マニュアル: GHS分類マニュアル(H18.2.10版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - 爆発性に関する原子団を含まない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
6 引火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
7 可燃性固体 区分外 - - - - 不燃性(ICSC,2003)。
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - - 爆発性、あるいは自己反応性に関する原子団を含まない。
9 自然発火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
10 自然発火性固体 区分外 - - - - 不燃性(ICSC,2003)。
11 自己発熱性化学品 区分外 - - - - 不燃性(ICSC,2003)。
12 水反応可燃性化学品 区分外 - - - - 水に対して安定(水に不溶、ICSC(2003))。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
14 酸化性固体 分類できない - - - - 酸素を含む無機化合物であり、ICSC(2003)では他の物質の燃焼を助長するとしているが、データがなく分類できない。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - 有機化合物でない。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分外 - - - - ラットを用いた経口投与試験のLD50=11,710 mg/kg(CERI ハザードデータ集 2001-60(2002)に基づき、区分外とした。
1 急性毒性(経皮) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体であるため、ガスでの吸入は想定されず、分類対象外とした。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - - データなし。
2 皮膚腐食性/刺激性 分類できない - - - - IUCLID(2000)のヒト疫学に、「slightly irritating(わずかな刺激性)を示した」とあり、刺激性を有すると考えられるが、詳細が不明であるため、「分類できない」とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 分類できない - - - - IUCLID(2000)のヒト疫学に、「irritating(刺激性)を示した」とあり、刺激性を有すると考えられるが、詳細が不明であるため、「分類できない」とした。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データなし。
4 皮膚感作性 分類できない - - - - CICAD 12(1999)のヒト疫学事例の記述に感作性を示唆するものがあるが、CICAD では結論付けていないため、「分類できない」とした。
5 生殖細胞変異原性 分類できない - - - - データなし。
6 発がん性 分類できない - - - - 毒性情報はあるが 既存分類がないため、専門家の判断に従い、分類できないとした。
7 生殖毒性 分類できない - - - - データなし。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1(呼吸器) 危険 H370: 臓器の障害(呼吸器) P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
「マンガン粉塵(特にMnO2とM3nO4)の急激な暴露は肺の炎症反応生じさせ時間の経過とともに肺機能障害を誘導する。肺への毒性は気管支炎等の感染性を上昇させ、結果としてマンガン肺炎を発症させる」(CICAD 12(1999))との記載があることから、標的臓器は呼吸器と考えられる。 以上より、分類は区分1(呼吸器)とした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1(呼吸器、神経系、心血管系) 危険 H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(呼吸器、神経系、心血管系) P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ヒトについては、「肺炎との診断が増加」、「患者は仮面様の風貌、瞬目反射の減少、小字症、不正確腕運動、右腕振戦、右側端歯車様硬直を示した」、「患者は精神病学的及び神経学的失調を呈した」(EHC 17(1981))、「目-手動作連動及び視覚反応不全」(CICAD 12(1999)、「心臓拡張期血圧低下発生の増加」、「視覚反応時間、目-手動作連動及び、手固定等の障害」(ATSDR(2000))等の記述、実験動物については、「突然運動、麻痺、神経過敏、激しい振戦、前肢の屈折ー伸長運動、欠伸及びチアノーゼ。脳皮質の萎縮」、「気管支および血管周囲硬化症と炎症」(EHC 17(1981)等の記述があることから、呼吸器、神経系、心血管系が標的臓器と考えられた。なお、実験動物に対する影響は、区分1に相当するガイダンス値の範囲で見られた。 以上より分類は区分1(呼吸器、神経系、心血管系)とした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - データなし。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 分類できない - - - - データがなく分類できない。
11 水生環境有害性(長期間) 分類できない - - - - データがなく分類できない。


分類結果の利用に関する注意事項:
 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。
 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

厚生労働省モデルSDS

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