名称:1,1,2,2-テトラクロロエタン
CAS番号:79-34-5
物質ID: | 234 |
分類実施者: | GHS関係省庁連絡会議 |
分類実施年度: | 平成18年度 |
使用マニュアル: | GHS分類マニュアル(H18.2.10版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性に関わる原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による液体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による液体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による液体である。 |
6 | 引火性液体 | 区分外 | - | - | - | - | 不燃性である(Merck(13th、2001), Chapman(2005), ホンメル(1991), Weiss(2nd、1985), 混触危険Hb(第2版、1993))。 |
7 | 可燃性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による液体である。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性および自己反応性に関わる原子団を含んでいない。 |
9 | 自然発火性液体 | 区分外 | - | - | - | - | 不燃性である(Merck(13th、2001), Chapman(2005), ホンメル(1991), Weiss(2nd、1985), 混触危険Hb(第2版、1993))。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による液体である。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 区分外 | - | - | - | - | 不燃性である(Merck(13th、2001), Chapman(2005), ホンメル(1991), Weiss(2nd、1985), 混触危険Hb(第2版、1993))。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属または半金属を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 酸素、フッ素を含んでいない。塩素を含んでいるが、塩素は炭素以外の元素と結合していない。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による液体である。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 過酸化物に関わる原子団を含んでいない。 |
16 | 金属腐食性物質 | 区分外 | - | - | - | - | 国連分類クラス6.1容器等級II(UN No. 1702)に分類されている。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分3 | 危険 | H301: 飲み込むと有毒 |
P301+P310: 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P330: 口をすすぐこと。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラット経口LD50=1000 mg/kg、250 mg/kg、330 mg/kg、319 mg/kg(ACGIH(2001)、CICAD 3(1998)、ATSDR(1996))を用いて統計計算したが、用いた値の最低値よりも低い結果となったので、最低値250 mg/kgを採用した。ラット経口LD50=250 mg/kgに基づき区分3とした。 | |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分外 | - | - | - | - | ウサギ経皮LD50=6300 mg/kg(ACGIH(2001))に基づき区分外とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義による液体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 区分3 | 危険 | H331: 吸入すると有毒 |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P311: 医師に連絡すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットのLC50= 1000 ppm(ACGIH(2001))と1253 ppm(ATSDR(1996)の二種類があるが、飽和蒸気圧濃度は約6000 ppmと計算されることから両値とも蒸気と判断した。従って、低い方のラットLC50= 1000 ppm(ACGIH(2001))に基づき区分3とした。 | |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分2 | 警告 | H315: 皮膚刺激 |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P332+P313: 皮膚刺激が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P362: 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 |
ウサギでの皮膚の変化、充血、浮腫、重度の水疱形成、highly and moderately irritating(CICAD 3(1998)、ATSDR(1996)、IUCLID(2000))に基づき区分2とした。 | |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2A | 警告 | H319: 強い眼刺激 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 |
ウサギでのDraize score(42.5/110)より中等度の刺激(IUCLID(2000))があり、さらにヒトでも刺激性が認められる(ATSDR(1996))ことに基づき区分2Aとした。 | |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分2 | 警告 | H341: 遺伝性疾患のおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラット優性致死試験で陰性である(CICAD 3(1998))が、in vivo試験のマウス末梢血を用いた小核試験(NTP TOX-49(2004))で陽性である。よって、経世代変異原性試験で陰性、in vivo体細胞変異原性試験で陽性のデータがあるが、in vivo生殖細胞遺伝毒性データがないので、技術指針に基づき区分2となる。 | |
6 | 発がん性 | 区分外 | - | - | - | - | 最新の評価文書であるIARCの分類がグループ3であるので、指針に基づき区分外とした。 |
7 | 生殖毒性 | 分類できない | - | - | - | - | ラットとマウスの経口投与で著しい体重減少がある条件下で生殖パラメータ(発情周期の変化)への影響、そして母獣毒性がある条件下(体重増加の抑制と死亡率の増加)で胎児の体重減少および再吸収の増加が報告されている(CICAD 3(1998)、NTP TOX49(2004))が、これらは重要性が低い。 ラット経口試験で精巣への影響(萎縮、組織学的変化)が認められている(ACGIH(2001)、CICAD 3(1998))、またラット、マウスの経口試験で、精巣、精巣上体の重量減少が報告されている(NTP TOX49(2004))。しかしながら、体重抑制との関連性の指摘(NTP TOX49(2004))や、より長期(78週)のラットとマウスの試験では生殖器官への影響は認められていない(CICAD 3(1998))。全ての吸入試験では生殖組織への影響は認められていない(ACGIH(2001)、(CICAD 3(1998))。 一方、生殖機能や生殖能力に関するデータがほとんどない。 従って、データ不足により分類できないとした。 なお、参考情報としては、妊娠マウスの腹腔内に高用量(300-700mg/kg、マウスLD50=250 mg/kg)を投与すると胎児毒性と催奇形性が認められている(ACGIH(2001)、IARC 20(1979))。 【特記】死亡率が増加するような母獣毒性がある条件下での「胎児の再吸収の増加」を重要な影響としなかった。また、著しい体重減少がある条件下での生殖パラメータ(発情周期の変化)への影響を重要な影響としなかった。 なぜなら、これらのデータの元文献であるNTPでは、最近の14週の経口試験(NTP TOX49(2004))の序論中の生殖発生毒性のまとめでは、これらのデータを引用せず上記に記載している無影響あるいは催奇性の低発生率と一部の胎児毒性がある2種類のデータ(No.13, 14)を引用し、結論として「データ不足で結論が出ない」としている。 また、ACGHI(2001)の結論では「ほとんどのデータは選択的に生殖系に影響しない。」、IARC 71(1999)では「利用可能なデータはない。」としている。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1(肝臓)、区分3(麻酔作用、気道刺激性) |
危険 警告 |
H370: 臓器の障害(肝臓) H335: 呼吸器への刺激のおそれ(麻酔作用、気道刺激性) H336: 眠気又はめまいのおそれ(麻酔作用、気道刺激性) |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。 P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
マウス経口での肝臓への影響(ACGIH(2001))に基づき区分1(肝臓)とした。また、ヒトと動物での麻酔作用(ACGIH(2001)、PATTY(5th, 2001))とヒトでの粘膜刺激性(ACGIH(2001))に基づき区分3(麻酔作用、気道刺激性)とした。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(神経系、肝臓) | 危険 | H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(神経系、肝臓) |
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ヒトでの神経系への影響(ACGIH(2001)、CICAD 3(1998)、PATTY(5th, 2001))および動物(ラット、マウス、ウサギ、イヌ)での肝臓への影響とその用量とガイダンス値(ACGIH(2001)、CICAD 3(1998)、NTP TOX-49(2004))に基づき区分1(神経系、肝臓)とした。 | |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | 動粘性率(0.98 mm2/s)は14 mm2/s以下であるが、化学性肺炎に関する情報がない。従って、データ不足のため分類できないとした。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分2 | - | - | H401: 水生生物に毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
甲殻類(オオミジンコ)の48時間EC50=9.3mg/L(SIDS、2005)他から、区分2とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分外 | - | - | - | - | 急性毒性が区分2であるものの、甲殻類(オオミジンコ)の28日間NOEC=6.9mg/L(ECETOC TR91、2003)から判断して、区分外とした。 |
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