名称:ジチオりん酸S-(2,3-ジヒドロ-5-メトキシ-2-オキソ-1,3,4-チアジアゾール-3-イル)メチル-O,O-ジメチル
CAS番号:950-37-8
物質ID: | 278 |
分類実施者: | GHS関係省庁連絡会議 |
分類実施年度: | 平成18年度 |
使用マニュアル: | GHS分類マニュアル(H18.2.10版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性に関する原子団を含まない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性、あるいは自己反応性に関する原子団を含まない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 区分外 | - | - | - | - | 熱に対して150℃まで安定(農薬登録申請資料(2003))であることから、常温の空気と接触しても自然発火しないと考えられる。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 区分外 | - | - | - | - | 熱に対して150℃まで安定(農薬登録申請資料(2003))であることから、区分外に該当する。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 区分外 | - | - | - | - | 水に対して安定(水溶解度200mg/L(25℃)、農薬登録申請資料(2003))。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類できない | - | - | - | - | 塩素およびフッ素を含まず、炭素・水素以外の元素と化学結合している酸素を含む有機化合物であるが、データがなく分類できない。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | -O-O-構造を含まない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | 融点が55℃未満のものについてはデータがなく分類できない(融点40.0-40.9℃、農薬登録申請資料(2003))。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分2 | 危険 | H300: 飲み込むと生命に危険 |
P301+P310: 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P330: 口をすすぐこと。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
二つのラット経口投与試験において、LD50=40、48mg/kgとの報告がある(農薬登録申請資料(1987))ことから、区分2とした。 | |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分外 | - | - | - | - | ラット経皮投与試験において、最高用量である4000mg/kgで死亡例が認められなかった(農薬登録申請資料(1987))ことから、区分外とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による固体であるため、ガスでの吸入は想定されず、分類対象外とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 区分2 | 危険 | H330: 吸入すると生命に危険 |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P284: 呼吸用保護具を着用すること。 P310: 直ちに医師に連絡すること。 P320: 特別な処置が緊急に必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットを用いた吸入暴露試験のLC50は0.109mg/L、0.173mg/Lであり(農薬登録申請資料、1993)、低い値0.109mg/Lから区分2とした。 | |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分外 | - | - | - | - | ウサギでの試験において、極軽度の刺激性が認められたが、72時間後に完全に回復していること、Draize score平均値が1.2である(農薬登録申請資料(1987))ことから、皮膚刺激性はほとんど無いと判断され、区分外とした。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2A | 警告 | H319: 強い眼刺激 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 |
ウサギでの試験で、Draize scoreが3以上であり、7日目においても完全に回復していなかったとの報告がある(農薬登録申請資料(1987))。以上の結果より、区分2Aとした。 | |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 区分外 | - | - | - | - | モルモットでの試験において、感作性を示さなかったとの報告があることから(農薬登録申請資料(1987))、区分外とした。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分外 | - | - | - | - | in vitroでの復帰変異試験(農薬登録申請資料(1987))および染色体異常試験(農薬登録申請資料(1990))、in vivo小核試験(農薬登録申請資料(1987))の何れにおいても陰性との報告があることから、区分外とした。 |
6 | 発がん性 | 区分外 | - | - | - | - | ラットおよびマウスでの発がん性試験において、試験物質投与に関連した腫瘍発生は認められなかったとの報告がある(農薬登録申請資料(1987))。EPA(1993)でCに分類されていることから、「区分外」とした。 |
7 | 生殖毒性 | 区分2 | 警告 | H361: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラット2世代繁殖試験において、親動物への影響が見られる用量で交尾率の低下、仔動物生存率の低下との報告がある(農薬登録申請資料(1987))ことから、区分2とした。 | |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1(神経系) | 危険 | H370: 臓器の障害(神経系) |
P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
実験動物に対する影響として、ラット急性経口投与試験において運動能の低下、全身性痙攣、流涎、振せん等の症状がみられた。また、マウス急性経口投与試験において運動能の低下、全身性痙攣、流涎、よろめき歩行、嘔吐等の症状がみられ神経系が標的と考えられた(農薬登録申請資料(1987))。これらの影響は、区分1に該当するガイダンス値の用量で認められたことから、区分1(神経系)とした。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(肝臓) | 危険 | H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(肝臓) |
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
動物実験において、肝酵素活性上昇および肝の胆汁うっ滞との報告がある(農薬登録申請資料(1992))。このことから、標的臓器は肝臓と考えられた。影響は区分1に相当するガイダンス値で見られたことから、区分1(肝臓)とした。 | |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分1 | 警告 | H400: 水生生物に非常に強い毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
甲殻類(オオミジンコ)の48時間EC50=1.1μg/L(農薬登録申請資料、2004)から、区分1とした。 | |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分1 | 警告 | H410: 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
急性毒性が区分1、生物蓄積性が低いと推定されるものの(log Kow=2.2(PHYSPROP Database、2005))、急速分解性がないと推定される(BIOWIN)ことから、区分1とした。 |
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