名称:1,1'-ジメチル-4,4'-ビピリジニウム塩(1,1'-ジメチル-4,4'-ビピリジニウム=ジクロリドを除く)
CAS番号:4685-14-7
物質ID: | 282 |
分類実施者: | GHS関係省庁連絡会議 |
分類実施年度: | 平成18年度 |
使用マニュアル: | GHS分類マニュアル(H18.2.10版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 一般的な製品に使用される塩である、1,1'-ジメチル-4,4'-ビピリジニウム=ジヨージドおよび1,1'-ジメチル-4,4'-ビピリジニウム=ジメチルスルファート(WHO,1991)は、それぞれ爆発性に関する原子団を含まない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | 一般的な製品に使用される塩である、1,1'-ジメチル-4,4'-ビピリジニウム=ジヨージドおよび1,1'-ジメチル-4,4'-ビピリジニウム=ジメチルスルファート(WHO,1991)は、それぞれGHSの定義における固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | 一般的な製品に使用される塩である、1,1'-ジメチル-4,4'-ビピリジニウム=ジヨージドおよび1,1'-ジメチル-4,4'-ビピリジニウム=ジメチルスルファート(WHO,1991)は、それぞれGHSの定義における固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | 一般的な製品に使用される塩である、1,1'-ジメチル-4,4'-ビピリジニウム=ジヨージドおよび1,1'-ジメチル-4,4'-ビピリジニウム=ジメチルスルファート(WHO,1991)は、それぞれGHSの定義における固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 一般的な製品に使用される塩である、1,1'-ジメチル-4,4'-ビピリジニウム=ジヨージドおよび1,1'-ジメチル-4,4'-ビピリジニウム=ジメチルスルファート(WHO,1991)は、それぞれGHSの定義における固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 区分外 | - | - | - | - | データがなく分類できない。国連危険物輸送勧告がクラス・区分6.1(国連番号2781、ピリリジニウム系殺虫殺菌剤類、固体、毒性のもの)。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外(ジヨージド)、区分外(ジメチルスルファート) | - | - | - | - | 一般的な製品に使用される塩である、1,1'-ジメチル-4,4'-ビピリジニウム=ジヨージド(以下ジヨージド)、および1,1'-ジメチル-4,4'-ビピリジニウム=ジメチルスルファート(以下ジメチルスルファート)(WHO,1991)のうち、ジヨージドについては爆発性、あるいは自己反応性に関する原子団を含まないので「分類対象外」に該当する。ジメチルスルファートについては自己反応性に関する原子団(スルホニル類)を含むがデータがないので、国連危険物輸送勧告がクラス・区分6.1(国連番号2781、ピリリジニウム系殺虫殺菌剤類、固体、毒性のもの)に基づき「区分外」とした。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 一般的な製品に使用される塩である、1,1'-ジメチル-4,4'-ビピリジニウム=ジヨージドおよび1,1'-ジメチル-4,4'-ビピリジニウム=ジメチルスルファート(WHO,1991)は、それぞれGHSの定義における固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 区分外 | - | - | - | - | データがなく分類できない。国連危険物輸送勧告がクラス・区分6.1(国連番号2781、ピリリジニウム系殺虫殺菌剤類、固体、毒性のもの)。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 区分外 | - | - | - | - | データがなく分類できない。国連危険物輸送勧告がクラス・区分6.1(国連番号2781、ピリリジニウム系殺虫殺菌剤類、固体、毒性のもの)。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 一般的な製品に使用される塩である、1,1'-ジメチル-4,4'-ビピリジニウム=ジヨージドおよび1,1'-ジメチル-4,4'-ビピリジニウム=ジメチルスルファート(WHO,1991)は、それぞれ金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 一般的な製品に使用される塩である、1,1'-ジメチル-4,4'-ビピリジニウム=ジヨージドおよび1,1'-ジメチル-4,4'-ビピリジニウム=ジメチルスルファート(WHO,1991)は、それぞれGHSの定義における固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外(ジヨージド)、区分外(ジメチルスルファート) | - | - | - | - | 一般的な製品に使用される塩である、1,1'-ジメチル-4,4'-ビピリジニウム=ジヨージド(以下ジヨージド)、および1,1'-ジメチル-4,4'-ビピリジニウム=ジメチルスルファート(以下ジメチルスルファート)(WHO,1991)のうち、ジヨージドについては化学構造に酸素、フッ素または塩素を含まない有機化合物であり「分類対象外」に該当する。ジメチルスルファートについては炭素、水素以外の元素と化学結合している酸素を含む有機化合物であるが、データがないので国連危険物輸送勧告がクラス・区分6.1(国連番号2781、ピリリジニウム系殺虫殺菌剤類、固体、毒性のもの)に基づき「区分外」とした。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 一般的な製品に使用される塩である、1,1'-ジメチル-4,4'-ビピリジニウム=ジヨージドおよび1,1'-ジメチル-4,4'-ビピリジニウム=ジメチルスルファート(WHO,1991)は、それぞれ-O-O-構造を含まない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 区分外 | - | - | - | - | データがなく分類できない。国連危険物輸送勧告がクラス・区分6.1(国連番号2781、ピリリジニウム系殺虫殺菌剤類、固体、毒性のもの)。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分3 | 危険 | H301: 飲み込むと有毒 |
P301+P310: 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P330: 口をすすぐこと。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットを用いた経口投与試験のLD50=200 mg/kg、100 mg/kg、110 mg/kg、126 mg/kg(EHC 39(1984))から計算式を適用して得られた 100 mg/kg に基づき、区分3とした。 【注記】Cl塩を投与した場合のデータを用いて分類した。 | |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分2 | 危険 | H310: 皮膚に接触すると生命に危険 |
P302+P350: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で優しく洗うこと。 P262: 眼、皮膚、衣類につけないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P310: 直ちに医師に連絡すること。 P322: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P361: 汚染された衣類を直ちに全て脱ぐこと。 P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットを用いた経口投与試験のLD50=90 mg/kg、80 mg/kg、350 mg/kg(EHC 39(1984))から計算式を適用して得られた 80 mg/kg と、ウサギを用いた経口投与試験の LD50=500 mg/kg、236 mg/kg、240 mg/kg(EHC 39(1984))から計算式を適用して得られた 236 mg/kg に基づき、低い方の値 80mg/kgから区分2とした。 【注記】Cl塩を投与した場合のデータを用いて分類した。 | |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による固体であるため、ガスでの吸入は想定できず、分類対象外とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 区分1 | 危険 | H330: 吸入すると生命に危険 |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P284: 呼吸用保護具を着用すること。 P310: 直ちに医師に連絡すること。 P320: 特別な処置が緊急に必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットを用いた吸入暴露試験のLC50(粉塵・6時間)=0.001mg/L、0.01 mg/L、0.01 mg/L、0.006 mg/L(EHC 39(1984))から計算式を適用して得られたLC50 0.005 mg/L に基づき、区分1とした。 【注記】Cl塩を暴露した場合のデータを用いて分類した。 | |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分1A-1C | 危険 | H314: 重篤な皮膚の薬傷及び眼の損傷 |
P301+P330+P331: 飲み込んだ場合:口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。 P303+P361+P353: 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと/取り除くこと。皮膚を流水/シャワーで洗うこと。 P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P310: 直ちに医師に連絡すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
EHC 39(1984)のラットを用いた皮膚刺激性試験の結果の記述に、4時間適用かどうか不明だが「紅斑、浮腫、落屑、壊死を伴う皮膚炎を起こした」とあり、腐食性の強度が不明なので区分1A-1Cとしたが、細区分が必要な場合は、安全性の観点から、1Aとした方が望ましい。 | |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分1 | 危険 | H318: 重篤な眼の損傷 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P310: 直ちに医師に連絡すること。 |
EHC 39(1984)のウサギを用いた眼刺激性試験の結果の記述に、「Concentrations of 62.5 and 125 g/litre caused severe conjunctival reactions(62.5 および 125 g/L の濃度で重度の結膜への影響を与えた)」とあり、重度の刺激を与えると考えられるが、不可逆的なものであるかどうか判断することができないため、区分1あるいは2Aとしたが、安全性の観点から、区分1とした方が望ましい。 【注記】Cl塩を投与した場合のデータを用いて分類した。 | |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 区分外 | - | - | - | - | モルモットを用いた試験の結果の記述に「No skin sensitization is observed(皮膚感作性はみられなかった)」(EHC 39(1984))とあることから、区分外とした。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分外 | - | - | - | - | EHC 39(1984)の記述から、経世代変異原性試験で陰性、生殖細胞/体細胞in vivo変異原性試験なし、であることから区分外とした。 |
6 | 発がん性 | 分類できない | - | - | - | - | データはあるが既存分類がないため、専門家の判断に基づき、分類できないとした。 |
7 | 生殖毒性 | 区分2 | 警告 | H361: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
EHC 39(1984)やACGIH(7th, 2001)の記述から、親動物に対する一般毒性に関する記述はないが、児の生存率が低下していることによる。 | |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1(腎臓、肝臓、呼吸器、心血管系、中枢神経系) | 危険 | H370: 臓器の障害(腎臓、肝臓、呼吸器、心血管系、中枢神経系) |
P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ヒトについては、「主たる臓器障害:腎臓、肺」、「主たる臓器障害:腎臓、肝臓、肺」、「パラコート摂取後毒性の心筋炎が生じた」、「中枢神経系全域にわたりた出血性白質脳症が見られた」、「間質性肺炎の線維化と肺胞内出血及び尿細管の変性が見られた」(EHC 39(1984))等の記述があることから、腎臓、肝臓、呼吸器、心血管系、中枢神経系が標的臓器と考えられた。 以上より、分類は区分1(腎臓、肝臓、呼吸器、心血管系、中枢神経系)とした。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(呼吸器、肝臓、腎臓、血液系) | 危険 | H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(呼吸器、肝臓、腎臓、血液系) |
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
実験動物については、「肺胞浮腫が見られた」、「遠心尿細管の空胞化と近位尿細管の壊死。クッパー細胞の増殖と胆管増成をともなう肝小葉中心性壊死、溶血性貧血」(EHC 39(1984))の記述があることから、呼吸器、肝臓、腎臓、血液系が標的臓器と考えられた。なお、実験動物に対する影響は、区分1に相当するガイダンス値の範囲で見られた。 以上より、分類は区分1(呼吸器、肝臓、腎臓、血液系)とした。 | |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分1 | 警告 | H400: 水生生物に非常に強い毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
藻類(セレナストラム)の96時間EbC50=0.075mg/L(IUCLID、2000)から、区分1とした。 | |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分1 | 警告 | H410: 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
急性毒性が区分1、生物蓄積性が低いと推定されるものの(log Kow=-4.22(PHYSPROP Database、2005))、急速分解性がないと推定される(BIOWIN)ことから、区分1とした。 |
政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。 |
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