GHS分類結果

名称:tert-ブチル=4-({[(1,3-ジメチル-5-フェノキシ-4-ピラゾリル)メチリデン]アミノオキシ}メチル)ベンゾアート
CAS番号:134098-61-6

結果:
物質ID: 314
分類実施者: GHS関係省庁連絡会議
分類実施年度: 平成18年度
使用マニュアル: GHS分類マニュアル(H18.2.10版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - 爆発性に関する原子団を含まない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
6 引火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
7 可燃性固体 分類できない - - - - データなし。
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - - 爆発性、あるいは自己反応性に関する原子団を含まない。
9 自然発火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
10 自然発火性固体 区分外 - - - - 熱に対して150℃まで安定(農薬登録申請資料(1990))であることから、常温の空気と接触しても自然発火しないと考えられる。
11 自己発熱性化学品 区分外 - - - - 熱に対して150℃まで安定(農薬登録申請資料(1990))であることから、区分外に該当する。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外 - - - - 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
14 酸化性固体 分類できない - - - - 塩素およびフッ素を含まず、炭素・水素以外の元素と化学結合している酸素を含む有機化合物であるが、データがなく分類できない。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - -O-O-構造を含まない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - 融点が55℃以上のものについては固体状の物質に適した試験方法が確立していないので分類できない(融点101.1-102.4℃(農薬登録申請資料(1990))。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分3 危険 H301: 飲み込むと有毒 P301+P310: 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P330: 口をすすぐこと。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラット経口投与でのLD50=245mg/kg(農薬登録申請資料(2002))に基づき、区分3とした。
1 急性毒性(経皮) 区分外 - - - - ラット経皮投与での試験において、最高用量の2000mg/kgにおいて死亡例が見られていない(農薬登録申請資料(2002))ことから、区分外とした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHSの定義による固体であるため、ガスでの吸入は考えられず、分類対象外とした。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 区分2 危険 H330: 吸入すると生命に危険 P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。
P284: 呼吸用保護具を着用すること。
P310: 直ちに医師に連絡すること。
P320: 特別な処置が緊急に必要である(このラベルの...を見よ)。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラット吸入暴露での試験において、LC50=0.33mg/Lとの報告があることから(農薬登録申請資料(2002))、区分2とした。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分外 - - - - ウサギによる皮膚刺激性試験において、刺激性なしとの報告がある(農薬登録申請資料(2002))ことから、区分外とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2B - 警告 H320: 眼刺激 P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
ウサギでの眼刺激性試験において、可逆性のある軽度の眼刺激性ありとの報告がある(農薬登録申請資料(2002))ことから、区分2Bとした。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データなし。
4 皮膚感作性 区分1 警告 H317: アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。
P333+P313: 皮膚刺激又は発疹が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。
P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
P272: 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
モルモットによるMaximization法での皮膚感作性試験の結果、軽度〜中程度の感作性ありとの報告がある(農薬登録申請資料(2002))ことから、区分1とした。
5 生殖細胞変異原性 区分外 - - - - in vitro復帰変異試験、in vitro染色体異常試験、マウス骨髄細胞でのin vivo小核試験の何れにおいても陰性と報告されている(農薬登録申請資料(1990))ことから、区分外とした。
6 発がん性 区分外 - - - - ラット24ヶ月およびマウス18ヶ月の発がん性試験において、試験物質投与に関連した腫瘍の発生がみられないことから(農薬登録申請資料(1990))、区分外とした。
7 生殖毒性 区分外 - - - - ラット2世代繁殖性試験、ラットおよびウサギでの催奇形性試験において、生殖毒性や催奇形性がないとの報告がある(農薬登録申請資料(1990))ことから、区分外とした。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1(神経系) 危険 H370: 臓器の障害(神経系) P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラットでの試験において、区分1に相当するガイダンス値の範囲の用量において、「軟便」、「閉眼」、「運動量の低下」、「努力呼吸」、「流涙」が認められたとの報告がある(農薬登録申請資料(2002))ことから、神経系が標的と考えられた。このことから、区分1(神経系)とした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分2(血液系、肝臓、腎臓) 警告 H373: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害のおそれ(血液系、肝臓、腎臓) P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラットによる試験において、赤血球数および赤血球容積率の増加、ヘモグロビン濃度の増加、血小板数の高値、肝細胞の軽微肥大が認められたとの報告がある(農薬登録申請資料(1990))。また、イヌでの試験においては、尿素濃度の増加、肝相対重量の増加、肝細胞内グリコーゲンの減少及び腎髄質の細胞質空胞化との報告がある。以上のデータより、血液系、肝臓、腎臓が標的と考えられた。これらの症状は、区分2に相当するガイダンス値の範囲でみられたことから、区分2(血液系、肝臓、腎臓)とした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - データなし。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分1 警告 H400: 水生生物に非常に強い毒性 P273: 環境への放出を避けること。
P391: 漏出物を回収すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
甲殻類(オオミジンコ)の48時間EC50=0.00328mg/L(農薬登録申請資料、2004)から、区分1とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分1 警告 H410: 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 P273: 環境への放出を避けること。
P391: 漏出物を回収すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
急性毒性が区分1、急速分解性および生物蓄積性が不明であるため、区分1とした。


分類結果の利用に関する注意事項:
 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。
 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

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