名称:硝酸タリウム
CAS番号:10102-45-1
物質ID: | 327 |
分類実施者: | GHS関係省庁連絡会議 |
分類実施年度: | 平成18年度 |
使用マニュアル: | GHS分類マニュアル(H18.2.10版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 区分外 | - | - | - | - | 硝酸塩類であり、爆発性に関わる原子団を含むが、データがなく分類できない。国連危険物輸送勧告がクラス・区分5.1およびクラス・区分6.1(国連番号2727)。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 区分外 | - | - | - | - | データがなく分類できない。国連危険物輸送勧告がクラス・区分5.1およびクラス・区分6.1(国連番号2727)。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 硝酸塩類であり、爆発性に関わる原子団を含むが、酸化性固体に分類されている。国連危険物輸送勧告がクラス・区分5.1およびクラス・区分6.1(国連番号2727)。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 区分外 | - | - | - | - | データがなく分類できない。国連危険物輸送勧告がクラス・区分5.1およびクラス・区分6.1(国連番号2727)。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 区分外 | - | - | - | - | 水に対して安定(水溶解度9.55g/100g(20℃)、Lide(84th,2003))。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 区分2 | 危険 | H272: 火災助長のおそれ:酸化性物質 |
P370+P378: 火災の場合:消火するために...を使用すること。 P210: 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。 P220: 衣類/.../可燃物から遠ざけること。 P221: 可燃物と混合を回避するために予防策をとること。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
酸素を含む無機化合物であり、HSDB(2006)では強力な酸化剤としているが、データがなく分類できない。国連危険物輸送勧告がクラス・区分5.1であることから「酸化性固体」に該当するが、クラス・区分6.1の危険性を持つので、容器等級IIからは区分2もしくは区分3に該当する(国連番号2727)。GHS分類では安全性の観点から区分2とした。 | |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 有機化合物でない。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分2 | 危険 | H300: 飲み込むと生命に危険 |
P301+P310: 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P330: 口をすすぐこと。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
マウスを用いた経口投与試験の LD50=15 mg/kg(RTECS(2004))に基づき、区分2とした。 | |
1 | 急性毒性(経皮) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による固体であるため、ガスでの吸入は想定されず、分類対象外とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分1A-1C | 危険 | H314: 重篤な皮膚の薬傷及び眼の損傷 |
P301+P330+P331: 飲み込んだ場合:口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。 P303+P361+P353: 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと/取り除くこと。皮膚を流水/シャワーで洗うこと。 P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P310: 直ちに医師に連絡すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
HSDB(2006)のヒト疫学事例に「皮膚と眼に重度の火傷をひきおこす」とあることから、皮膚腐食性を与えるものと判断し、区分1A-1Cとしたが、細区分が必要な場合には、安全性の観点から区分1Aとする方が望ましい。 | |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分1 | 危険 | H318: 重篤な眼の損傷 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P310: 直ちに医師に連絡すること。 |
HSDB(2006)のヒト疫学事例に「皮膚と眼に重度の火傷をひきおこす」とあることから、眼に腐食性を与えるものと判断し、区分1とした。 | |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
6 | 発がん性 | 区分外 | - | - | - | - | EPA(1990)でDに分類されていることから、区分外とした。 |
7 | 生殖毒性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1(神経系、呼吸器、心血管系)、区分2(腎臓、肝臓) |
危険 警告 |
H371: 臓器の障害のおそれ(腎臓、肝臓) H370: 臓器の障害(神経系、呼吸器、心血管系) |
P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。 P309+P311: 暴露したとき、又は気分が悪いとき:医師に連絡すること。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ヒトについては、「肺はび漫性の肺胞傷害を示した。心筋への激しい傷害が見られた。脳神経及び末梢神経のニューロパチ-も観察された」(ATSDR(1992))、「腎臓および肝臓の一過性の病変とポリニューロパチーに移行する一過性の視神経のニューロパチーがみられた」(HSDB(2005))等の記述があることから、神経系、呼吸器、心血管系、腎臓、肝臓が標的臓器と考えられた。腎臓、肝臓への影響はPriority 2に属する評価書からの引用であるため区分2に分類する。 以上より、分類は区分1(神経系、呼吸器、心血管系)、区分2(腎臓、肝臓)とした。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(神経系、皮膚、精巣)、区分2(心臓血管系) |
危険 警告 |
H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(神経系、皮膚、精巣) H373: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害のおそれ(心臓血管系) |
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ヒトについては、「吸入暴露されたタリウムは神経に影響を及ぼす」(ATSDR 1992)、「主訴は、腹痛、疲労感、刺激性、体重減、脚の痛みであった。脱毛が4人に見られた」(ACGIH 2001)、「興奮と不眠が最初の症状であった」(PATTY(5th 2001))、「感覚異常や筋肉および関節痛等の多発性神経炎、頭痛、不眠、疲労感等の神経症状」(EHC 182(1996))等の記述があり、さらにIPCS(J)には「心臓血管系、神経系に影響を与えることがある。」(2002)に記述がある。実験動物では、「混乱状態、攻撃性、下痢、脱毛を起こした」、「細管上皮細胞の不整、細胞質内空胞化、セロトリ細胞小胞体膨満等の精巣への影響」(EHC 182(1996))等の記述があることから、神経系、皮膚、精巣、心臓血管系が標的臓器と考えられた。また心臓血管系への影響はPriority 2に属する評価書からの引用であるため区分2に分類する。 以上より、分類は区分1(神経系、皮膚、精巣)、区分2(心臓血管系)とした。 | |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分2 | - | - | H401: 水生生物に毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
甲殻類(オオミジンコ)の24時間LC50=1142μg/L(AQUIRE、2003)から、区分2とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分2 | - | H411: 長期継続的影響によって水生生物に毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
急性毒性が区分2、金属化合物であり水中での挙動および生物蓄積性が不明であるため、区分2とした。 |
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