名称:硫酸タリウム
CAS番号:7446-18-6
物質ID: | 328 |
分類実施者: | GHS関係省庁連絡会議 |
分類実施年度: | 平成18年度 |
使用マニュアル: | GHS分類マニュアル(H18.2.10版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性に関する原子団を含まない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 区分外 | - | - | - | - | 不燃性(ICSC,2004)。 |
8 | 自己反応性化学品 | 区分外 | - | - | - | - | スルホニル類であり自己反応性に関する原子団を含むが、データがなく分類できない。国連危険物輸送勧告がクラス・区分6.1(国連番号国連番号1707 タリウム化合物(他に品名が明示されているもの、および殺虫殺菌剤類を除く)(ICSC,2004))。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 区分外 | - | - | - | - | 不燃性(ICSC,2004)。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 区分外 | - | - | - | - | 不燃性(ICSC,2004)。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 区分外 | - | - | - | - | 水に対して安定(水溶解度4.87g/100mL(20℃)、ICSC(2004))。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 区分外 | - | - | - | - | 酸素を含む無機化合物であるが、データがなく分類できない。国連危険物輸送勧告がクラス・区分6.1(国連番号国連番号1707 タリウム化合物(他に品名が明示されているもの、および殺虫殺菌剤類を除く)(ICSC,2004))。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 有機化合物でない。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分2 | 危険 | H300: 飲み込むと生命に危険 |
P301+P310: 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P330: 口をすすぐこと。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットを用いた経口投与試験のLD50=10 mg/kg、15 mg/kg、25 mg/kg、76 mg/kg(EHC 182(1996))から、計算式を適用して得られた 10 mg/kg に基づき、区分2とした。 | |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分3 | 危険 | H311: 皮膚に接触すると有毒 |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 P322: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P361: 汚染された衣類を直ちに全て脱ぐこと。 P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットを用いた皮膚刺激性試験の LD50=500 mg/kg(EHC 182(1996))に基づき、区分3とした。 | |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による固体であるため、ガスでの吸入は想定されず、分類対象外とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 分類できない | - | - | - | - | ICSC(2000)のヒト疫学事例に 「May be absorbed! Redness.」とある、刺激の程度は不明なため分類できないとした。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2A-2B | 警告 | H319: 強い眼刺激 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 |
ICSC(2000)のヒト疫学事例に「Redness. Pain.」と刺激の程度は不明のため、区分2A-2Bとした。細区分の必要がある場合は、安全性の観点から、2Aとした方が望ましい。 | |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
6 | 発がん性 | 区分外 | - | - | - | - | EPA(1990)でDに分類されていることから、区分外とした。 |
7 | 生殖毒性 | 区分2 | 警告 | H361: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
IRIS(2006)、EHC 182(1996)、ATSDR(1992)、ACGIH(7th, 2001)、PATTY(4th, 1999)の記述から、精巣への影響がみられる他、親動物の一般毒性に関する記述はないが、児動物の発生への影響(軟骨形成不全、学習障害)がみられることから、区分2とした。 | |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1(神経系、呼吸器、心血管系、皮膚) | 危険 | H370: 臓器の障害(神経系、呼吸器、心血管系、皮膚) |
P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ヒトについては、「神経系への影響は多くの症例報告に見られ、それらのうちの死因は心臓もしくは呼吸器障害によるものである」(ATSDR(1992))、「後に検査を行ったタリウム中毒児童48例中26例に神経学的異常が見られた」(ACGIH(7th, 2001))の記述、「2週後に脚反射運動の消失が見られ、もう一人の子供の場合は神経症状は見られぬものの広範囲の脱毛症が見られた」(EHC 182(1996))等の記述、実験動物については、「呼吸器に直接的に作用し、さらに血管神経反応の低下を招く」(EHC 182(1996))、「T波粗動、Q-T延長、心ブロック、心房および心室異所性調律、ST部分の抑制もしくは亢進」(ATSDR(1992))等の記述があり、またICSC(J)には「脱毛することがある」との記載があることから呼吸器、神経系、心血管系、皮膚を標的臓器とすると考えられた。なお、実験動物に対する影響は、区分1に相当するガイダンス値の範囲でみられた。 以上より、分類は区分1(神経系、呼吸器、心血管系、皮膚)とした。 ID0327: 硝酸タリウム(CAS No.10102-45-1)のGHS分類結果を参照すること。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(皮膚、神経系、精巣) | 危険 | H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(皮膚、神経系、精巣) |
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
実験動物については、「脱毛を起こした」、「電気生理学的影響と半数の動物に坐骨神経の ワーラー変性が生じた」、「投与量に相関して脱毛が発生した」(EHC 182(1996))、「以下の影響が精巣に見られた:精細管上皮配列不整、細胞質空胞化およびセルトリ細胞の滑面小胞体の拡張」(IRIS(2002))の記載があることから皮膚、神経系、精巣を標的臓器とすると考えられた。なお、実験動物に対する影響は、区分1に相当するガイダンス値の範囲でみられた。 以上より、分類は区分1(皮膚、神経系、精巣)とした。 | |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 分類できない | - | - | - | - | データ不足のため分類できない。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 分類できない | - | - | - | - | データ不足のため分類できない。 |
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