GHS分類結果

名称:5-アミノ-1-[2,6-ジクロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-3-シアノ-4-[(トリフルオロメチル)スルフィニル]ピラゾール
CAS番号:120068-37-3

結果:
物質ID: 336
分類実施者: GHS関係省庁連絡会議
分類実施年度: 平成18年度
使用マニュアル: GHS分類マニュアル(H18.2.10版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - 爆発性に関する原子団を含まない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
6 引火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
7 可燃性固体 分類できない - - - - データなし。
8 自己反応性化学品 分類できない - - - - スルホニル類であり自己反応性に関する原子団を含むが、データがなく分類できない。
9 自然発火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
10 自然発火性固体 分類できない - - - - データなし。
11 自己発熱性化学品 分類できない - - - - データなし。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外 - - - - 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
14 酸化性固体 分類できない - - - - 塩素およびフッ素を含まず、炭素・水素以外の元素と化学結合している酸素を含む有機化合物であるが、データがなく分類できない。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - -O-O-構造を含まない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - 融点が55℃以上のものについては固体状の物質に適した試験方法が確立していないので分類できない(融点202.7-203.0℃(農薬登録申請資料(2001)))。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分3 危険 H301: 飲み込むと有毒 P301+P310: 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P330: 口をすすぐこと。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラット経口投与でのLD50=97mg/kg(農薬登録申請資料(1995))に基づき、区分3とした。
1 急性毒性(経皮) 区分外 - - - - ラット経皮投与での試験において、最高用量の2000mg/kgで死亡例がない(農薬登録申請資料(1995))ことから、区分外とした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHSの定義による固体であるため、ガスでの吸入は想定されず、分類対象外とした。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 区分3 危険 H331: 吸入すると有毒 P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。
P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。
P311: 医師に連絡すること。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラット吸入暴露による試験でのLC50=0.68mg/L(農薬登録申請資料(1995))に基づき、区分3とした。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分外 - - - - ウサギによる皮膚刺激性試験において、刺激性なしとの報告がある(農薬登録申請資料(1995))ことから、区分外とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分外 - - - - ウサギでの眼刺激性試験において、3日目には消失した軽度の結膜の発赤が見られたが、平均のDraize scoreは0.44であり(農薬登録申請資料(1995))、刺激性なしと考えられたことから、区分外とした。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データなし。
4 皮膚感作性 分類できない - - - - モルモットでのMaximization法による二つの感作性試験において、陽性率が実験動物の20%および0%と報告されており(農薬登録申請資料(1995、1996))、明確な感作性の有無を判断できないため、分類できないとした。
5 生殖細胞変異原性 区分外 - - - - in vitroでの復帰変異試験および染色体異常試験で陰性、マウス骨髄細胞でのin vivo小核試験で陰性(農薬登録申請資料(1995))であることから、区分外とした。
6 発がん性 区分外 - - - - マウスおよびラットでの発がん性試験において、試験物質投与に直接的に関連した腫瘍発生の増加がないとの報告がある(農薬登録申請資料(1995))ことから、区分外とした。
7 生殖毒性 区分2 警告 H361: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。
P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。
P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
P281: 指定された個人用保護具を使用すること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラットを用いた2世代繁殖試験において、体重増加の抑制が見られる用量で交尾率の低下(F1のみ)、同腹児数および出生時生存児数の低下が見られた(農薬登録申請資料(1995))。これらの繁殖性への影響は、他の影響による2次的作用と明確に結論付けることが難しいため、安全サイドに立った判断として区分2とした。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1(神経系) 危険 H370: 臓器の障害(神経系) P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラットでの試験において、間代性痙攣、立毛、異常歩行、下痢、呼吸数低下、嗜眠、昏睡、振せん、自発運動量の低下が見られている(農薬登録申請資料(1995))ことから、神経系が標的と考えられた。これらの影響は区分1に相当するガイダンス値の範囲でみられたことから、区分1(神経系)とした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1(神経系)、区分2(甲状腺、肝臓) 危険
警告
H373: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害のおそれ(甲状腺、肝臓)
H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(神経系)
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラットで試験において、肝臓および甲状腺の絶対/相対重量増加、甲状腺濾胞上皮細胞肥大の増加/過形成の増加傾向、雄で肝全葉脂肪化増加が報告されている。また、イヌでの試験においては、活動性低下、振戦、痙攣、筋攣縮等が報告されている(農薬登録申請資料(1995))ことから、甲状腺、肝臓、神経系が標的と考えられた。神経系への影響は区分1、肝臓と甲状腺への影響は区分2に相当するガイダンス値の範囲でみられたことから、区分1(神経系)、区分2(甲状腺、肝臓)とした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - データなし。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分1 警告 H400: 水生生物に非常に強い毒性 P273: 環境への放出を避けること。
P391: 漏出物を回収すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
藻類(緑藻)のErC50=0.074mg/L(農薬登録申請資料、1995)から、区分1とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分1 警告 H410: 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 P273: 環境への放出を避けること。
P391: 漏出物を回収すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
急性毒性が区分1、急速分解性がないと推定され(BIOWIN)、生物蓄積性があると推定される(log Kow=4(PHYSPROP Database、2005))ことから、区分1とした。


分類結果の利用に関する注意事項:
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 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

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厚生労働省モデルSDS

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