名称:4,4'-イソプロピリデンジフェノール
CAS番号:80-05-7
物質ID: | 353 |
分類実施者: | GHS関係省庁連絡会議 |
分類実施年度: | 平成18年度 |
使用マニュアル: | GHS分類マニュアル(H18.2.10版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性に関する原子団を含まない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性、あるいは自己反応性に関する原子団を含まない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 区分外 | - | - | - | - | 常温の空気と接触しても自然発火しない(発火点600℃、ICSC(1999))。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | フッ素および塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | -O-O-構造を含まない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分5 | - | 警告 | H303: 飲み込むと有害のおそれ | P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 | ラットに対する経口投与のLD50=3,300 mg/kg、4,100 mg/kg、およそ5,000 mg/kg(以上、EU-RAR No.37(2003))に基づき、確定値である低い値のLD50=3,300 mg/kgから、区分5とした。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分5 | - | 警告 | H313: 皮膚に接触すると有害のおそれ | P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 | ウサギに対する経皮投与のLD50=>2,000 mg/kg、>6,400 mg/kg(以上、EU-RAR No.37(2003))に基づき、確定値が得られていないため明確な区分は出来ないが、2,000 mg/kgで3/15匹の死亡がみられたことから、区分5とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による固体であるため、ガスでの吸入は想定されず、分類対象外とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | ラットに対する吸入暴露のLC50(6時間)=>0.17 mg/L(EU-RAR No.37(2003))に基づき、計算式を適用して区分する。算出されたLC50(4時間: 計算値)=>0.26 mg/Lから、区分2以上に分類されるが、確定値が得られていないので、データ不十分なため「分類できない」とした。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分外 | - | - | - | - | EU-RAR No.37(2003)のウサギを用いた皮膚一次刺激性試験(4時間皮膚適用)の結果「紅斑、浮腫などの皮膚反応は認められなかった」に基づいた結論の記述「ビスフェノールAは皮膚刺激性を有しない」から、皮膚刺激性を有しないと考えられ、区分外とした。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分1 | 危険 | H318: 重篤な眼の損傷 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P310: 直ちに医師に連絡すること。 |
EU-RAR No.37(2003)のウサギを用いた眼刺激性試験結果「3匹中1匹に角膜混濁と虹彩炎の28日間持続が認められた。」などに基づいた結論の記述「腐食性を示さないが、重度(severe)な眼刺激性を示す。」から、非常に強い刺激性を有すると考えられ、区分1とした。 | |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 区分1 | 警告 | H317: アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P333+P313: 皮膚刺激又は発疹が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P272: 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
EU-RAR No.37(2003)のモルモットを用いた皮膚感作性試験結果とヒトの症例報告の記述から、ビスフェノールAは皮膚感作性の可能性を示していると考えられるとともに、日本接触皮膚炎学会は皮膚感作性ありと分類していることから、皮膚感作性を有すると考えられ、「区分1」とした。 | |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分外 | - | - | - | - | EU-RAR No.37(2003)、CERI・NITE有害性評価書 No.4(2005)の記述より、生殖細胞in vivo経世代変異原性/変異原性試験なし(優性致死試験での陰性結果は、EU-RARでも信頼性について判断できないとしているため分類データとして採用できないと判断した)、体細胞を用いたin vivo変異原性試験(小核試験)で陰性であることから、区分外とした。 |
6 | 発がん性 | 分類できない | - | - | - | - | 既存分類結果が得られておらず、NTPの毒性試験結果が得られているが、専門家の判断に基づき分類できないとした。 |
7 | 生殖毒性 | 区分2 | 警告 | H361: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
CERI・NITE有害性評価書 No.4(2005)の記述から、ラットの三世代試験及びマウスの二世代試験において同様の影響(産児数の減少)がみられ、マウスでは精嚢、精巣上体重量の減少及び精子への影響もみられているが、親動物のでの毒性一般毒性があるまたは記述なしであることから、区分2とした。 | |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1(呼吸器)、区分3(麻酔作用) |
危険 警告 |
H370: 臓器の障害(呼吸器) H336: 眠気又はめまいのおそれ(麻酔作用) |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。 P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
実験動物については、「傾眠、衰弱、わずかな鼻腔上皮組織の発赤、わずかな鼻道への潰瘍形成」(EU-RAR No.37(2003))等の記述があることから、呼吸器を標的臓器とし、麻酔作用をもつと考えられた。評価書中には「わずかな」の記載があるが、潰瘍の形成がみられているため、気道刺激性とはしなかった。なお、影響は区分1に相当するガイダンス値の範囲で見られた。 以上より、分類は区分1(呼吸器)、区分3(麻酔作用)とした。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分2(呼吸器、肝臓、腎臓) | 警告 | H373: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害のおそれ(呼吸器、肝臓、腎臓) |
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
実験動物については、「鼻腔上皮組織の発赤、鼻道への潰瘍形成、肝臓、腎臓、肺で形態の変化」(EU-RAR No.37(2003))等の記述があることから、呼吸器、肝臓、腎臓が標的臓器と考えられた。なお、実験動物に対する影響は、区分2に相当するガイダンス値の範囲でみられた。 以上より、分類は区分2(呼吸器、肝臓、腎臓)とした。 | |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分2 | - | - | H401: 水生生物に毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
甲殻類(ミシッドシュリンプ)の96時間LC50=1100μg/L(環境省リスク評価第3巻、2004)他から、区分2とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分外 | - | - | - | - | 急速分解性があり(河川水を用いた生分解性試験では、ビスフェノールA は試験開始2〜4日後から分解が開始し、二酸化炭素発生量測定による分解率は18日後には平均で76%であった(CERI・NITE有害性評価書、2005))、かつ生物蓄積性が低い(BCF=67.7(既存化学物質安全性点検データ))ことから、区分外とした。 |
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