GHS分類結果

名称:1-クロロ-1,1-ジフルオロエタン
CAS番号:75-68-3

結果:
物質ID: 382
分類実施者: GHS関係省庁連絡会議
分類実施年度: 平成18年度
使用マニュアル: GHS分類マニュアル(H18.2.10版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - GHSの定義における気体である。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 区分1 危険 H220: 極めて可燃性又は引火性の高いガス P210: 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。
P377: 漏洩ガス火災の場合:漏洩が安全に停止されない限り消火しないこと。
P381: 安全に対処できるならば着火源を除去すること。
P403: 換気の良い場所で保管すること。
ICSC(1999)による爆発限界下限値は6.2vol%であり、「区分1」に該当する。国連危険物輸送勧告ではクラス・区分2.1(国連番号2517)。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 区分外 - - - - データがなく分類できない。国連危険物輸送勧告がクラス・区分2.1(国連番号2517)。
5 高圧ガス 液化ガス 警告 H280: 高圧ガス:熱すると爆発のおそれ P410+P403: 日光から遮断し、換気の良い場所で保管すること。 ICSC(1999)による沸点は-9℃、かつHSDB(2006)による臨界温度は137.1℃であり、「液化ガス」に該当する。国連危険物輸送勧告ではクラス・区分2.1(国連番号2517)。
6 引火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における気体である。
7 可燃性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義における気体である。
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - - GHSの定義における気体である。
9 自然発火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における気体である。
10 自然発火性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義における気体である。
11 自己発熱性化学品 分類対象外 - - - - GHSの定義における気体である。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外 - - - - GHSの定義における気体である。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における気体である。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義における気体である。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - GHSの定義における気体である。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - 気体状の物質に適した試験方法が確立していない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分外 - - - - ラットを用いた経口投与試験のLD50>5,000 mg/kg(EHC 139(1992))に基づき、区分外とした。
1 急性毒性(経皮) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分外 - - - - ラットを用いた吸入暴露試験のLC50=128,000 ppm(SIDS(2004))に基づき、区分外とした。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類対象外 - - - - GHSの定義による気体であるため、蒸気での吸入は想定されず、分類対象外とした。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類対象外 - - - - GHSの定義による気体であるため、粉塵・ミストでの吸入は想定されず、分類対象外とした。
2 皮膚腐食性/刺激性 分類できない - - - - データなし。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2B - 警告 H320: 眼刺激 P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
ウサギを用いた眼刺激性試験の結果の記述に「slight conjunctival swelling with some discharge(少量の排泄物を伴うわずかな結膜の腫れ)」(SIDS(2004))とあることから、軽度の刺激性があると考えられ、区分2Bとした。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データなし。
4 皮膚感作性 分類できない - - - - データなし。
5 生殖細胞変異原性 区分外 - - - - SIDS(2004)、EHC 139(1992)、DFGOTvol. 1(1990)の記述から、経世代変異原性試験(優性致死試験)で陰性、生殖細胞in vivo変異原性試験なし、体細胞in vivo変異原性試験(染色体異常試験)で陰性であることから区分外とした。
6 発がん性 分類できない - - - - 既存分類がないことに加え、分類を行うのに十分な情報がないため分類できないとした。
7 生殖毒性 区分外 - - - - SIDSでは雄イヌの13週間吸入反復投与試験と雌雄ラットの2年間吸入反復投与試験で生殖器に異常がみられなかったこと、およびラットの吸入催奇形試験で胎児に後頭骨の骨化遅延がみられたが、著者が、この遅延は検体の影響でないとしたことから、区分外とした。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 分類できない - - - - 死亡、呼吸器、神経系への影響がみられているが、いずれも128,000 ppm、200,000 ppm、400,000ppmとガイダンス値を超えた用量での試験であるため、分類できないとした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない - - - - 報告されている試験の最低用量が、いずれも1,000 ppmとガイダンス値を超えた値であるため、分類できないとした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類対象外 - - - - 常温で気体のため、分類対象外。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分3 - - H402: 水生生物に有害 P273: 環境への放出を避けること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
魚類(ニジマス)の96時間LC50=36mg/L(EHC139、1992)から、区分3とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分3 - - H412: 長期継続的影響によって水生生物に有害 P273: 環境への放出を避けること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
急性毒性が区分3、生物蓄積性が低いと推定されるものの(log Kow=1.66(既存化学物質安全性点検データ))、急速分解性がない(BODによる分解度:0%(既存化学物質安全性点検データ))ことから、区分3とした。


分類結果の利用に関する注意事項:
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 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

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厚生労働省モデルSDS

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