名称:1,4-ジクロロ-2-ニトロベンゼン
CAS番号:89-61-2
物質ID: | 402 |
分類実施者: | GHS関係省庁連絡会議 |
分類実施年度: | 平成18年度 |
使用マニュアル: | GHS分類マニュアル(H18.2.10版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類できない | - | - | - | - | 化学構造にニトロ基を含み、酸素収支の計算値が-96であるが、分解開始温度および分解エネルギーのデータがなく分類できない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 化学構造にニトロ基を含むが、データがなく分類できない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 液体状の物質に適した試験方法が確立していない(融点56℃Lide(84th,2003)、試験温度140℃)。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類できない | - | - | - | - | 炭素、水素以外の元素と化学結合している酸素を含む有機化合物であるが、データがなく分類できない。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | -O-O-構造を含まない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分4 | 警告 | H302: 飲み込むと有害 |
P301+P312: 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P330: 口をすすぐこと。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットを用いた経口投与試験のLD50 1,000 mg/kg、2,503 mg/kg(CERIハザードデータ集 99-1(2000))に基づき、低い方のLD50 1,000 mg/kgから、区分4とした。 | |
1 | 急性毒性(経皮) | 分類できない | - | - | - | - | データ不足のため分類できない。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義による固体であるため、ガスでの吸入は想定されず、分類対象外とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分3 | - | 警告 | H316: 軽度の皮膚刺激 | P332+P313: 皮膚刺激が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。 | CERIハザードデータ集 99-1(2000)のウサギを用いた皮膚刺激性試験の記述「軽度の刺激性」から、4時間適用試験ではないが、軽度の刺激性を示すと考えられ区分3とした。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2A | 警告 | H319: 強い眼刺激 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 |
CERIハザードデータ集 99-1(2000)のウサギを用いた眼刺激性試験の記述「中等度の刺激性」)から、区分2Aとした。 | |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 区分1 | 警告 | H317: アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P333+P313: 皮膚刺激又は発疹が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P272: 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
CERIハザードデータ集 99-1(2000)の記述「実験動物では感作性は、認められていないが、ヒトでは本物質の製造工場の労働者で陽性の報告がある」ことから、皮膚感作性を有すると考えられ、区分1とした。 | |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない | - | - | - | - | 厚労省報告(1996)、SIDS(2005)、CERIハザードデータ集99-1(2000)の記述から、in vivo変異原性/遺伝毒性試験データがなく、in vitro変異原性の複数の指標(染色体異常、復帰突然変異)で陽性結果があるが、陽性の程度が低いため分類できないとした。 |
6 | 発がん性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
7 | 生殖毒性 | 区分2 | 警告 | H361: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
SIDS(2005)、環境省リスク評価第3巻(2004)、CERIハザードデータ集99-1(2000)の記述から、母体の哺育不良、一般毒性のみられる用量で精巣への影響(無精子症)がみられていることから区分2とした。 | |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1(血液系)、区分3(麻酔作用) |
危険 警告 |
H370: 臓器の障害(血液系) H336: 眠気又はめまいのおそれ(麻酔作用) |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。 P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
実験動物については、「メトヘモグロビンの形成と軽度のチアノーゼ」、「平衡障害、腹臥、自発運動の低下」(CERIハザードデータ集 99-1(2000))等の記述があることから、血液系が標的臓器と考えられ、麻酔作用を示した。なお、実験動物の血液系に対する影響は、区分1に相当するガイダンス値の範囲でみられた。 以上より、分類は区分1(血液系)、区分3(麻酔作用)とした。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(血液系)、区分2(神経系、肝臓、精巣) |
危険 警告 |
H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(血液系) H373: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害のおそれ(神経系、肝臓、精巣) |
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
実験動物について、「自発運動の低下、後肢の伸展、よろめき歩行、腹臥あるいは横臥、呼吸緩徐、斜頸などの症状」(厚労省報告(1996))、「肝臓重量、ビリルビンの増加、肝細胞肥大、精上皮の壊死、無精子症、精子形成抑制など精巣への影響」(SIDS(2005))、「赤血球数、ヘモグロビン濃度の減少、脾臓の髄外造血亢進、充血、鉄色素の沈着」(CERIハザードデータ集 99-1(2000))等の記述があることから、神経系、肝臓、精巣、血液系が標的臓器と考えられた。なお、実験動物に対する影響は、神経系、肝臓、精巣に関して区分2、血液系に関して区分1に相当するガイダンス値の範囲でみられた。 以上より、分類は区分1(血液系)、区分2(神経系、肝臓、精巣)とした。 | |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分1 | 警告 | H400: 水生生物に非常に強い毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
魚類(コイ)の96時間LC50=0.118mg/L(CERI・NITE有害性評価書(暫定版)、2006)から、区分1とした。 | |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分1 | 警告 | H410: 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
急性毒性が区分1、生物蓄積性が低いものの(BCF=103(既存化学物質安全性点検データ))、急速分解性がない(BODによる分解度:4%(既存化学物質安全性点検データ))ことから、区分1とした。 |
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