名称:1,1-ジクロロ-1-フルオロエタン
CAS番号:1717-00-6
物質ID: | 404 |
分類実施者: | GHS関係省庁連絡会議 |
分類実施年度: | 平成18年度 |
使用マニュアル: | GHS分類マニュアル(H18.2.10版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性に関する原子団を含まない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
6 | 引火性液体 | 区分外 | - | - | - | - | 非引火性(HSDB,2006)。 |
7 | 可燃性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性、あるいは自己反応性に関する原子団を含まない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 酸素を含まず、フッ素および塩素を含む有機化合物であるが、これらフッ素および塩素がそれぞれ炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | -O-O-構造を含まない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | 気体状の物質に適した試験方法が確立していない(沸点32℃(Lide,84th,2003)、試験温度55℃)。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 急性毒性(経口) | 区分外 | - | - | - | - | ラットを用いた経口投与試験のLD50=>5,000mg/kg(SIDS(2003))に基づき、区分外とした。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分外 | - | - | - | - | ラット、ウサギを用いた経皮投与試験のLD50 >2000mg/kg(ラット)、>2000mg/kg(ウサギ)(ともにSIDS(2003))とあり、両報告はTG402に従ったものであり、また毒性症状についても主だった重篤な症状報告はされていないことから、区分外とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義による液体であることから、ガスでの吸入は想定されず、分類対象外とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 区分外 | - | - | - | - | ラットを用いた吸入暴露試験(蒸気)のLC50 297.6mg/L(4時間)(SIDS(2003))、295 mg/L(4時間)(EHC 139(1992))、300.7mg/L(4時間)(ECETOC JACC 15(1990))に基づき、計算式を適用してLC50(4時間換算値)の62,100ppmが得られた。飽和蒸気圧76.3kPa(25℃)(SIDS(2003))における飽和蒸気濃度は763,000ppmである。今回得られたLC50は、飽和蒸気濃度の90%より低い濃度であるため、「ミストがほとんど混在しない蒸気」として、ppm濃度基準値で区分外とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分外 | - | - | - | - | ウサギを用いた皮膚刺激性試験結果から、SIDS(2003)では「It is not irritating to the skin.」と結論付けていることから、皮膚刺激性を示さないと考えられ、区分外とした。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2B | - | 警告 | H320: 眼刺激 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 |
SIDS(2003)のウサギを用いた眼刺激性試験結果にて、「mild irritation(conjunctivitis, chemosis, and moderate blood-tinged discharge)with no corneal involvement. All treated eyes of all rabbits were normal by 72-hours after treatment」「陰性」両方の試験結果がともに1つづつあるが、SIDS(2003)では「It is only mildly irritating to the eye.」 と結論付けていることから、軽度の刺激性を有すると考えられ、区分2Bとした。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない | - | - | - | - | SIDS(2003)のモルモットを用いた皮膚感作性試験にて、「It is not a skin sensitizer in the Guinea pig.」と結論付けているが、他に情報がないため、感作性の有無については判断し難く、分類できないとした。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分外 | - | - | - | - | SIDS(2003)、EHC 139(1992)の記述から、経世代変異原性試験なし、生殖細胞in vivo変異原性試験なし、体細胞in vivo変異原性試験(小核試験)で陰性であることから、区分外とした。 |
6 | 発がん性 | 分類できない | - | - | - | - | データ不足のため分類できない。 |
7 | 生殖毒性 | 区分2 | 警告 | H361: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
SIDS(2003)、EHC 139(1992)の記述から、親動物に一般毒性のみられる用量で生殖及び発生への影響(受胎能力低下、着床胚損失率低下など)がみられることから、区分2とした。 | |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分3(麻酔作用) | 警告 | H336: 眠気又はめまいのおそれ(麻酔作用) |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
実験動物については、「実験動物の50%に麻酔状態とする濃度 = 62 g/m3」(EHC 139(1992))等の記述があることから、麻酔作用を有すると考えられた。なお、実験動物に対する影響は、区分3(麻酔作用)に相当するガイダンス値の範囲で見られた。 以上より、分類は区分3(麻酔作用)とした。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 分類できない | - | - | - | - | データ不足のため、分類できない。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
11 | 水生環境有害性(急性) | 区分3 | - | - | H402: 水生生物に有害 |
P273: 環境への放出を避けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
甲殻類(オオミジンコ)の48時間LC50=31mg/L(ECETOC TR91、2003)から、区分3とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分3 | - | - | H412: 長期継続的影響によって水生生物に有害 |
P273: 環境への放出を避けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
急性毒性が区分3、生物蓄積性が低いと推定されるものの(log Kow=2.37(PHYSPROP Database、2005))、急速分解性がない(BODによる分解度:2-10%(EHC139、1992))ことから、区分3とした。 |
政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。 |
使用マニュアル |
|
解説・用語集(エクセルファイル) |
|
厚生労働省モデルラベル |
職場のあんぜんサイトへ |
厚生労働省モデルSDS |
職場のあんぜんサイトへ |