GHS分類結果

名称:ビス(8-キノリノラト)銅
CAS番号:10380-28-6

結果:
物質ID: 461
分類実施者: GHS関係省庁連絡会議
分類実施年度: 平成18年度
使用マニュアル: GHS分類マニュアル(H18.2.10版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - 爆発性に関する原子団を含まない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
6 引火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
7 可燃性固体 分類できない - - - - データがなく分類できない。
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - - 爆発性、あるいは自己反応性に関する原子団を含まない。
9 自然発火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
10 自然発火性固体 分類できない - - - - データがなく分類できない。
11 自己発熱性化学品 分類できない - - - - データがなく分類できない。
12 水反応可燃性化学品 区分外 - - - - 水に対して安定(水溶解度1.04mg/L(農薬登録申請資料))。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
14 酸化性固体 分類できない - - - - 炭素、水素以外の元素と化学結合している酸素を含む有機化合物であるが、データがなく分類できない。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - -O-O-構造を含まない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - 融点が55℃以上のものについては固体状の物質に適した試験方法が確立していないので分類できない(融点:>300℃(農薬登録申請資料))。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分4 警告 H302: 飲み込むと有害 P301+P312: 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P330: 口をすすぐこと。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラットを用いた経口投与試験でのLD50=500mg/kg(農薬登録申請資料(1986))に基づき、区分4とした。
1 急性毒性(経皮) 区分外 - - - - ウサギを用いた経皮投与試験でのLD50>2,000mg/kgであり、死亡例がないことから(農薬登録申請資料(1976))区分外とした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHSの定義による固体であるため、ガスでの吸入は考えられず、分類対象外とした。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - - ラットを用いた吸入暴露試験でのLC50>0.94mg/L(4時間換算)とのデータはあるが(農薬登録申請資料(1989))区分を確定できないため、分類できないとした。
2 皮膚腐食性/刺激性 分類できない - - - - データなし。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2B - 警告 H320: 眼刺激 P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
ウサギでのDraize法による眼刺激性試験において、刺激性が見られたが、7日以内に回復している(農薬登録申請資料(1976))ことから、区分2Bとした。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データなし。
4 皮膚感作性 区分外 - - - - モルモットを用いたMaximization法での感作性試験で陰性であった(農薬登録申請資料(2004))ことから、区分外とした。
5 生殖細胞変異原性 区分外 - - - - in vitro復帰変異試験および染色体異常試験で陰性(農薬登録申請資料(1978、1985、1989))、ラット骨髄細胞でのin vitro小核試験とマウスでのin vivo染色体異常試験で陰性(農薬登録申請資料(1990、1991))であることから、区分外とした。
6 発がん性 区分外 - - - - ラット及びマウスを用いた発がん性試験において、試験物質の投与に関連した腫瘍の発生がなかった(農薬登録申請資料(1994、1997))こと及びIARC(1987)で3に分類されていることから、区分外とした。
7 生殖毒性 区分外 - - - - ラット2世代繁殖性試験、ラットおよびウサギでの催奇形性試験において、繁殖性や仔動物への影響がない(農薬登録申請資料(1976、1989))ことから、区分外とした。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分2(全身毒性) 警告 H371: 臓器の障害のおそれ(全身毒性) P309+P311: 暴露したとき、又は気分が悪いとき:医師に連絡すること。
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
動物試験において、「自発運動減少」、「横臥」、「腹臥」、「体温低下」、「流涙」、「鼻汁」、「眼瞼下垂」、「眼瞼閉鎖」、「立毛」、「下痢」、および「軟便」が見られている(農薬登録申請資料(1986))ことから、全身障害と考えられた。これらの症状は区分2に相当するガイダンス値の範囲でみられたことから、区分2(全身毒性)とした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない - - - - データ不足により、分類できないとした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - データなし。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分1 警告 H400: 水生生物に非常に強い毒性 P273: 環境への放出を避けること。
P391: 漏出物を回収すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
藻類(緑藻)の72時間ErC50=0.0762mg/L(農薬登録申請資料、2004)から、区分1とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分外 - - - - 急速分解性があり(BODによる分解度:76%(既存化学物質安全性点検データ))、かつ生物蓄積性が低いと推定される(log Kow=2.46(PHYSPROP Database、2005))ことから、区分外とした。


分類結果の利用に関する注意事項:
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 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

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