GHS分類結果

名称:3-フェノキシベンジル=3-(2,2-ジクロロビニル)-2,2-ジメチルシクロプロパンカルボキシラート
CAS番号:52645-53-1

結果:
物質ID: 471
分類実施者: GHS関係省庁連絡会議
分類実施年度: 平成18年度
使用マニュアル: GHS分類マニュアル(H18.2.10版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - 爆発性に関する原子団を含まない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
6 引火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
7 可燃性固体 分類できない - - - - ICSC(2004)では可燃性としているが、データがなく分類できない。
8 自己反応性化学品 分類できない - - - - 化学構造に爆発性に関わる原子団として不飽和結合(オレフィン)を含むが、データがなく分類できない。
9 自然発火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
10 自然発火性固体 区分外 - - - - 熱的に安定(農薬登録申請資料)であることから、常温の空気と接触しても自然発火しないと考えられる。国連危険物輸送勧告がクラス・区分6.1(国連番号3352 ピレスロイド系殺虫殺菌剤類、液体、毒性のもの(ICSC(2004)))。
11 自己発熱性化学品 区分外 - - - - 液体状の物質に適した試験方法が確立していない(融点43.8-46.1℃(農薬登録申請資料)、試験温度140℃)。国連危険物輸送勧告がクラス・区分6.1(国連番号3352 ピレスロイド系殺虫殺菌剤類、液体、毒性のもの(ICSC(2004)))。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外 - - - - 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - - フッ素を含まず、塩素および酸素を含む有機化合物であるが、この塩素および酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - -O-O-構造を含まない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 区分外 - - - - 融点が55℃未満のものについてはデータがなく分類できない(融点43.8-46.1℃(農薬登録申請資料))。国連危険物輸送勧告がクラス・区分6.1(国連番号3352 ピレスロイド系殺虫殺菌剤類、液体、毒性のもの(ICSC(2004)))。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分4 警告 H302: 飲み込むと有害 P301+P312: 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P330: 口をすすぐこと。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラットを用いた経口投与試験でのLD50=430mg/kg(農薬登録申請資料(1985))に基づき、区分4とした。
1 急性毒性(経皮) 区分外 - - - - ラットを用いた経皮投与試験でのLD50>5,000mg/kg(農薬登録申請資料(1985))に基づき、区分外とした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHSの定義による固体であるため、ガスでの吸入は考えられず、分類対象外とした。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - - ラットを用いた吸入暴露試験でのLC50>0.69mg/L(4時間換算)(農薬登録申請資料(1985))のデータはあるが、区分を特定できないため、分類できないとした。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分外 - - - - ウサギでの皮膚刺激性試験において、刺激性なしであった(農薬登録申請資料(1985))ことから、区分外とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分外 - - - - ウサギを用いた眼刺激性試験において、刺激性が認められなかった(農薬登録申請資料(1985))ことから、区分外とした。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データなし。
4 皮膚感作性 区分外 - - - - モルモットを用いた感作性試験で陰性であった(農薬登録申請資料(1984))ことから、区分外とした。
5 生殖細胞変異原性 区分外 - - - - in vitro復帰変異試験で陰性(農薬登録申請資料(1985))、ラットおよびマウス骨髄細胞でのin vivo染色体異常試験で陰性(農薬登録申請資料(1985))であることから、区分外とした。
6 発がん性 区分外 - - - - ラット及びマウスを用いた発がん性試験において、試験物質の投与に関連した腫瘍の発生がなかった(農薬登録申請資料(1985))こと及びIARC(1991)で3に分類されていることから、区分外とした。
7 生殖毒性 区分外 - - - - ラット繁殖性試験および催奇形性試験において、繁殖性や仔動物への影響が見られていない(農薬登録申請資料(1985))ことから、区分外とした。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分2(神経系) 警告 H371: 臓器の障害のおそれ(神経系) P309+P311: 暴露したとき、又は気分が悪いとき:医師に連絡すること。
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
動物試験において、「自発運動減少」、「立毛」、「興奮」、「筋攣縮」、「振戦」、「歩行失調」等が見られている(農薬登録申請資料(1985))ことから、神経系が標的と考えられた。これらの影響は区分2に相当するガイダンス値の範囲でみられたことから、区分2(神経系)とした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない - - - - データ不足により分類できない。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - データなし。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分1 警告 H400: 水生生物に非常に強い毒性 P273: 環境への放出を避けること。
P391: 漏出物を回収すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
甲殻類(ミシッドシュリンプ)の96時間LC50=0.046μg/L(EHC94、1990)から、区分1とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分1 警告 H410: 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 P273: 環境への放出を避けること。
P391: 漏出物を回収すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
急性毒性が区分1、急速分解性がないと推定され(BIOWIN)、生物蓄積性があると推定される(log Kow=6.5(PHYSPROP Database、2005))ことから、区分1とした。


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 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

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