GHS分類結果

名称:3-メチル-1,5-ジ(2,4-キシリル)-1,3,5-トリアザペンタ-1,4-ジエン
CAS番号:33089-61-1

結果:
物質ID: 505
分類実施者: GHS関係省庁連絡会議
分類実施年度: 平成18年度
使用マニュアル: GHS分類マニュアル(H18.2.10版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - 爆発性に関する原子団を含まない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
6 引火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
7 可燃性固体 分類できない - - - - ICSC(2004)では可燃性としているが、データがなく分類できない。
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - - 爆発性、あるいは自己反応性に関する原子団を含まない。
9 自然発火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
10 自然発火性固体 区分外 - - - - 熱に対して150℃まで安定(農薬登録申請資料)であることから、常温の空気と接触しても自然発火しないと考えられる。
11 自己発熱性化学品 区分外 - - - - 熱に対して150℃まで安定(農薬登録申請資料)であることから、区分外に該当する。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外 - - - - 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - - 酸素、フッ素または塩素を含まない有機化合物である。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - -O-O-構造を含まない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - 融点が55℃以上のものについては固体状の物質に適した試験方法が確立していないので分類できない(融点:86.0-86.1℃(農薬登録申請資料))。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分4 警告 H302: 飲み込むと有害 P301+P312: 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P330: 口をすすぐこと。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラットを用いた経口投与試験でのLD50=370mg/kg(農薬登録申請資料)に基づき、区分4とした。
1 急性毒性(経皮) 分類できない - - - - ラットを用いた経皮投与試験でのLD50>1,600mg/kg(農薬登録申請資料)のデータはあるが、区分を特定できないことから、分類できないとした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHSの定義による固体であるため、ガスでの吸入は考えられず、分類対象外とした。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 区分外 - - - - ラットを用いた吸入暴露試験でのLC50=65mg/L(4時間換算)(農薬登録申請資料)に基づき、区分外とした。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分外 - - - - ウサギを用いた皮膚刺激性試験において、刺激性がない(農薬登録申請資料)ことから、区分外とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分外 - - - - ウサギを用いた眼刺激性試験において、24時間後のDraize scoreの平均が0.8であり7日以内に回復可能である(農薬登録申請資料)ことから、区分外とした。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データなし。
4 皮膚感作性 区分1 警告 H317: アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。
P333+P313: 皮膚刺激又は発疹が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。
P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
P272: 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
モルモットを用いたMaximization法での感作性試験で陽性とのデータがある(農薬登録申請資料)ことから、区分1とした。
5 生殖細胞変異原性 区分外 - - - - in vitro染色体異常試験、復帰変異試験、不定期DNA合成試験で陰性、マウスを用いたin vivo優性致死試験、ラット幹細胞を用いた不定期DNA合成試験で全て陰性であった(農薬登録申請資料)ことから、区分外とした。
6 発がん性 区分外 - - - - ラット、マウスおよびイヌを用いた発がん性試験において、試験物質の投与に関連した腫瘍発生が見られていない(農薬登録申請資料)ことから、区分外とした。
7 生殖毒性 区分外 - - - - ラットを用いた3世代繁殖性試験、ラットおよびウサギを用いた催奇形性試験において、繁殖性や仔動物への影響が見られなかった(農薬登録申請資料)ことから、区分外とした。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分2(神経系) 警告 H371: 臓器の障害のおそれ(神経系) P309+P311: 暴露したとき、又は気分が悪いとき:医師に連絡すること。
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
動物試験において、「運動失調」、「興奮性活動亢進」、「振戦」が見られた(農薬登録申請資料(年度不明))ことから、神経系が標的と考えられた。これらの症状は区分2に相当するガイダンス値の範囲でみられたことから、区分2(神経系)とした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分2(中枢神経系、肝臓、血液系、精巣、前立腺、精巣付属器) 警告 H373: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害のおそれ(中枢神経系、肝臓、血液系、精巣、前立腺、精巣付属器) P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ICSC(1994)に「この物質は中枢神経系、肝臓に影響を与えることがある」との記述があり、実験動物については、「運動失調、鼻汁、多尿、振戦、軽度の昏睡が観察された。血液像の検査では、PCV、ヘモグロビン、赤血球数の減少および好中球数の増加が雄雌に見られた…」、「精細管の変性が見られた」(JMPR(1998))、「前立腺、精嚢、カウパー腺、付属腺の変化」(RTECS(2006))等の記述があることから、中枢神経系、血液系、精巣、前立腺、精巣付属器が標的臓器と考えられた。なお、実験動物に対する影響は、前立腺、精巣付属器に対する影響は区分1に、中枢神経系、精巣および血液系に対する影響は区分2に相当するガイダンス値の範囲でみられたが、ICSCおよびRTECSはPriority2に属することから、前立腺、精巣付属器への影響は区分2に分類した。 以上より、分類は区分2(中枢神経系、肝臓、血液系、精巣、前立腺、精巣付属器)とした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - データなし。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分1 警告 H400: 水生生物に非常に強い毒性 P273: 環境への放出を避けること。
P391: 漏出物を回収すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
魚類(コイ)の96時間LC50=0.552mg/L(農薬登録申請資料、2003)から、区分1とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分1 警告 H410: 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 P273: 環境への放出を避けること。
P391: 漏出物を回収すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
急性毒性が区分1、急速分解性がないと推定され(BIOWIN)、生物蓄積性があると推定される(log Kow=5.5(PHYSPROP Database、2005))ことから、区分1とした。


分類結果の利用に関する注意事項:
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 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

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