名称:アンモニア
CAS番号:7664-41-7
物質ID: | 564 |
分類実施者: | GHS関係省庁連絡会議 |
分類実施年度: | 平成18年度 |
使用マニュアル: | GHS分類マニュアル(H18.2.10版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による気体。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 区分1 | 危険 | H220: 極めて可燃性又は引火性の高いガス |
P210: 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。 P377: 漏洩ガス火災の場合:漏洩が安全に停止されない限り消火しないこと。 P381: 安全に対処できるならば着火源を除去すること。 P403: 換気の良い場所で保管すること。 |
空気中での可燃範囲が12%以上の幅を有する。[爆発限界:15-28%(危険物DB(第2版,1993)] | |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品ではない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 区分外 | - | - | - | - | 国連危険物輸送勧告: UN No.1005, Class 2.3, Subsidiary risk 8 に分類されている。 |
5 | 高圧ガス | 液化ガス | 警告 | H280: 高圧ガス:熱すると爆発のおそれ | P410+P403: 日光から遮断し、換気の良い場所で保管すること。 | Critical temp: 132.4℃(Merck(13th, 2001) | |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義により気体。 |
7 | 可燃性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義により気体。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義により気体。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義により気体。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義により気体。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義により気体。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義により気体。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義により気体。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義により気体。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義により気体。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | 気体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 分類できない | - | - | - | - | ヒトでアンモニア水摂取後に死亡の報告がある(EHC 54(1986))が、気体のデータではないので分類の根拠としない。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 分類できない | - | - | - | - | データ不足のため分類できない。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 区分4 | 警告 | H332: 吸入すると有害 |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 |
ラットLC50 = 4608.7 ppm(4時間換算値)(EHC 54(1986))に基づき区分4とした。 | |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義により気体。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義により気体。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分1A-1C | 危険 | H314: 重篤な皮膚の薬傷及び眼の損傷 |
P301+P330+P331: 飲み込んだ場合:口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。 P303+P361+P353: 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと/取り除くこと。皮膚を流水/シャワーで洗うこと。 P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P310: 直ちに医師に連絡すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ウサギを用いたアンモニア水溶液の皮膚刺激性試験で壊死を認めている(IUCLID 2000)。ヒトではアンモニアガスとの接触により著しい刺激、化学的熱傷等の報告があり(DFGOTvol.6(1992))、ガスの状態でも皮膚刺激物と見なされている(IUCLID 2000))。以上より区分1A-1Cとした。 | |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分1 | 危険 | H318: 重篤な眼の損傷 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P310: 直ちに医師に連絡すること。 |
ウサギの眼にアンモニア暴露後、結膜浮腫を観察(EHC 54(1986))。熱傷を起こすと、眼球癒着、角膜の潰瘍・穿孔、永続的な角膜混濁・虹彩炎などの不可逆的影響を認めている(EHC 54(1986)、IUCLID(2000))。さらにヒトでも直接接触により短時間で影響を及ぼし、特に高濃度では重篤な眼障害が起きている(EHC 54(1986)、ACGIH(7th, 2001))。以上の事実に基づき区分1とした。 | |
4 | 呼吸器感作性 | 区分1 | 危険 | H334: 吸入するとアレルギー、喘息又は呼吸困難を起こすおそれ |
P304+P341: 吸入した場合:呼吸が困難な場合には、空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P342+P311: 呼吸に関する症状が出た場合:医師に連絡すること。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P285: 換気が十分でない場合には、呼吸用保護具を着用すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ヒトでアンモニア暴露による喘息あるいは喘息様症状が複数報告されている(ATSDR 2004、ACGIH(2001))。一つの報告でアンモニアガス暴露と気管支喘息を含む呼吸器症状との間に統計学的に有意な関連性があるとし(ATSDR 2004)、別の報告では吸入誘発試験により喘息の原因をアンモニアとしている(ATSDR 2004)事実に基づき、区分1とした。 | |
4 | 皮膚感作性 | 区分外 | - | - | - | - | 常温常圧で気体のためNH3そのものの動物試験データはないが、水溶液での試験は実施されている。モルモットを用いたOpen epicutaneous testにより、明確に皮膚感作性が否定されている(IUCLID 2000)ので区分外とした。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分2 | 警告 | H341: 遺伝性疾患のおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
アンモニアに暴露および非暴露のヒトから採取された血液サンプルによる調査・分析により、染色体異常、姉妹染色分体交換の増加が認められ(ATSDR 2004)たこと、および in vivo 変異原性試験(マウス小核試験:ATSDR(2004))の陽性結果があることに基づき区分2とした。 | |
6 | 発がん性 | 分類できない | - | - | - | - | アンモニアを飲料水に混入しマウスに2年間投与した結果、発癌性を示唆する所見はない(EHC 54(1986))が、胃腸に腫瘍の記載(詳細不明)もある(RTECS(2004))。分類にはさらに情報が必要であり「分類できない」とした。 |
7 | 生殖毒性 | 分類できない | - | - | - | - | 妊娠期間と授乳期間を通じての投与により、出生後120日目に児の体重増加抑制がみられた記述(ATSDR(2004))のみで、妊娠前(交配前)投与による生殖機能または生殖能力に対する影響については明らかではなく、データ不足のため分類できない。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1(呼吸器系) | 危険 | H370: 臓器の障害(呼吸器系) |
P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ヒトで呼吸困難、肺水腫、気管支肺炎などが報告され(DFGOTvol.6(1992)、ATSDR(2004)、IRIS(1991)、BSDB(2005))、動物試験でも呼吸困難、チアノゼーゼ、肺の出血や浮腫、間質性肺炎など、肺を含む呼吸器系に重大な毒性影響が認められている(EHC 54(1986))ので区分1(呼吸器系)とした。なお、動物データ(EHC 54(1986))から推定した毒性発現濃度もガイダンス値区分1に相当している。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分2(肺) | 警告 | H373: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害のおそれ(肺) |
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットの反復吸入試験において、気管支周囲炎を伴う間質性肺炎がガイダンス値区分2の範囲で認められ(EHC 54(1986))、かつ大量にアンモニアの職業暴露を受けたヒトでは慢性呼吸困難とともに、収縮性肺機能障害、閉塞性肺疾患などと同一の臨床像が報告されている(IUCLID(2000))。これらの事実に基づき区分2(肺)とした。なお、他の動物種、あるいは試験条件の異なる他の試験でも肺に対する影響は見られている(EHC 54(1986)、IUCLID 2000)。 | |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義により気体のため分類対象外。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分1 | 警告 | H400: 水生生物に非常に強い毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
魚類(カラフトマス)の96時間LC50=0.083mg NH3/L(EHC54、1986)から、区分1とした。 | |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分1 | 警告 | H410: 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
急性毒性が区分1、水中での挙動および生物蓄積性が不明であるため、区分1とした。 |
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