名称:黄りん
CAS番号:12185-10-3
物質ID: | 571 |
分類実施者: | GHS関係省庁連絡会議 |
分類実施年度: | 平成18年度 |
使用マニュアル: | GHS分類マニュアル(H18.2.10版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性に関わる原子団を含まない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品ではない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 区分外 | - | - | - | - | 国連危険物輸送勧告: クラス 4.2, 副次危険性 6.1, 容器等級Iに分類されている。(UN No. 1381) |
8 | 自己反応性化学品 | 区分外 | - | - | - | - | 国連危険物輸送勧告: クラス 4.2, 副次危険性 6.1, 容器等級Iに分類されている。(UN No. 1381) |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 区分1 | 危険 | H250: 空気に触れると自然発火 |
P335+P334: 固着していない粒子を皮膚から払いのけ、冷たい水に浸すこと/湿った包帯で覆うこと。 P370+P378: 火災の場合:消火するために...を使用すること。 P210: 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。 P222: 空気に接触させないこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P422: 内容物を...中で保管すること。 |
国連危険物輸送勧告: クラス 4.2, 副次危険性 6.1, 容器等級Iに分類されている。(UN No. 1381) | |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 自然発火性固体に分類されている。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 区分外 | - | - | - | - | 国連危険物輸送勧告: クラス 4.2, 副次危険性 6.1, 容器等級Iに分類されている。(UN No. 1381) |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に酸素、フッ素または塩素を含まない。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に-O-O-構造を含まない。 |
16 | 金属腐食性物質 | 区分外 | - | - | - | - | 国連危険物輸送勧告: クラス 4.2, 副次危険性 6.1, 容器等級Iに分類されている。(UN No. 1381) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分1 | 危険 | H300: 飲み込むと生命に危険 |
P301+P310: 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P330: 口をすすぐこと。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラット LD50 = 3.76 mg/kg(雄), 3.03 mg/kg(雌)(ATSDR(1997))。ヒトの推定致死量は経口で1 〜2 mg/kg(PATTY(5th, 2001)、ACGIH(2001)、ATSDR(1997)、HSDB(2005)、IUCLID(2004))。いずれのデータに基づいても区分1に相当する。 | |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分1 | 危険 | H310: 皮膚に接触すると生命に危険 |
P302+P350: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で優しく洗うこと。 P262: 眼、皮膚、衣類につけないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P310: 直ちに医師に連絡すること。 P322: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P361: 汚染された衣類を直ちに全て脱ぐこと。 P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラット LD50 ≒ 29 mg/kgおよび 100 mg/kg。毒性の強い前者を採用し、区分1とした。 | |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義により固体。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分1A-1C | 危険 | H314: 重篤な皮膚の薬傷及び眼の損傷 |
P301+P330+P331: 飲み込んだ場合:口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。 P303+P361+P353: 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと/取り除くこと。皮膚を流水/シャワーで洗うこと。 P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P310: 直ちに医師に連絡すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ヒトの皮膚に接触により熱傷を起こし(ACGIH(2001)、ATSDR(1997)、ICSC(2004))、熱のみならず腐食作用にも起因すると記述されている(ATSDR(1997))。また、動物試験においても"corrosive"あるいは"necrosis"と評価されている(IUCLID(2004)、ATSDR(1997))。以上より区分1A-1Cとした。 | |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分1 | 危険 | H318: 重篤な眼の損傷 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P310: 直ちに医師に連絡すること。 |
ヒトの眼に触れることにより眼瞼痙攣、羞明、流涙を伴う重度の傷害、または角膜混濁を引き起こし(PATTY(5th, 2001)、HSDB(2005))、また、発赤、痛み、視力喪失、重度の熱傷が記載されている(ICSC(2004))ことに基づき、区分1とした。 | |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない | - | - | - | - | データ不足のため分類できない。 |
6 | 発がん性 | 分類できない | - | - | - | - | データ不足のため分類できない。 |
7 | 生殖毒性 | 区分2 | 警告 | H361: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットに交配80日前から2度の生殖周期にわたり投与した試験(世代試験)において、高用量で母動物の死亡がみられ、その大半(13/16)が分娩期間中に発生し、黄リンの投与が原因である可能性が記述されている(IRIS(1991))。分娩期間への死亡の集中は生殖への悪影響と考えられるが、母体毒性の関与も否定できないので区分2とした。なお、交配3週前からの投与で授乳期間中に児の成長および生存の抑制が観察され、一因として授乳への影響が示唆されている(ATSDR(1997))。 | |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1(肝、腎、消化器、血液、中枢神経)、区分3(気道刺激性) |
危険 警告 |
H335: 呼吸器への刺激のおそれ(気道刺激性) H370: 臓器の障害(肝、腎、消化器、血液、中枢神経) |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。 P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
本物質のヒトへの急性暴露が、肝、腎、消化器系、造血系、中枢神経系と広範な器官・組織に影響を及ぼすことを示す報告あるいは記載がある(ACGIH(2001)、PATTY(5th, 2001)、IRIS(1991)、HSDB(2005))ので、区分1(肝、腎、消化器、血液、中枢神経)とした。また、短時間の暴露による気道刺激性も認められている(ATSDR(1997))ので区分3(気道刺激性)とした。なお、マウスの試験における死亡は、刺激により粘膜腫脹あるいは粘液分泌が起き、気道が塞がり窒息死したためである(ATSDR(1997))。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(骨、血液) | 危険 | H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(骨、血液) |
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ヒトの症例報告または疫学調査によれば、顎部の壊死と骨の破壊、いわゆる"phossy jaw"の報告があり(IRIS((1991)、PATTY(5th, 2001)、ATSDR(1997))、さらに口腔の変性、貧血も報告されている(PATTY(5th, 2001)、ATSDR(1997))。また、骨に対する影響は動物試験でも観察されている(IRIS((1991))。以上の影響を重大な毒性と考え区分1(骨、血液)とした。 | |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データ不足のため分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分1 | 警告 | H400: 水生生物に非常に強い毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
魚類(ブルーギル)の96時間LC50=2μg/L(AQUIRE、2003)から、区分1とした。 | |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分1 | 警告 | H410: 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
急性毒性が区分1、水中での挙動および生物蓄積性が不明であるため、区分1とした。 |
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