名称:過酸化水素
CAS番号:7722-84-1
物質ID: | 573 |
分類実施者: | GHS関係省庁連絡会議 |
分類実施年度: | 平成18年度 |
使用マニュアル: | GHS分類マニュアル(H18.2.10版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 区分外 | - | - | - | - | 爆発性に関わる原子団-O-O-結合を有する。酸素収支は+47で基準値:-200を上回るために火薬類からは除外されないが、国連分類クラス5.1(副次危険8)に基づき区分外とした。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による液体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品ではない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による液体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による液体である。 |
6 | 引火性液体 | 区分外 | - | - | - | - | 不燃性(ICSC(J)(2000)、ホンメル(1991)) |
7 | 可燃性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による液体である。 |
8 | 自己反応性化学品 | 区分外 | - | - | - | - | 爆発性に関わる原子団-O-O-結合を有するが、国連分類クラス5.1(副次危険8)に基づき区分外とした。 |
9 | 自然発火性液体 | 区分外 | - | - | - | - | 不燃性(ICSC(J)(2000)、ホンメル(1991)) |
10 | 自然発火性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による液体である。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 区分外 | - | - | - | - | 不燃性(ICSC(J)(2000)、ホンメル(1991)) |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。 本物質の各種濃度の水溶液の物性値(沸点、融点、粘度その他)は普遍的な値として多くの文献に採用されておることから水中で安定な物質と判断される。 |
13 | 酸化性液体 | 区分1 | 危険 | H271: 火災又は爆発のおそれ:強酸化性物質 |
P371+P380+P375: 大火災の場合で大量にある場合:区域から退避させ、爆発の危険性に応じ、離れた距離から消火すること。 P306+P360: 衣類にかかった場合:服を脱ぐ前に、直ちに汚染された衣類及び皮膚を多量の水で洗うこと。 P370+P378: 火災の場合:消火するために...を使用すること。 P210: 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。 P220: 衣類/.../可燃物から遠ざけること。 P221: 可燃物と混合を回避するために予防策をとること。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P283: 防火服/防炎服/耐火服を着用すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
UN No. 2015 クラス 5.1(副次危険 8)PG I(HYDROGEN PEROXIDE,STABILIZED or HYDROGEN PEROXIDE,AQUEOUS SOLUTION,STABILIZED with more than 60% hydrogen peroxide)であることから、GHS分類マニュアルの指針に従い区分1とした。 | |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による液体である。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 有機化合物ではない。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | UNRTDG クラス 5.1(副次危険.8)とされているが、この副次分類は皮膚腐食性に基づくものと考えられ、金属腐食性についてはデータがないために分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分4 | 警告 | H302: 飲み込むと有害 |
P301+P312: 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P330: 口をすすぐこと。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットの4データ(EU-RAR(2003))から計算で得られたLD50=311mg/kgに基づき、区分4とした。 | |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分5 | - | 警告 | H313: 皮膚に接触すると有害のおそれ | P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 | ラットLD50=4060mg/kg(EU-RAR(2003))に基づき、区分5とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による液体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 区分3 | 危険 | H331: 吸入すると有毒 |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P311: 医師に連絡すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
本物質の飽和蒸気圧濃度は1980ppmであり、蒸気で行われたと考えられる試験(EU-RAR(2003))で得られた、ラットLC50=1438ppmに基づき、区分3とした。 | |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分1A-1C | 危険 | H314: 重篤な皮膚の薬傷及び眼の損傷 |
P301+P330+P331: 飲み込んだ場合:口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。 P303+P361+P353: 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと/取り除くこと。皮膚を流水/シャワーで洗うこと。 P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P310: 直ちに医師に連絡すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ウサギに対して3分間、1時間または4時間の適用で、皮膚の全層におよぶ壊死、あるいは腐食性との結論が記載されている(EU-RAR(2003)、ECETOC Special Report 10(1996))こと、およびEUでC; R35に分類されていることから、本物質は皮膚に対して腐食性を示すと考えられる。しかし、細分類するには情報が不足しているため、区分1A-1Cとした。 | |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分1 | 危険 | H318: 重篤な眼の損傷 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P310: 直ちに医師に連絡すること。 |
本物質は皮膚腐食性物質である。動物でsevereな刺激性を有し、corrosiveであるとの記載(ECETOC JACC(1993)、EU-RAR(2003))がある。以上の情報に基づき、区分1とした。 | |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない | - | - | - | - | モルモットでは2試験で陰性の成績(EU-RAR(2003)、ECETOC JACC(1993))があり、ヒトではパッチテストで多数の被験者が陰性であったと記載されている(EU-RAR(2003))。しかし、ヒトのパッチテストで158例中2例が陽性であったとの記載(EU-RAR(2003))もあり、データ不足のため分類できない。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分外 | - | - | - | - | ヒト経世代疫学、経世代変異原性試験、生殖細胞in vivo変異原性試験の結果が無く、マウスを用いる小核試験で陰性の結果が記載(EU-RAR(2003)、ECETOC Special Report 10(1996))され、生殖細胞 vivo遺伝毒性試験で陽性結果がないことに基づき、区分外とした。 |
6 | 発がん性 | 区分外 | - | - | - | - | IARCで3, ACGIHでA3と分類されているが、分類年の新しいIARCの方を採用して、技術指針に従い区分外とした。 |
7 | 生殖毒性 | 区分2 | 警告 | H361: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
in vitroの実験でヒト精子への影響が見られたとの記載(ECETOC JACC(1993))があり、動物試験において親動物の一般毒性に関する記述はないが、精子運動能への影響、雌の発情周期への影響、出産母獣数の減少、および出生児の体重減少が見られたとの記載(ECETOC JACC(1993))があることに基づき、区分2とした。 | |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1(呼吸器、中枢神経系) | 危険 | H370: 臓器の障害(呼吸器、中枢神経系) |
P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
動物(EU-RAR(2003))およびヒト(ACGIH(2001))において鼻、喉、気管への刺激性が記載されている。動物ではいずれも区分1のガイダンス値の範囲内の用量で肺および気管のうっ血、肺水腫、肺気腫、気管上皮の壊死の記載(EU-RAR(2003)、ECETOC Special Report 10(1996))がある。これらに基づき、区分1(呼吸器)とした。ヒトで頭痛、めまい、振戦、けいれん、昏もう、失神、および脳梗塞の記載(ACGIH(2001)、EU-RAR(2003))があることに基づき、区分1(中枢神経系)とした。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(肺)、区分2(血液) |
危険 警告 |
H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(肺) H373: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害のおそれ(血液) |
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
イヌにおける蒸気の吸入試験(EU-RAR(2003))で、区分1のガイダンス値範囲内の用量で肺に線維組織巣が散見され、無気肺領域と気腫領域の混在を認め、ヒトにおいても肺に刺激性を有するとの記載(ECETOC JACC(1993))があることから、区分1(肺)とした。ラット経口投与で区分2のガイダンス値範囲の用量で、白血球数、ヘマトクリット値に影響が見られ、溶血を認めた(EU-RAR(2003))ことに基づき、区分2(血液)とした。 | |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データ不足のため分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分2 | - | - | H401: 水生生物に毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
甲殻類(ミジンコ)の48時間EC50=2.4mg/L(EU-RAR、2003)から、区分2とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分外 | - | - | - | - | 水中で速やかに分解するため、区分外とした。 |
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