名称:2-クロロ-1,3-ブタジエン
CAS番号:126-99-8
物質ID: | 576 |
分類実施者: | GHS関係省庁連絡会議 |
分類実施年度: | 平成18年度 |
使用マニュアル: | GHS分類マニュアル(H18.2.10版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 区分外 | - | - | - | - | 爆発性に関わる原子団として不飽和のC=C 結合を含むが、UNRTDG クラス3、副次危険6.1に基づき区分外とした。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による液体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品ではない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による液体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による液体である。 |
6 | 引火性液体 | 区分2 | 危険 | H225: 引火性の高い液体及び蒸気 |
P303+P361+P353: 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと/取り除くこと。皮膚を流水/シャワーで洗うこと。 P370+P378: 火災の場合:消火するために...を使用すること。 P403+P235: 換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。 P210: 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。 P233: 容器を密閉しておくこと。 P240: 容器を接地すること/アースをとること。 P241: 防爆型の電気機器/換気装置/照明機器/...機器を使用すること。 P242: 火花を発生させない工具を使用すること。 P243: 静電気放電に対する予防措置を講ずること。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
引火点-20℃、初留点59〜59.4℃から区分2(GHS基準:引火点23℃未満および初留点35℃超)とした。 なお、UNRTDG クラス3 PG: I に基づくと区分1に該当する。 | |
7 | 可燃性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による液体である。 |
8 | 自己反応性化学品 | 区分外 | - | - | - | - | 自己反応性に関わる原子団として不飽和のC=C 結合が含まれるが、UNRTDG クラス3、副次危険6.1に基づき区分外とした。 |
9 | 自然発火性液体 | 区分外 | - | - | - | - | 発火点440℃(ホンメル(1991)) |
10 | 自然発火性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による液体である。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 区分外 | - | - | - | - | UNRTDG クラス3 副次危険6.1 に基づき区分外とした。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 酸素またはフッ素を含んでいない有機化合物。塩素を含むが、この塩素は炭素以外の元素と化学結合していない。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による液体である。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分3 | 危険 | H301: 飲み込むと有毒 |
P301+P310: 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P330: 口をすすぐこと。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットによる2試験のLD50値(SIDS(2003))から計算で得られたLD50=251mg/kgに基づき、区分3とした。 | |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分3 | 危険 | H311: 皮膚に接触すると有毒 |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 P322: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P361: 汚染された衣類を直ちに全て脱ぐこと。 P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットLD50=200mg/kg(SIDS(2003))に基づき、区分2とした。 | |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による液体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 区分3 | 危険 | H331: 吸入すると有毒 |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P311: 医師に連絡すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
本物質の飽和蒸気圧濃度は264356ppmであり、吸入試験は全て蒸気で行われたと考えられる。ラットに4時間暴露を行った2試験のLC50値(SIDS(2003)、IARC 19(1979))から計算で得られたLC50=8.2mg/L(2280ppm)に基づき、区分3とした。 | |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分2 | 警告 | H315: 皮膚刺激 |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P332+P313: 皮膚刺激が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P362: 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 |
ウサギにおいて軽から中等度の紅斑、浮腫が報告され、マウスへの反復投与で皮膚の肥厚が報告されており(SIDS(2003))、ヒトでも皮膚炎や脱毛がみられたとの記載(IARC 19(1979))があるが、腐食性を示す所見がないことに基づき、区分2とした。 | |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2A-2B | 警告 | H319: 強い眼刺激 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 |
ウサギで結膜炎を生じたが、罹病期間は10日間であったとの記載(SIDS(2003))がある。またラットで蒸気暴露により眼に刺激性と痛みを生じたとの記載(PATTY(5th, 2001))があるが刺激性の程度は不明である。これらのデータに基づき、区分2A-2Bとした。 | |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分1B | 危険 | H340: 遺伝性疾患のおそれ |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ヒト経世代疫学のデータが無く、in vivoのげっ歯類を用いる優性致死試験で陽性の結果がある(SIDS(2003), ACGIH(2001))ことに基づき、区分1Bとした。 | |
6 | 発がん性 | 区分1B | 危険 | H350: 発がんのおそれ |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
IARCで2B(IARC 71(1999))、産業衛生学会で2B(JETOC特別資料No.190(2004))、EUで2(EU-Annex I(2006))に分類されているが、最も新しいEUを採用して区分1Bとした。 | |
7 | 生殖毒性 | 区分1A | 危険 | H360: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれ |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットの試験において、親の生殖能力の障害、胚毒性および催奇形性を認めなかった(ACGIH(2001), PATTY(5th, 2001), IARC 19(1999))との報告もある。しかし他の多くの報告では、雄ラットでの精子形成阻害(ACGIH(2001))、雄ラットおよび雄マウスの交配不能例ならびに不稔性例の増加(ACGIH(2001))、ラットにおける胚致死等の胚毒性および水頭症、髄膜脳瘤などの奇形が記載されている(ACGIH(2001), SIDS(2003), IARC 19(1999))。ヒトで精子形成に異常をきたし、精子の形態異常を認めたこと、およびクロロプレン労働者の妻に自然流産が多いことが記載されている(IARC 19(1979))。これらの情報から、区分1Aとした。 | |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1(中枢神経系、呼吸器系、肝臓、腎臓) | 危険 | H370: 臓器の障害(中枢神経系、呼吸器系、肝臓、腎臓) |
P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラット、マウス、ウサギにおいて区分1のガイダンス値範囲の用量で、中枢神経抑制を示すとの記載(IARC 19(1979))があり、ヒトでも中枢抑制作用があるとの記載(IARC 19(1979))があることに基づき、区分1(中枢神経系)とした。ラットで区分1のガイダンス値範囲の用量で、肝機能障害を生じるとの記載(ACGIH(2001))およびヒトで肝臓、肺、腎臓に障害を来すとの記載(IARC 19(1979))に基づき、区分1(肝臓、肺、腎臓)とした。ラットで区分1のガイダンス値範囲の用量で気道を障害し(PATTY(5th, 2001))、ヒトでも粘膜刺激により呼吸困難を来すとの記載(IARC 19(1979))があることから、区分3(気道刺激性)とした。なお、中枢神経系については具体的な症状や抑制の程度の記載が無く、麻酔作用と関連した記述もないことから、区分1(中枢神経系)とした。区分1(肺)と区分3(気道刺激性)をまとめて区分1(呼吸器系)とした。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(神経系、心血管系、歯、歯周組織、免疫系、肺、肝臓、胃)、区分2(血液、嗅覚器、呼吸器) |
警告 危険 |
H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(神経系、心血管系、歯、歯周組織、免疫系、肺、肝臓、胃) H373: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害のおそれ(血液、嗅覚器、呼吸器) |
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ヒトで心血管系および神経系に病理学的変化を認めたとの記載(IARC 19(1979))、頭痛、めまい、不眠等の神経症状や心悸亢進、胸痛の訴えがあったとの記載(IARC 19(1979))に基づき、区分1(神経系、心血管系)とした。ヒトで歯の浸食、歯肉炎、歯根膜炎および免疫反応の低下の記載(IARC 19(1979))があることから、区分1(歯、歯周組織、免疫系)とした。ヒトで血中コリンエステラーゼ活性の低下が見られたとの記載(IARC 19(1979))があり、ラットおよびハムスターで、区分1のガイダンス値範囲の暴露量で肝臓に変性壊死が見られ、ラットでは肺の組織障害の記載がある(PATTY(5th, 2001))ことから、区分1(肺、肝臓)とした。ラットで区分2のガイダンス値範囲の暴露量で血液凝固異常、嗅覚上皮の変性と過形成、および前胃上皮の過形成が見られたとの記載(PATTY(5th, 2001))があり、ヒトで胃腸障害が見られたとの記載(IARC 19(1979))があることに基づき、区分1(胃)、区分2(血液、嗅覚器)とした。ラットで区分2のガイダンス値範囲の暴露量で鼻腔の炎症の記載(PATTY(5th, 2001))に基づき、区分2(呼吸器)とした。 | |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分外 | - | - | - | - | 魚類(ブルーギル)の96時間LC50=245mg/L(SIDS、2003)から、区分外とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分外 | - | - | - | - | 難水溶性でなく(水溶解度=874.9mg/L(PHYSPROP Database、2005))、急性毒性が低いことから、区分外とした。 |
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