GHS分類結果

名称:酢酸エチル
CAS番号:141-78-6

結果:
物質ID: 579
分類実施者: GHS関係省庁連絡会議
分類実施年度: 平成18年度
使用マニュアル: GHS分類マニュアル(H18.2.10版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - 爆発性に関わる原子団を含まない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - (GHS定義で)液体。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - (GHS定義で)液体。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - (GHS定義で)液体。
6 引火性液体 区分2 危険 H225: 引火性の高い液体及び蒸気 P303+P361+P353: 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと/取り除くこと。皮膚を流水/シャワーで洗うこと。
P370+P378: 火災の場合:消火するために...を使用すること。
P403+P235: 換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。
P210: 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。
P233: 容器を密閉しておくこと。
P240: 容器を接地すること/アースをとること。
P241: 防爆型の電気機器/換気装置/照明機器/...機器を使用すること。
P242: 火花を発生させない工具を使用すること。
P243: 静電気放電に対する予防措置を講ずること。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
引火点23℃以下、初留点35℃以上
7 可燃性固体 分類対象外 - - - - (GHS定義で)液体。
8 自己反応性化学品 区分外 - - - - 爆発性、自己反応性に関わる原子団を含まない。
9 自然発火性液体 区分外 - - - - 製造・取り扱い時の経験から、常温で空気と接触しても自然発火しないことが認められている。
10 自然発火性固体 分類対象外 - - - - (GHS定義で)液体。
11 自己発熱性化学品 分類できない - - - - 液体の試験方法が未確立。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外 - - - - 金属、半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - 分子内に含まれる酸素はすべて炭素と結合している。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - - (GHS定義で)液体。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - 分子内に-O-O-構造を含まない。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - 試験データなし。加水分解生成物の1つである酢酸はアルミニウムを腐食する。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分外 - - - - ラットの経口LD50値はすべて 5000 mg/kg 以上(ACGIH(2001), DFGOT(vol.12 1991), PATTY(5th.(2001))であることに基づき「区分外」とした。
1 急性毒性(経皮) 区分外 - - - - ウサギは18000 mg/kg で死亡していない(DFGOT(vol.12. 1991))ことに基づき「区分外」とした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - (GHS定義で)液体。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 区分外 - - - - 最大蒸気濃度は、350 g/m3(20 ℃)。(GESTIS(2005)) 最も高い結果LC50: 57.6 g/m3(ACGIH(1991))は飽和濃度以下であり、ミストではないと解釈される。最も低いLC50値: 14620ppm(DFGOT(vol.12. 1999))でも区分4の限界 2000ppm の 2.5 倍を超えていることに基づき「区分外」とした。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - - ミストでの試験データは得られていない。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分外 - - - - ヒト(DFGOT(vol.12, 1999)およびウサギでの試験(IUCLID(2000))で「無刺激」であることに基づき「区分外」とした。認められる影響は、長期・反復の皮膚暴露による「脱脂」のみ。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2B - 警告 H320: 眼刺激 P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
ウサギの眼に刺激がみられるが、7日以内に回復している(ECETOC(TR48(2), 1998))ことに基づき「区分2B」とした。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - 呼吸器感作について、文献は入手できなかった。
4 皮膚感作性 区分外 - - - - ヒトおよびウサギの皮膚感作実験結果から「区分外」とした。(IUCLID(2000), DFGOT(vol.12, 1991))
5 生殖細胞変異原性 区分外 - - - - In vivo 小核試験で陰性結果に基づき「区分外」とした。(DFGOT(vol.12, 1991), IUCLID(2000))
6 発がん性 分類できない - - - - データ不足のため分類できない。
7 生殖毒性 分類できない - - - - データ不足のため分類できない。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1(呼吸器系)、区分3(麻酔作用) 警告
危険
H336: 眠気又はめまいのおそれ(麻酔作用)
H370: 臓器の障害(呼吸器系)
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。
P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。
P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
400 ppm 暴露で、ヒトの上部呼吸器刺激が報告されている(ACGIH(2001)、DFGOT(vol.12, 1999))。致死濃度に近い暴露で麻酔および肺損傷が報告されている(DFGOT(vol.12, 1999)。「呼吸器系・区分1」および「麻酔作用・区分3」を採用した。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない - - - - ヒトの作業暴露での症例は混合暴露であり、これだけでは判定できない。動物吸入実験暴露濃度は、区分2のガイダンス値上限(250ppm又は1mg/L)を上回る。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - 25℃の動粘性率からみて、40℃で判定基準2bに該当するが、化学性肺炎の実験データはない。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分外 - - - - 甲殻類(ミジンコ)の48時間EC50=164mg/L(IUCLID、2000)から、区分外とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分外 - - - - 難水溶性でなく(水溶解度=80000mg/L(PHYSPROP Database、2005))、急性毒性が低いことから、区分外とした。


分類結果の利用に関する注意事項:
 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。
 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

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厚生労働省モデルSDS

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