GHS分類結果

名称:三塩化りん
CAS番号:7719-12-2

結果:
物質ID: 580
分類実施者: GHS関係省庁連絡会議
分類実施年度: 平成18年度
使用マニュアル: GHS分類マニュアル(H18.2.10版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - 分子内に爆発性に関連する原子団を含んでいない物質。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - GHS定義による液体。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品ではない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - GHS定義による液体。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - GHS定義による液体。
6 引火性液体 区分外 - - - - 不燃性(ホンメル(1991))の記載による。
7 可燃性固体 分類対象外 - - - - GHS定義による液体。
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - - 分子内に爆発性に関連する原子団、あるいは自己反応性に関連する原子団を含んでいない物質。
9 自然発火性液体 区分外 - - - - 不燃性(ホンメル(1991))の記載による。
10 自然発火性固体 分類対象外 - - - - GHS定義による液体。
11 自己発熱性化学品 区分外 - - - - 不燃性(ホンメル(1991))の記載による。
12 水反応可燃性化学品 区分1 危険 H260: 水に触れると自然発火するおそれのある可燃性又は引火性ガスを発生 P231+P232: 湿気を遮断し、不活性ガス下で取り扱うこと。
P335+P334: 固着していない粒子を皮膚から払いのけ、冷たい水に浸すこと/湿った包帯で覆うこと。
P370+P378: 火災の場合:消火するために...を使用すること。
P402+P404: 乾燥した場所又は密閉容器に保管すること。
P223: 激しい反応と火災の発生の危険があるため、水と接触させないこと。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
水と激しく反応し、発熱とともに可燃性のPhosphineを生成し、発火爆発の可能性がある(NFPA(13th, 2002))、発火性のあるジホスファンの発生を伴う(Bretherick(J)(5th, 1998))の記載による。
13 酸化性液体 分類できない - - - - 塩素を含む化合物であるが、酸化性のデータがなく分類できない。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - - GHS定義による液体。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - 無機化合物。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - データがなく分類できない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分2 危険 H300: 飲み込むと生命に危険 P301+P310: 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P330: 口をすすぐこと。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
経口、ラット:18mg/kg(RTECS(2004))により区分2とした。報告は2件あるが、いずれもPriority 2であるため、毒性の強い方を採用した。
1 急性毒性(経皮) 分類できない - - - - データがなく分類できない。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHS定義による液体。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 区分2 危険 H330: 吸入すると生命に危険 P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。
P284: 呼吸用保護具を着用すること。
P310: 直ちに医師に連絡すること。
P320: 特別な処置が緊急に必要である(このラベルの...を見よ)。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラット、LC50:104ppm/4h(ACGIH(2001))より区分2とした。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - - データがなく分類できない。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分1A 危険 H314: 重篤な皮膚の薬傷及び眼の損傷 P301+P330+P331: 飲み込んだ場合:口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。
P303+P361+P353: 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと/取り除くこと。皮膚を流水/シャワーで洗うこと。
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P310: 直ちに医師に連絡すること。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ウサギの試験で暴露時間60秒で強い腐食性(IUCLID(2000))、ヒトで強い刺激性(ACGIH(2001))、強い刺激性または腐食性(HSDB(2005))の記載あり、国連分類でも副次危険クラス8に分類されていることより区分1Aとした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分1 危険 H318: 重篤な眼の損傷 P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P310: 直ちに医師に連絡すること。
ヒトの目に対し腐食性(ICSC(J)(1997))の記載があり、皮膚腐食性/刺激性が区分1Aに分類されているため区分1とした。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - いずれもデータがなく分類できない。
4 皮膚感作性 分類できない - - - - いずれもデータがなく分類できない。
5 生殖細胞変異原性 区分外 - - - - マウス骨髄細胞を用いた染色体異常試験、小核試験でいずれも陰性、ヒトの末梢血リンパ球による染色体異常試験、小核試験のいずれも陰性(IUCLID(2000))の記載より区分外とした。In vitroエームズ試験でも陰性(IUCLID(2000))であった。
6 発がん性 分類できない - - - - データがなく、IARC等の評価機関の報告もないので分類できない。
7 生殖毒性 分類できない - - - - マウスとラットの精子に異常はなく、ラットの胎児の骨の変化はなかった(IUCLID(2000))の記載はあるが、データ不足のため分類できない。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1(呼吸器系) 危険 H370: 臓器の障害(呼吸器系) P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ヒトの吸入暴露で喉及び咽頭粘膜の刺激、気管支炎、呼吸困難、吐き気、肺活量の減少(ACGIH(2001))、肺水腫(ICSC(J)(1997))、眼や喉の灼熱感、胸の圧迫感、羞明、胸の痛み、喘鳴、かゆみ、眼のかすみ、肺機能の異常(IUCLID(2000))が報告されているため、区分1(呼吸器系)に分類した。皮膚、眼の刺激に関しては皮膚腐食性/刺激性、及び眼刺激性の項で扱っている。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1(呼吸器系)、区分2(骨組織) 危険
警告
H373: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害のおそれ(骨組織)
H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(呼吸器系)
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ヒトの反復吸入暴露で気管支炎、肺気腫、肺機能の低下等呼吸器系に障害を生じる(ACGIH(2001))の記載により区分1(呼吸器系)に、また”Phossy jaw(リン性壊死)”と呼ばれる顎骨の骨髄炎(HSDB(2005))が報告されているが、Priority2であるため区分2(骨組織)に分類した。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - データがなく分類できない。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 分類できない - - - - データ不足のため分類できない。
11 水生環境有害性(長期間) 分類できない - - - - データ不足のため分類できない。


分類結果の利用に関する注意事項:
 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。
 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

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