名称:ジメチルエチルメルカプトエチルチオホスフェイト【メチルジメトン】
CAS番号:8022-00-2
物質ID: | 590 |
分類実施者: | GHS関係省庁連絡会議 |
分類実施年度: | 平成18年度 |
使用マニュアル: | GHS分類マニュアル(H18.2.10版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性に関連する原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による液体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品ではない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による液体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による液体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類できない | - | - | - | - | 可燃性である(ICSC(2001))が、データがないために分類できない。 |
7 | 可燃性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による液体である。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 分子内に自己反応性に関連する原子団としてP-O結合を有するが、データがないために分類できない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による液体である。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 区分外 | - | - | - | - | 水溶解度の測定が行われていることから(ICSC(2001)等)水中では安定であると判断される。 |
13 | 酸化性液体 | 分類できない | - | - | - | - | リンと結合した酸素を含むが、データがないために分類できない。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による液体である。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | O-体:区分2、S-体:区分2 | 危険 | H300: 飲み込むと生命に危険 |
P301+P310: 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P330: 口をすすぐこと。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
O-体:ラットLD50値の8データ(ACGIH(2001)、JMPR 264(1973)、JMPR 790(1989))から計算で得られたLD50=30mg/kgに基づき、区分2とした。 S-体:ラットLD50値の6データ(ACGIH(2001)、PATTY(5th, 2001)、JMPR 264(1973))から計算で得られたLD50=47g/kgに基づき、区分2とした。 | |
1 | 急性毒性(経皮) | O-体:区分2、S-体:区分1 | 危険 | H310: 皮膚に接触すると生命に危険 |
P302+P350: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で優しく洗うこと。 P262: 眼、皮膚、衣類につけないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P310: 直ちに医師に連絡すること。 P322: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P361: 汚染された衣類を直ちに全て脱ぐこと。 P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
O-体:ラットLD50値の4データ(JMPR 264(1973)、JMPR 790(1989))から計算で得られたLD50=100mg/kgに基づき、区分2とした。 S-体:ラットLD50値の4データ(PATTY(5th, 2001)、JMPR 264(1973))から計算で得られたLD50=45g/kgに基づき、区分1とした。 | |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による液体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | O-体:区分2、S-体:区分2 | 危険 | H330: 吸入すると生命に危険 |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P284: 呼吸用保護具を着用すること。 P310: 直ちに医師に連絡すること。 P320: 特別な処置が緊急に必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
本物質の飽和蒸気圧濃度は0.396ppm(0.00373mg/L)であり、吸入試験はミストで行われたと考えられる。 O-体:ラットLC50値の3データ(JMPR 790(1989))から計算で得られたLC50=0.427mg/Lに基づき、区分2とした。 S-体:ラットLC50値の4データ(PATTY(5th, 2001))から計算で得られたLC50=0.21mg/Lに基づき、区分2とした。 | |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | O-体:区分3、S-体:区分3 | - | 警告 | H316: 軽度の皮膚刺激 | P332+P313: 皮膚刺激が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。 | O-体:ウサギで紅斑が見られたが72時間後に回復し、軽度の皮膚刺激性であるとの記載(JMPR 790(1989))に基づき、区分3とした。 S-体:ウサギで軽度の紅斑と浮腫を生じたが3日後に消失したとの記載(PATTY(5th, 2001)vol. 7)、およびヒトに軽度の刺激性があるとの記載(HSDB(2005))に基づき、区分3とした。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | O-体:区分2A-2B、S-体:区分2B | 警告 | H319: 強い眼刺激 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 |
O-体:ウサギにおいて、角膜混濁、結膜発赤、眼漏が見られたが全て21日後に回復し、原発性の眼に対する刺激剤であると考えられるとの記載(JMPR 790(1989))に基づき、区分2A-2Bとした。 S-体:ウサギで流涙と縮瞳が見られ、軽度の角膜混濁と不連続な発赤、結膜の浮腫が見られたが、7日後に消失したとの記載(PATTY(5th, 2001)vol. 7、JMPR 264(1973))、およびヒトにおいて軽度の刺激性を有するとの記載(HSDB(2005))に基づき、区分2Bとした。 | |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 区分1(O-体、S-体) | 警告 | H317: アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ(O-体、S-体) |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P333+P313: 皮膚刺激又は発疹が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P272: 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
O-体:モルモットにおいて、マキシマイゼーションテスト、Klecakテストおよびパッチテストで皮膚感受性ありとの記載(JMPR 790(1989))に基づき、区分1とした。 S-体:モルモットにおいて、マキシマイゼーションテストでは皮膚感作性を示したが、皮膚パッチテストでは感作性を示さなかったとの記載(PATTY(5th, 2001)vol. 7、JMPR 790(1989))に基づき、区分1とした。 | |
5 | 生殖細胞変異原性 | O-体:区分外、S-体:区分2 | 警告 | H341: 遺伝性疾患のおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
O-体:ヒト経世代疫学、経世代変異原性試験、生殖細胞および体細胞in vivo変異原性試験でいずれも陽性の結果が無く、in vivoのマウスを用いた優性致死試験で陰性との記載(PATTY(5th, 2001)vol. 7、JMPR 697(1984))に基づき、区分外とした。 S-体:ヒト経世代疫学、経世代変異原性試験、生殖細胞in vivo変異原性試験でいずれも陽性の結果が無く、シリアンハムスター骨髄細胞を用いたin vivoの染色体異常試験で陽性との記載(PATTY(5th, 2001)vol. 7)に基づき、区分2とした。 | |
6 | 発がん性 | O-体:分類できない、S-体:分類できない | - | - | - | - | O-体:情報不足のため分類できない。 S-体:情報不足のため分類できない。 |
7 | 生殖毒性 | O-体:区分2、S-体:区分2 | 警告 | H361: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
O-体:親に対する一般毒性に関する記載のない用量で、ラットにおいて妊娠回数、一腹当たりの幼動物数が有意に減少し、次ー世代で卵形成が3/10の雌で減少し、親の精巣上体上皮の空胞化が用量依存性に見られたとの記載(JMPR 790(1988))、および親に体重増加抑制がある用量で受胎率、児の生存率低下が見られたとの記載(JMPR 264(1973))に基づき、区分2とした。 S-体:親に対する一般毒性に関する記載のない用量で、ラットにおいて児の生存率、哺育率、体重増加が抑制され、ウサギにおいて胎児の平均体重が減少したとの記載(PATTY(5th, 2001)vol. 7、JMPR 697(1984))に基づき、区分2とした。 | |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 混合物:区分1(神経系)、O-体:区分1(神経系)、S-体:区分1(神経系) | 危険 | H370: 臓器の障害(神経系) |
P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
混合物:ヒトにおいて、痙攣、めまい、息苦しさ、吐き気、縮瞳、筋痙直、唾液分泌過多、発汗、意識喪失、胃痙攣、下痢、嘔吐などが見られ、コリンエステラーゼ活性が抑制されるとの記載(ACGIH(2001)、PATTY(5th, 2001)vol. 7、ICSC(J)(2001)、HSDB(2005))に基づき、区分1(神経系)とした。 O-体:ヒトにおいて、縮瞳、筋痙直、唾液分泌過多、発汗、吐き気、めまい、息苦しさ、脱力感、胃痙攣、嘔吐、下痢、痙攣、意識喪失、情動不安、咳そう、筋攣縮などが見られ、血清コリンエステラーゼ活性が低下するとの記載(ACGIH(2001)、PATTY(5th, 2001)vol. 7、ICSC(J)(2001)、HSDB(2005))に基づき、区分1(神経系)とした。 S-体:ヒトにおいて、縮瞳、筋痙直、唾液分泌過多、発汗、吐き気、嘔吐、胃痙攣、下痢、めまい、息苦しさ、脱力感、意識喪失、消化管障害、疲労感、頭痛、発汗、流涙、振せん、運動失調、しゃっくり、筋線維性れん縮等が見られ、血清コリンエステラーゼ活性が低下するとの記載(PATTY(5th, 2001)vol. 7、ICSC(J)(2001))に基づき、区分1(神経系)とした。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | O-体:区分1(神経系)、S-体:区分1(神経系) | 危険 | H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(神経系) |
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
O-体:ラットにおいて区分1のガイダンス値範囲内の用量で、コリン作用性の中毒症状が見られ、脳、血しょうおよび血清中コリンエステラーゼ活性の阻害が記載され(JMPR 264(1973)、JMPR 790(1989))、ヒトにおいてコリンエステラーゼの阻害が記載されている(JMPR 264(1973))ことに基づき、区分1(神経系)とした。 S-体:ラットおよびイヌにおいて区分1のガイダンス値範囲内の用量で、コリン作用性の中毒症状(わずかの振せん、線維束れん縮)が見られ、脳、血しょうおよび血清中コリンエステラーゼ活性の阻害が記載されている(PATTY(5th, 2001)vol. 7、JMPR 264(1973)、JMPR 790(1989))ことに基づき、区分1(神経系)とした。 | |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | O-体:分類できない、S-体:分類できない | - | - | - | - | O-体:データなし。S-体:データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分1 | 警告 | H400: 水生生物に非常に強い毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
甲殻類(ヨコエビ科)の96時間LC50=190μg/L(AQUIRE、2003)から、区分1とした。 | |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分1 | 警告 | H410: 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
急性毒性が区分1、生物蓄積性が低いと推定されるものの(log Kow=1.11(PHYSPROP Database、2005))、急速分解性がないと推定される(BIOWIN)ことから、区分1とした。 |
政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。 |
使用マニュアル |
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