GHS分類結果

名称:ステアリン酸鉛
CAS番号:1072-35-1

結果:
物質ID: 600
分類実施者: GHS関係省庁連絡会議
分類実施年度: 平成18年度
使用マニュアル: GHS分類マニュアル(H18.2.10版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - 分子内に爆発性に関連する原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - GHSの定義による固体である。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品ではない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義による固体である。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義による固体である。
6 引火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義による固体である。
7 可燃性固体 区分外 - - - - 不燃性(Weiss(2nd, 1985))
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - - 分子内に爆発性に関連する原子団、あるいは自己反応性に関連する原子団を含んでいない。
9 自然発火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義による固体である。
10 自然発火性固体 区分外 - - - - 不燃性(Weiss(2nd, 1985))
11 自己発熱性化学品 区分外 - - - - 不燃性(Weiss(2nd, 1985))
12 水反応可燃性化学品 区分外 - - - - 水溶解度が測定されていることから水中で安定である。(Merck(13th, 2001)、SRC(2006))
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義による固体である。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - - フッ素または塩素を含んでいない有機化合物。酸素を含むが、この酸素は炭素以外の元素と化学結合していない。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - 分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 分類できない - - - - ラットLD50 >2000mg/kgとLD50 >15000mg/kg の2データ(IUCLID(2000))があるが、これらのデータだけでは分類できない。
1 急性毒性(経皮) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHSの定義による固体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - - データなし。
2 皮膚腐食性/刺激性 分類できない - - - - データなし。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 分類できない - - - - データなし。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データなし。
4 皮膚感作性 分類できない - - - - データなし。
5 生殖細胞変異原性 分類できない - - - - データなし。
6 発がん性 区分1B 危険 H350: 発がんのおそれ P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。
P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。
P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
P281: 指定された個人用保護具を使用すること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
NTPでR(NTP(2005))、IARCでGroup 2A(IARC 87(2004))、ACGIHでA3(ACGIH-TLV(2004))、日本産業衛生学会で2B(JETOC特別資料No.190(2004))に分類されていることから、区分1Bとした。
7 生殖毒性 区分1A 危険 H360: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれ P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。
P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。
P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
P281: 指定された個人用保護具を使用すること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ステアリン酸鉛としては、生殖毒性に関するデータが無い。しかし、鉛はヒトで発生神経毒性物質、生殖毒性物質として知られている(ACGIH-TLV(2004)、ATSDR(draft 2005))ことに基づき、区分1Aとした。 健康有害性については【ID168、鉛、CAS NO: 439-92-1】、【ID48、酸化鉛(II)、CAS NO: 1317-36-8】、【酢酸鉛(II)、CAS NO: 301-04-2】を参照のこと。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1(血液系、腎臓、神経系) 危険 H370: 臓器の障害(血液系、腎臓、神経系) P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ステアリン酸鉛に関する単回暴露情報はない。しかし、無機鉛化合物の毒性として、ヒトに対してδ‐アミノレブリン酸およびヘム合成酵素の阻害に起因したヘモグロビン合成阻害、赤血球寿命の短縮による貧血、間質性障害、尿量減少のほか、蛋白尿、血尿、尿円柱、糖尿およびアミノ酸尿などに代表されるFanconi症候群を呈する近位尿細管障害が見られ、末梢神経系に作用して特に四肢の筋の虚弱、疼痛、痙攣が認められ、高濃度暴露では運動失調、頭痛、知覚異常、抑うつ、昏睡などの中枢神経系への影響が認められている。これらの影響は急性影響でも慢性影響でも同様にみられる(ACGIH-TLV(2004))ことに基づき、区分1(血液系、腎臓、神経系)とした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1(血液系、腎臓、神経系) 危険 H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(血液系、腎臓、神経系) P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ステアリン酸鉛に関する反復暴露情報はない。しかし、無機鉛化合物の毒性として、ヒトに対してδ‐アミノレブリン酸およびヘム合成酵素の阻害に起因したヘモグロビン合成阻害、赤血球寿命の短縮による貧血、間質性障害、尿量減少のほか、蛋白尿、血尿、尿円柱、糖尿およびアミノ酸尿などに代表されるFanconi症候群を呈する近位尿細管障害が見られ、末梢神経系に作用して特に四肢の筋の虚弱、疼痛、痙攣が認められ、高濃度暴露では運動失調、頭痛、知覚異常、抑うつ、昏睡などの中枢神経系への影響が認められている。これらの影響は急性影響でも慢性影響でも同様にみられる(ACGIH-TLV(2004))ことに基づき、区分1(血液系、腎臓、神経系)とした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - データなし。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 分類できない - - - - データがなく分類できない。
11 水生環境有害性(長期間) 分類できない - - - - データがなく分類できない。


分類結果の利用に関する注意事項:
 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。
 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

厚生労働省モデルSDS

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