名称:1,2,3,4,10,10-ヘキサクロロ-6,7-エポキシ-1,4,4a,5,6,7,8,8a-オクタヒドロ-エキソ-1,4-エンド-5,8-ジメタノナフタレン【ディルドリン】
CAS番号:60-57-1
物質ID: | 610 |
分類実施者: | GHS関係省庁連絡会議 |
分類実施年度: | 平成18年度 |
使用マニュアル: | GHS分類マニュアル(H18.2.10版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性に関連する原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品ではない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 区分外 | - | - | - | - | 不燃性である。(ICSC(J)(1998)ほか) |
8 | 自己反応性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 区分外 | - | - | - | - | 不燃性である。(ICSC(J)(1998)ほか) |
11 | 自己発熱性化学品 | 区分外 | - | - | - | - | 不燃性である。(ICSC(J)(1998)ほか) |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に金属または半金属を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に酸素および塩素を含むが、これらは何れも炭素、水素以外の元素と化学結合していない。またフッ素を含んでいない。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に-O-O-構造を含んでいない。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | 多少金属を侵すとの情報があるが(HSDB(Access on Dec. 2005))、固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 急性毒性(経口) | 区分1 | 危険 | H300: 飲み込むと生命に危険 |
P301+P310: 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P330: 口をすすぐこと。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ヒトにおけるLD50が5mg/kgであるとの記述(PATTY 4th. 1994, Priority 1)に基づき、区分1とした。 | |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分1 | 危険 | H310: 皮膚に接触すると生命に危険 |
P302+P350: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で優しく洗うこと。 P262: 眼、皮膚、衣類につけないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P310: 直ちに医師に連絡すること。 P322: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P361: 汚染された衣類を直ちに全て脱ぐこと。 P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットにおけるLD50(60, 50および120 mg/kg,(PD 17(1975), EHC 91(1989), ACGIH(7th, 2001), PIM 575(1975))より計算式を用いて得られた値(50mg/kg)に基づき、区分1とした。 | |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSに定義による固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 区分1 | 危険 | H330: 吸入すると生命に危険 |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P284: 呼吸用保護具を着用すること。 P310: 直ちに医師に連絡すること。 P320: 特別な処置が緊急に必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットにおけるLC50値 0.013mg/L(RTECS, 2005)に基づき区分1とした。 | |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 分類できない | - | - | - | - | データ不足のため分類できない。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分外 | - | - | - | - | マウスを用いる優性致死試験、チャイニーズハムスター骨髄細胞を用いる染色体異常試験、マウスを用いる相互転座試験、マウスおよびラット骨髄細胞を用いる染色体異常試験、マウスを用いる小核試験(JMPR 1977, EHC 91 1989)のいずれも陰性であるとの記述に基づき、区分外とした。 |
6 | 発がん性 | 区分外 | - | - | - | - | IARC(1987)ではグループ3、ACGIH(1995年提案、7th, 2001)ではA4、EPA(1986年評価、(IRIS, 2005))ではB2、EU(提案年不明、EU ANNEX I, 2005)ではカテゴリー3に分類されていることから、IARCの評価を尊重し、最近の評価であるACGIH(1995)に基づき、区分外とした。 |
7 | 生殖毒性 | 区分1B | 危険 | H360: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれ |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットには、母獣に毒性が現れない投与量で仔の脳に病変が見られ(JMPR 1979, EHC 91, 1989)、マウスには、被験物質を投与された母獣から生まれた仔に不可逆的かつ先天的な生存性の欠如がもたらされることが示され、さらに、この生存性の欠如ならびに母獣の哺育能の低下により仔の死亡率が増加したことが示唆された(EHC 91, 1989)、との記述により、区分1Bとした。 | |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1(中枢神経系) | 危険 | H370: 臓器の障害(中枢神経系) |
P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ヒトにおいて5 mg/kgをLD50として痙攣等の中枢神経症状が認められており(PATTY, 4th. 1994)、マウスでは、痙攣誘発剤の作用を増強するなどの中枢神経系への影響があること(JMPR 1967)から、区分1(中枢神経系)とした。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(中枢神経系、肝臓) | 危険 | H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(中枢神経系、肝臓) |
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
Dieldrin製造に従事していたヒトが中毒を起こし中枢神経系の症状を示したこと(JMPR 1970, 1977, EHC 91, 1989, ACGIH 4th. 1994)、また、イヌとラットで中枢神経系の症状(JMPR 1970, EHC 91, 1989, 環境省リスク評価 第1巻, 2002)、ラットで塩素化炭化水素系殺虫剤による蚕蝕性肝が、ともに区分1のガイダンス値範囲内の用量で認められていることから、区分1(中枢神経系、肝臓)とした。 | |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分1 | 警告 | H400: 水生生物に非常に強い毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
甲殻類(ブラウンシュリンプ)の96時間LC50=0.4μg/L(EHC91、1989)から、区分1とした。 | |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分1 | 警告 | H410: 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
急性毒性が区分1、急速分解性がなく(BODによる分解度:0%(既存化学物質安全性点検データ))、生物蓄積性がある(BCF=14500(既存化学物質安全性点検データ))ことから、区分1とした。 |
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