GHS分類結果

名称:沃化メチル
CAS番号:74-88-4

結果:
物質ID: 622
分類実施者: GHS関係省庁連絡会議
分類実施年度: 平成18年度
使用マニュアル: GHS分類マニュアル(H18.2.10版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - 爆発性に関連する原子団を含まない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品ではない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
6 引火性液体 区分外 - - - - 引火点がない(Lange(14th, 1992)p.1.232)か、または不燃性である。(ICSC(J)(2004)、ホンメル(1991)Card No.942)
7 可燃性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - - 分子内に爆発性ならびに自己反応性に関連する原子団を含んでいない。
9 自然発火性液体 区分外 - - - - 不燃性である。(ICSC(J)(2004)、ホンメル(1991)Card No.942)
10 自然発火性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
11 自己発熱性化学品 区分外 - - - - 不燃性である。(ICSC(J)(2004)、ホンメル(1991)Card No.942)
12 水反応可燃性化学品 分類対象外 - - - - 金属または半金属を含まない。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - 酸素、フッ素または塩素を含まない。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - -O-O-構造を有していない。
16 金属腐食性物質 区分外 - - - - 国連番号2644 クラス6.1に分類されている。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分3 危険 H301: 飲み込むと有毒 P301+P310: 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P330: 口をすすぐこと。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラット(雄)LD50値:79.84mg/kg(農薬抄録)に基づき、区分3とした。
1 急性毒性(経皮) 区分外 - - - - ウサギLD50値:>2000mg/kgであり、2000mg/kg以下で死亡例がない(農薬抄録)ことから、区分外とした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHSの定義による液体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 区分3 危険 H331: 吸入すると有毒 P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。
P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。
P311: 医師に連絡すること。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラットLC50(4時間)値:691ppm(換算値4mg/L)であり(農薬抄録)、691ppmは蒸気圧からミストをほとんど含まない蒸気と判断し、ppm濃度基準値から、区分3とした。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - - データなし。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分2 警告 H315: 皮膚刺激 P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。
P332+P313: 皮膚刺激が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P362: 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。
ウサギを用いた皮膚刺激性試験において4時間暴露で中等度の刺激性が認められた(農薬抄録)ことから、区分2とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分1 危険 H318: 重篤な眼の損傷 P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P310: 直ちに医師に連絡すること。
ウサギを用いた眼刺激性試験成績において非常に強い刺激性を示し、21日間の観察期間中に完全には回復しなかった(農薬抄録)ことから、区分1とした。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データなし。
4 皮膚感作性 区分外 - - - - モルモットを用いたMaximization testにおいて陽性率が30%未満であった(農薬抄録)ことから、区分外とした。
5 生殖細胞変異原性 区分外 - - - - 体細胞を用いるin vivo変異原性試験であるマウス赤血球を用いた小核試験において陰性の結果がある(農薬抄録)ことから、区分外とした。
6 発がん性 区分外 - - - - IARCでグループ3(IARC 71, 1999)に分類されていることから、区分外とした。
7 生殖毒性 区分外 - - - - ラットを用いた吸入暴露繁殖性試験、ならびにラット及びウサギを用いた妊娠中吸入暴露試験において、親動物に一般毒性が認められる用量でも明確な生殖毒性が認められなかった(農薬抄録)ことから、区分外とした。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分3(麻酔作用、気道刺激性) 警告 H335: 呼吸器への刺激のおそれ(麻酔作用、気道刺激性)
H336: 眠気又はめまいのおそれ(麻酔作用、気道刺激性)
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。
P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。
P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラットを用いた吸入暴露による急性神経毒性試験において浅呼吸、眼瞼下垂、流涎、ガスピング、円背位、歩行障害、空中立ち直り反射の軽微な協調不能、驚愕反応に対する無反応、ロッタロード運動協調性の低下、移動及び自発運動の減少などの軽度で一過性の神経系への影響および気道刺激性を示唆する症状が認められた(農薬抄録)ことから、区分3(気道刺激性、麻酔作用)とした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分2(甲状腺、呼吸器) 警告 H373: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害のおそれ(甲状腺、呼吸器) P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
マウスを用いた経口投与試験において甲状腺濾胞内コロイドの貯留増加とそれに伴う濾胞上皮細胞の菲薄化が、イヌを用いた経口投与試験において甲状腺におけるコロイドの枯渇、濾胞細胞の肥大が、ラットを用いた吸入暴露試験において甲状腺濾胞細胞の濾胞細胞過形成及び濾胞細胞の細胞質空胞化、鼻部嗅上皮変性性変化が、それぞれ区分2のガイダンス値範囲の投与量で認められた(農薬抄録)ことから、区分2(甲状腺、呼吸器)とした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - データなし。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 分類できない - - - - データがなく分類できない。
11 水生環境有害性(長期間) 分類できない - - - - データがなく分類できない。


分類結果の利用に関する注意事項:
 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。
 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

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厚生労働省モデルSDS

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