GHS分類結果

名称:りん化水素
CAS番号:7803-51-2

結果:
物質ID: 628
分類実施者: GHS関係省庁連絡会議
分類実施年度: 平成18年度
使用マニュアル: GHS分類マニュアル(H18.2.10版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 区分1 危険 H220: 極めて可燃性又は引火性の高いガス P210: 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。
P377: 漏洩ガス火災の場合:漏洩が安全に停止されない限り消火しないこと。
P381: 安全に対処できるならば着火源を除去すること。
P403: 換気の良い場所で保管すること。
空気との混合物が13%以下で引火性がある。 UNRTDGにおいて、副次危険2.1に分類されている。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品ではない。
4 支燃性/酸化性ガス 区分外 - - - - UNRTDG クラス2.3 副次危険2.1に分類されている。
5 高圧ガス 圧縮ガスまたは液化ガス 警告 H280: 高圧ガス:熱すると爆発のおそれ P410+P403: 日光から遮断し、換気の良い場所で保管すること。 圧縮ガス ; -50℃で完全にガス状 液化ガス ; -50℃を超える温度で部分的に液体である。(臨界温度が-50℃超)
6 引火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
7 可燃性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
9 自然発火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
10 自然発火性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
11 自己発熱性化学品 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
16 金属腐食性物質 区分外 - - - - UNRTDG クラス2.3 副次危険2.1に分類されている。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
1 急性毒性(経皮) 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分1 危険 H330: 吸入すると生命に危険 P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。
P284: 呼吸用保護具を着用すること。
P310: 直ちに医師に連絡すること。
P320: 特別な処置が緊急に必要である(このラベルの...を見よ)。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラットLC50(4時間)値:11ppm(EHC 73, 1988、ACGIH 7th, 2001、産衛学会勧告, 1998)に基づき、区分1とした。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
2 皮膚腐食性/刺激性 分類できない - - - - データなし。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 分類できない - - - - データなし。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データなし。
4 皮膚感作性 分類できない - - - - データなし。
5 生殖細胞変異原性 区分外 - - - - 生殖細胞を用いるin vivo経世代変異原性試験であるマウスを用いた優性致死試験で陰性の結果(IRIS, 2006、産衛学会勧告, 1998)、体細胞を用いるin vivo変異原性試験であるラットまたはマウス骨髄細胞および末梢血を用いた小核試験で陰性の結果(NTP DB, 2006、産衛学会勧告, 1998)があることから、区分外とした。
6 発がん性 区分外 - - - - EPAで1996年にDに分類されている(IRIS, 2006)ことから、区分外とした。
7 生殖毒性 区分外 - - - - IRIS(2006)のラットを用いた妊娠中吸入暴露試験において母動物に死亡が認められずに反復投与が可能な最高用量と考えられる5ppm(LD50値の約1/2)でも明確な生殖毒性は認められなかったとの記述から、区分外とした。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1(神経系、呼吸器系、肝臓、消化管、心血管系) 危険 H370: 臓器の障害(神経系、呼吸器系、肝臓、消化管、心血管系) P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ACGIH(7th, 2001)および産衛学会勧告(1998)のラットまたはマウスを用いた吸入暴露試験において強い気道刺激性および腹臥位や振戦などの神経系への影響が区分1のガイダンス値範囲の濃度で認められたとの記述、EHC 73(1988)およびIRIS(2006)のヒトでは急性暴露により神経系、消化管および呼吸器に影響が認められるとの記述、ならびにEHC 73(1988)、ACGIH(7th, 2001)、PATTY(4th, 1994)、IRIS(2006)、産衛学会勧告(1998)の死亡例を含むヒト暴露例において肺浮腫、黄疸や肝腫大、知覚異常や振戦、局所性心筋壊死、悪心・嘔吐や下痢が認められたとの記述から、区分1(神経系、呼吸器系、肝臓、消化管、心血管系)とした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分外 - - - - EHC 73(1988)、IRIS(2006)および産衛学会勧告(1998)のラット、マウスまたはモルモットを用いた吸入暴露試験において死亡が認められずに反復投与が可能な最高用量で重大な毒性作用は認められなかったとの記述、ならびにACGIH(7th, 2001)および産衛学会勧告(1998)の職業暴露例では暴露毎に症状が認められるが慢性影響はないとの記述から、区分外とした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 分類できない - - - - データがなく分類できない。
11 水生環境有害性(長期間) 分類できない - - - - データがなく分類できない。


分類結果の利用に関する注意事項:
 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。
 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

厚生労働省モデルSDS

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