名称:3-(アルファ-アセトニルベンジル)-4-ヒドロキシクマリン【ワルファリン】
CAS番号:81-81-2
物質ID: | 643 |
分類実施者: | GHS関係省庁連絡会議 |
分類実施年度: | 平成18年度 |
使用マニュアル: | GHS分類マニュアル(H18.2.10版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類できない | - | - | - | - | 不飽和のC=C 結合が含まれるが、データがないために分類できない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品ではない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 自己反応性に関わる原子団としてC=C 不飽和結合を有するが、データがないために分類できない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | フッ素または塩素を含んでいない有機化合物。酸素を含むが、この酸素は炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分2 | 危険 | H300: 飲み込むと生命に危険 |
P301+P310: 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P330: 口をすすぐこと。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットの9データ(EHC 175(1995), ACGIH(2001), PIMs(1997))から計算処理によって得られたLD50=25.7 mg/kgに基づき、区分2とした。なお、本物質は影響を受ける因子が多くLD50値にも非常に大きな幅がある。 | |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分4 | 警告 | H312: 皮膚に接触すると有害 |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 P322: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットにおけるLD50=1400 mg/kg(ACGIH(2001))に基づいて区分4とした。 | |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 区分1 | 危険 | H330: 吸入すると生命に危険 |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P284: 呼吸用保護具を着用すること。 P310: 直ちに医師に連絡すること。 P320: 特別な処置が緊急に必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
本物質の飽和蒸気圧濃度は89.8 ppmであるから、吸入試験は蒸気で行われたと考えられる。ラット吸入試験で得られたLC50=25.38 ppm(ACGIH(2001))に基づいて区分1とした。 | |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 分類できない | - | - | - | - | 重度の皮膚炎を生じる、皮膚に壊死を生じる、等の記載があるが(ACGIH(2001), HSDB(2005))、皮膚に接触した結果であるかどうか不明であり、データ不足のため分類できない。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない | - | - | - | - | ワルファリンによる皮膚過敏症の記載(HSDB(2005))があるが、皮膚への接触によるものか否かが不明であり、データ不足のため分類できない。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
6 | 発がん性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
7 | 生殖毒性 | 区分1A | 危険 | H360: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれ |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ヒトにおいて児の発育・発生に障害を及ぼすとの多くの記載(EHC 175(1995), ACGIH(2001), PIMs(1997), HSDB(2005))があることに基づき、区分1Aとした。なお、EUによるRepr. Cat. 1; R61の分類がある。 | |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1(血液系) | 危険 | H370: 臓器の障害(血液系) |
P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ヒトにおける試験あるいは事例報告では、1回の投与または摂取で直ちに症状が現れることは殆ど無いが、血中プロトロンビン濃度の低下やプロトロンビン時間の延長が見られたとの記載があり(EHC 175(1995), PDs(2006), PIMs(1997), HSDB(2005))、血液凝固に対する影響は明らかである。また、1回投与または数日投与後の急性影響はプロトロンビン阻害による出血や出血傾向の増大であるとの記載や、多くの出血症状の記載(EHC 175(1995), PIMs(1997), HSDB(2005))があり、標的は血液系であるとの記載(PIMs(1997))もある。以上の情報に基づき区分1(血液系)とした。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(血液系、骨、皮膚)、区分2(肝臓、腎臓) |
警告 危険 |
H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(血液系、骨、皮膚) H373: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害のおそれ(肝臓、腎臓) |
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ヒトへのワルファリン反復暴露では、プロトロンビンの減少に基づく凝固異常が原因となって種ーの器官に出血を生じ、さらにそれに伴う多くの症状が見られる。出血部位としては歯肉や鼻などの粘膜、胃腸管、肝臓、脳、脊髄硬膜外、尿路系、皮下など多くの器官・組織が記載されている(EHC 175(1995), ACGIH(2001), PDs(2006), PIMs(1997))。これらの情報に基づき区分1(血液系)とした。ヒトではビタミンK濃度のわずかな低下が骨粗鬆症の原因となりうるので、抗凝固薬による低用量長期治療は骨代謝に悪影響を及ぼす可能性があるとの記載(EHC 175(1995))に基づき区分1(骨)とした。動物においても、用量不明あるいは投与経路が皮下注射であることからガイダンス値との比較はできないが、骨量の減少(EHC 175(1995))、海綿骨量減少による骨の脆弱化(HSDB(2005))等の記載がある。また、ヒトにおけるワルファリンの副作用の一つとして皮膚の壊死(「ワルファリン誘導皮膚壊死」)が知られているとの記載(EHC 175(1995), PDs(2006))に基づき区分1(皮膚)とした。HSFS(2005)の、反復暴露は肝臓、腎臓を障害する可能性があるとの記載に基づき区分2(肝臓、腎臓)とした。 | |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 分類できない | - | - | - | - | データ不足のため分類できない。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 分類できない | - | - | - | - | データ不足のため分類できない。 |
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