GHS分類結果

名称:イソペンチルアルコール【イソアミルアルコール】
CAS番号:123-51-3

結果:
物質ID: 651
分類実施者: GHS関係省庁連絡会議
分類実施年度: 平成18年度
使用マニュアル: GHS分類マニュアル(H18.2.10版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - 分子内に爆発性に関わる原子団を含まない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - (GHS定義による)液体。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品ではない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - (GHS定義による)液体。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - (GHS定義による)液体。
6 引火性液体 区分3 警告 H226: 引火性液体及び蒸気 P303+P361+P353: 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと/取り除くこと。皮膚を流水/シャワーで洗うこと。
P370+P378: 火災の場合:消火するために...を使用すること。
P403+P235: 換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。
P210: 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。
P233: 容器を密閉しておくこと。
P240: 容器を接地すること/アースをとること。
P241: 防爆型の電気機器/換気装置/照明機器/...機器を使用すること。
P242: 火花を発生させない工具を使用すること。
P243: 静電気放電に対する予防措置を講ずること。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
引火点23-60℃
7 可燃性固体 分類対象外 - - - - (GHS定義による)液体。
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - - 分子内に爆発性および自己反応性に関わる原子団を含まない。
9 自然発火性液体 区分外 - - - - 製造および取引時の経験から、常温で空気と接触しても自然発火しないことが認められている。
10 自然発火性固体 分類対象外 - - - - (GHS定義による)液体。
11 自己発熱性化学品 分類できない - - - - 液体の試験方法が確立していない。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外 - - - - 分子内に金属、半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - フッ素、塩素は含有せず、分子内の酸素は炭素および水素とのみ結合している。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - - (GHS定義による)液体。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - 分子内に-O-O-構造を含まない。
16 金属腐食性物質 区分外 - - - - 金属を腐食するという情報なし。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分5 - 警告 H303: 飲み込むと有害のおそれ P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 幅で報告された1データ(PATTY(5th. 2001))を除いた、5つのデータ(ACGIH(2001), IUCLID(2000), RTECS(2000))について統計処理し、LD50: 2592mg/kgが得られたので「区分5」とした。
1 急性毒性(経皮) 区分5 - 警告 H313: 皮膚に接触すると有害のおそれ P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 ウサギでLD50: 3250mg/kgのデータがある(ACGIH(2001))ので「区分5」とした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - (GHS定義による)液体。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - - 2000ppm・8時間(区分4に相当する濃度)で死亡は見られなかった(ACGIH 2001))。致死濃度での試験データはないので、分類できない。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - - ミストでの試験報告はみあたらない。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分外 - - - - ヒトで1件の陽性例があるが、他の報告では無刺激とされている(PATTY(5th. 2001))。動物でも ACGIH(2001)では極めて軽度の刺激。これらに基づき「区分外」とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2A 警告 H319: 強い眼刺激 P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
ウサギの眼に強い刺激を与えていること(ACGIH (2001))から、「区分2A」とした。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - 呼吸器の感作性報告は見当たらない。
4 皮膚感作性 区分外 - - - - 皮膚についてはヒトで確実な陽性結果はなく、感作性は認められなかったとされている(IUCLID(2000))ので「区分外」とした。
5 生殖細胞変異原性 分類できない - - - - In vivo の試験報告がなく「分類できない」と判定した。In vitroでは3報告中1件で陽性(IUCLID(2000))であった。
6 発がん性 分類できない - - - - ラットでの実験結果は決定的なものとされてなく(ACGIH(2001))、評価機関の既存分類もないので、分類できない。
7 生殖毒性 分類できない - - - - データ不足で分類できない。ウサギ及びラットへの妊娠中の投与試験では、母体に影響のない投与量での悪影響は見られなかった。(PATTY 5th(2001))
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1(中枢神経系)、区分3(麻酔作用、気道刺激性) 危険
警告
H336: 眠気又はめまいのおそれ(麻酔作用、気道刺激性)
H335: 呼吸器への刺激のおそれ(麻酔作用、気道刺激性)
H370: 臓器の障害(中枢神経系)
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。
P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。
P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ヒトでの吸入の情報(Nelsonら、PATTY(5th. 2001))から「区分3」(気道刺激性)を採用した。また経口摂取の影響(Ardeev, PATTY(5th. 2001))は中枢神経抑制となっており、「区分3(麻酔作用)」にも該当するが、致死例もあるので「区分1」も採った。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分外(経口投与) - - - - 経口のガイダンス値(100mg/kg)より大きな投与量(経口 1000mg/kg以上)でしか悪影響が見られていないので「区分外」とした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - 動粘性率は区分2の定義に当てはまり、類似の物質がICSCに挙げられているが、この物質自体の吸引有害性の情報は見つからなかった。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分外 - - - - 甲殻類(オオミジンコ)の48時間EC50=260mg/L(IUCLID、2000)から、区分外とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分外 - - - - 難水溶性でなく(水溶解度=26700mg/L(PHYSPROP Database、2005))、急性毒性が低いことから、区分外とした。


分類結果の利用に関する注意事項:
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 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

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厚生労働省モデルSDS

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