GHS分類結果

名称:一酸化炭素
CAS番号:630-08-0

結果:
物質ID: 654
分類実施者: GHS関係省庁連絡会議
分類実施年度: 平成18年度
使用マニュアル: GHS分類マニュアル(H18.2.10版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - (GHS定義で)ガス
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 区分1 危険 H220: 極めて可燃性又は引火性の高いガス P210: 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。
P377: 漏洩ガス火災の場合:漏洩が安全に停止されない限り消火しないこと。
P381: 安全に対処できるならば着火源を除去すること。
P403: 換気の良い場所で保管すること。
空気との混合での可燃範囲下限が13%以下(12%)、可燃範囲が12%以上(12-75%)なので「区分1」とした。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品ではない。
4 支燃性/酸化性ガス 区分外 - - - - 還元性ガスなので「区分外」とした。国連危険物輸送勧告でも副分類の5.1は付けられていない。
5 高圧ガス 圧縮ガス 警告 H280: 高圧ガス:熱すると爆発のおそれ P410+P403: 日光から遮断し、換気の良い場所で保管すること。 臨界温度<-50℃(-140℃)以下であり、圧縮ガスとして取引される。
6 引火性液体 分類対象外 - - - - (GHS定義で)ガス
7 可燃性固体 分類対象外 - - - - (GHS定義で)ガス
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - - (GHS定義で)ガス
9 自然発火性液体 分類対象外 - - - - (GHS定義で)ガス
10 自然発火性固体 分類対象外 - - - - (GHS定義で)ガス
11 自己発熱性化学品 分類対象外 - - - - (GHS定義で)ガス
12 水反応可燃性化学品 分類対象外 - - - - (GHS定義で)ガス
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - (GHS定義で)ガス
14 酸化性固体 分類対象外 - - - - (GHS定義で)ガス
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - (GHS定義で)ガス
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - ガスに対する試験方法が確立していない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 分類対象外 - - - - 水に溶けにくいガスであるから、経口投与できない。
1 急性毒性(経皮) 分類できない - - - - 実験データがないので分類できない。
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分3 危険 H331: 吸入すると有毒 P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。
P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。
P311: 医師に連絡すること。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラットLC50(4hr)1805ppm(IUCLID(2000)), 1659ppm(RTECS(2004))のデータから「区分3」とした。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類対象外 - - - - 常温ではガスである。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類対象外 - - - - 常温ではガスである。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分外 - - - - 無味・無臭のガスといわれている。(Merck 13th(2001))
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分外 - - - - 無味・無臭のガスといわれている。(Merck 13th.(2001))
4 呼吸器感作性 区分外 - - - - 喫煙者など日常的に吸入しているが、感作の情報はない。皮膚接触についても同様なので、両者とも「区分外」とした。
4 皮膚感作性 区分外 - - - - 喫煙者など日常的に吸入しているが、感作の情報はない。皮膚接触についても同様なので、両者とも「区分外」とした。
5 生殖細胞変異原性 区分外 - - - - WHOの評価レビューから「区分外」とした。
6 発がん性 区分外 - - - - WHOの評価レビューから「区分外」とした。
7 生殖毒性 区分1A 危険 H360: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれ P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。
P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。
P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
P281: 指定された個人用保護具を使用すること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
多くの動物実験で、胎児への影響が観察されており、ヒトについても母親の喫煙の影響が示唆されているので「区分1A」とした。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1(吸入:循環器、神経) 危険 H370: 臓器の障害(吸入:循環器、神経) P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
吸入暴露で、血液中にカルボキシヘモグロビンが増加し、ヒトおよび動物で神経系、循環器系に影響し、知力、運動能力、聴力なども低下するので「区分1」とした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分2(吸入:心臓、血液) 警告 H373: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害のおそれ(吸入:心臓、血液) P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
動物の反復吸入実験で、心臓、血液系に影響が認められた。暴露濃度は50-250ppmなので「区分2」とした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類対象外 - - - - 気体なので「分類対象外」とした。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 分類できない - - - - データ不足のため分類できない。
11 水生環境有害性(長期間) 分類できない - - - - データ不足のため分類できない。


分類結果の利用に関する注意事項:
 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。
 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

厚生労働省モデルSDS

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