GHS分類結果

名称:塩化アンモニウム
CAS番号:12125-02-9

結果:
物質ID: 680
分類実施者: GHS関係省庁連絡会議
分類実施年度: 平成18年度
使用マニュアル: GHS分類マニュアル(H18.2.10版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - 分子内に爆発性に関連する原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - GHSの定義による固体である。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品ではない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義による固体である。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義による固体である。
6 引火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義による固体である。
7 可燃性固体 区分外 - - - - 不燃性(Weiss(2nd,1985)等)
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - - 分子内に爆発性に関連する原子団、あるいは自己反応性に関連する原子団を含んでいない。
9 自然発火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義による固体である。
10 自然発火性固体 区分外 - - - - 不燃性(Weiss(2nd,1985)等)
11 自己発熱性化学品 区分外 - - - - 不燃性(Weiss(2nd,1985)等)
12 水反応可燃性化学品 分類対象外 - - - - 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義による固体である。
14 酸化性固体 分類できない - - - - ハロゲンを含む無機化合物であるがデータがないために分類できない。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - 有機化合物ではない。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分4 警告 H302: 飲み込むと有害 P301+P312: 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P330: 口をすすぐこと。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラットにおけるLD50=1650 mg/kgの記載(ACGIH(2002))に基づいて区分4とした。
1 急性毒性(経皮) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHS定義による固体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - - データなし。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分3 - 警告 H316: 軽度の皮膚刺激 P332+P313: 皮膚刺激が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。 ヒトにおいて、短期暴露の影響として「皮膚を刺激する」、皮膚に対する一次災害/急性症状として「発赤」をひきおこす、との記載(ICSC(J)(2000))に基づき区分3とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2A-2B 警告 H319: 強い眼刺激 P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
ヒトにおいて短期暴露により眼を刺激する、一次災害/急性症状として眼の発赤、痛みをひきおこすとの記載(ICSC(J)(2000))がある。ウサギではmild(ACGIH(2002), RTECS(2005))とsevere(RTECS(2005))の評価および白内障、虹彩の出血、前眼房のフィブリン出現などが見られたが回復したとの記載(HSDB(2005))がある。以上の情報に基づき区分2A-2Bとした。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データなし。
4 皮膚感作性 分類できない - - - - モルモットによるmaximization testで陰性の結果であったとの記載(IUCLID(2000))があるが、Priority 2の情報であり、1データのみであることから、データ不足のため分類できないとした。
5 生殖細胞変異原性 区分外 - - - - マウスによる小核試験で陰性である(IUCLID(2000))ことから、技術指針に従い区分外とした。
6 発がん性 分類できない - - - - データ不足のため分類できない。
7 生殖毒性 区分2 警告 H361: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。
P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。
P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
P281: 指定された個人用保護具を使用すること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
マウスで親への毒性についての記載がないが、児に奇形が見られたとの記載(HSDB(2005))、未交配の雌ウサギに卵巣肥大、卵胞成熟、黄体形成、子宮肥大、乳頭肥大、乳汁分泌が見られたとの記載(EHC 54(1986))、および親ラットに代謝性アシドーシスを認めた用量で吸収胚が1/4に達したとの記載(IUCLID(2000))に基づき、区分2とした。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分3(気道刺激性) 警告 H335: 呼吸器への刺激のおそれ(気道刺激性) P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。
P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。
P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
短期暴露により気道を刺激するとの記載および吸入により咳、咽頭痛を生じるとの記載(ICSC(J)(2000))に基づき区分3(気道刺激性)とした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1(全身毒性) 危険 H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(全身毒性) P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ヒトにおいて代謝性アシドーシスを来たしたとの記載(ACGIH(2002))に基づき区分1(全身毒性)とした。なお、用量の記載はないがラット、ウサギ、イヌにおいても長期投与により骨粗鬆症を生じ、その原因は代謝性アシドーシスであるとの記載(EHC 54(1986))がある。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - データなし。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分2 - - H401: 水生生物に毒性 P273: 環境への放出を避けること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
魚類(ニジマス)の96時間LC50=0.696mg NH3/L(ECETOC TR91、2003)(塩化アンモニウム濃度換算値:2.19mg/L)から、区分2とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分2 - H411: 長期継続的影響によって水生生物に毒性 P273: 環境への放出を避けること。
P391: 漏出物を回収すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
急性毒性が区分2、水中での挙動および生物蓄積性が不明であるため、区分2とした。


分類結果の利用に関する注意事項:
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 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

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