名称:オキシビス(チオホスホン酸)O,O,O',O'-テトラエチル【スルホテップ】
CAS番号:3689-24-5
物質ID: | 686 |
分類実施者: | GHS関係省庁連絡会議 |
分類実施年度: | 平成18年度 |
使用マニュアル: | GHS分類マニュアル(H18.2.10版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性に関連する原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による液体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品ではない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による液体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による液体である。 |
6 | 引火性液体 | 区分外 | - | - | - | - | 可燃性であるが、引火点に関する情報が見当たらないので、UNRTDG クラス6.1に基づき区分外とした。 |
7 | 可燃性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による液体である。 |
8 | 自己反応性化学品 | 区分外 | - | - | - | - | 分子内に自己反応性に関連する原子団としてP-O結合を含むが、UNRTDG クラス6.1に基づき区分外とした。 |
9 | 自然発火性液体 | 区分外 | - | - | - | - | UNRTDG クラス6.1に基づき区分外とした。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による液体である。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 区分外 | - | - | - | - | 炭素、水素以外の元素と結合している酸素を含むが、UNRTDG クラス6.1に基づき区分外とした。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による液体である。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | 鉄を腐食するという記載(Merck(13th, 2001))があるが、そのほかのデータがないために分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分2 | 危険 | H300: 飲み込むと生命に危険 |
P301+P310: 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P330: 口をすすぐこと。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットの10データ(ACGIH(2005), DFGOT vol.13(1999))から計算処理によって得たLD50=5.35 mg/kgに基づき区分2とした。 | |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分1 | 危険 | H310: 皮膚に接触すると生命に危険 |
P302+P350: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で優しく洗うこと。 P262: 眼、皮膚、衣類につけないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P310: 直ちに医師に連絡すること。 P322: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P361: 汚染された衣類を直ちに全て脱ぐこと。 P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットLD50=262 mg/kg(ACGIH(2005), DFGOT vol.13(1999))と、ウサギの2データ(ACGIH(2005), DFGOT vol.13(1999))の内低い方のLD50=5 mg/kgとを比較して、低い方のLD50=5 mg/kgに基づき区分1とした。 | |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義による液体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 区分1 | 危険 | H330: 吸入すると生命に危険 |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P284: 呼吸用保護具を着用すること。 P310: 直ちに医師に連絡すること。 P320: 特別な処置が緊急に必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
本物質の飽和蒸気圧濃度は0.2 ppmであるから吸入実験はミストの状態で行われたと考えられる。ラットの2データ(ACGIH(2005), DFGOT vol.13(1999), PATTY(5th, 2001))の内低い方のLC50=0.038 mg/Lに基づき区分1とした。 | |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分2 | 警告 | H315: 皮膚刺激 |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P332+P313: 皮膚刺激が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P362: 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 |
ウサギにおいては皮膚刺激性を認めなかったとの成績がある(ACGIH(2005), DFGOT vol.13(1999), PATTY(5th, 2001))が、ヒトでは皮膚を刺激し、障害を与えるとの多くの記載(ACGIH(2005), ICSC(J)(1999), HSDB(2005), HSFS(2000), SITTIG(2002))がある。ヒトでの障害や刺激性の具体的内容や程度についての記載がないため、危険の大きい側をとって区分2とした。 | |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2B | - | 警告 | H320: 眼刺激 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 |
ウサギで眼に刺激、発赤を認めたが24時間内に回復したとの記載(ACGIH(2005), DFGOT vol.13(1999), PATTY(5th, 2001))、およびヒトで眼を刺激し、痛みやかすみ目を生じるとの記載(ICSC(J)(1999), HSFS(2000), SITTIG(2002))に基づき、区分2Bとした。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない | - | - | - | - | ヒトで慢性的暴露により接触皮膚炎を生じたとの記載(HSDB(2005))があるが、1件のみであり、症例数も不明であるため、データ不足のため分類できないとした。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分外 | - | - | - | - | ヒト経世代疫学の成績はなく、マウスによる優性致死試験(ACGIH(2005), DFGOT vol.13(1999), PATTY(5th, 2001))及びマウス骨髄細胞による小核試験(DFGOT vol.13(1999), PATTY(5th, 2001))でいずれも陰性であったことに基づき区分外とした。 |
6 | 発がん性 | 区分外 | - | - | - | - | ACGIHでA4に分類されていること(ACGIH(2005))に基づき区分外とした。 |
7 | 生殖毒性 | 区分2 | 警告 | H361: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラット及びウサギによる複数の器官形成期投与試験(ACGIH(2005), DFGOT vol.13(1999), PATTY(5th, 2001))、ならびにラットによる2世代投与試験(DFGOT vol.13(1999))において親の生殖、児の発生・発育への影響は認められなかったが、ラット器官形成期投与試験の1試験において、母動物に毒性が見られた用量で吸収胚の増加と胎児体重の低下が見られた(DFGOT vol.13(1999))。このデータに基づき区分2とした。 | |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1(神経系)、区分3(気道刺激性) |
警告 危険 |
H335: 呼吸器への刺激のおそれ(気道刺激性) H370: 臓器の障害(神経系) |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。 P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラット、マウス、ウサギ、イヌ、ネコを用いた多くの動物実験において、区分1のガイダンス値範囲内の用量で典型的な有機燐化合物中毒の症状と中枢及び末梢神経におけるコリンエステラーゼ阻害が記載されている(ACGIH(2005), DFGOT vol.13(1999), PATTY(5th, 2001))。ヒトでも頭痛、悪心・嘔吐、下痢、めまい、脱力、筋肉痛、不安、息苦しさ、流ぜん、流涙、うとうと状態など有機燐化合物中毒の症状が記載されている(ACGIH(2005), PATTY(5th, 2001))。また、ヒトで「吸入すると肺を刺激し、咳や息苦しさを生じる。」との記載がある(HSFS(2000))。以上のことから、区分1(神経系)、区分3(気道刺激性)とした。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(神経系、肺) | 危険 | H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(神経系、肺) |
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットおよびイヌへの経口投与試験において、区分1のガイダンス値範囲内の用量で赤血球および/または血漿中のコリンエステラーゼの阻害とこれと関連した痙攣、振せん、嘔吐、下痢などの症状が見られたこと(ACGIH(2005), DFGOT vol.13(1999), PATTY(5th, 2001))に基づき区分1(神経系)とした。また、ラット吸入試験において、区分1のガイダンス値範囲内の用量で肺浮腫とそれによる肺の重量(絶対重量および相対重量)増加が記載されていること(ACGIH(2005), DFGOT vol.13(1999), PATTY(5th, 2001))に基づき区分1(肺)とした。 | |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分1 | 警告 | H400: 水生生物に非常に強い毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
甲殻類(オオミジンコ)の48時間LC50=0.23μg/L(AQUIRE、2003)から、区分1とした。 | |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分1 | 警告 | H410: 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
急性毒性が区分1、生物蓄積性が低いと推定されるものの(log Kow=3.99(PHYSPROP Database、2005))、急速分解性がないと推定される(BIOWIN)ことから、区分1とした。 |
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