GHS分類結果

名称:オルト-セカンダリ-ブチルフェノール
CAS番号:89-72-5

結果:
物質ID: 696
分類実施者: GHS関係省庁連絡会議
分類実施年度: 平成18年度
使用マニュアル: GHS分類マニュアル(H18.2.10版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - 爆発性にかかわる原子団を含まない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - GHS定義による液体。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - GHS定義による液体。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - GHS定義による液体。
6 引火性液体 区分外 - - - - 引火点が93℃を超える液体なので、「区分外」とした。
7 可燃性固体 分類対象外 - - - - GHS定義による液体。
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - - 爆発性に関わる原子団、自己反応性に関わる原子団をともに含まない。
9 自然発火性液体 区分外 - - - - 国連輸送危険物分類で、クラス4.2に分類されていない。
10 自然発火性固体 分類対象外 - - - - GHS定義による液体。
11 自己発熱性化学品 分類できない - - - - 液体のための試験方法が確立していない。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外 - - - - 金属、半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - 分子中にフッ素、塩素を含まない。酸素を含むが、炭素・水素以外と結合していない。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - - GHS定義による液体。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - 分子構造中に-O-O-基を含まない。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - データがない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分4 警告 H302: 飲み込むと有害 P301+P312: 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P330: 口をすすぐこと。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラットのLD50に 2.7g/kg(ACGIH(2001))及び 320 mg/kg(RTECS(2004))の2つのデータがあったが、小さいほうを採用して「区分4」とした。
1 急性毒性(経皮) 区分外 - - - - ウサギで 5560 mg/kg(RTECS(2004))というデータがあるので「区分外」とした。モルモットのデータ(RTECS(2004))は指針に従い採用しなかった。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHS定義による液体。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - - 常温での飽和蒸気濃度20℃・80ppm、30℃・196ppmで半数致死に達していないため、LC50値が得られていない。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - - >290ppm(RTECS)という値は飽和蒸気濃度を超えているため、ミストと考えた。この値は1.78mg/Lに相当するので区分4か5であると考えられるが、決め手になるLC50値が得られていない。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分1C 危険 H314: 重篤な皮膚の薬傷及び眼の損傷 P301+P330+P331: 飲み込んだ場合:口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。
P303+P361+P353: 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと/取り除くこと。皮膚を流水/シャワーで洗うこと。
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P310: 直ちに医師に連絡すること。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
動物については24時間暴露で severe burn の結果があり(ACGIH(2001),RTECS(2004))、職業暴露で火傷が述べられている(ACGIH(2001))ので「区分1C」とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分1 危険 H318: 重篤な眼の損傷 P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P310: 直ちに医師に連絡すること。
皮膚腐食性が区分1Cであり、ウサギの眼での激しい刺激報告もある(ACGIH(2001))ので「区分1」とした。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - 感作性に関するデータは見つからなかった。
4 皮膚感作性 分類できない - - - - 感作性に関するデータは見つからなかった。
5 生殖細胞変異原性 分類できない - - - - In vivoの試験報告がないので、分類できない。
6 発がん性 分類できない - - - - 試験報告がなく、分類機関の評価もないので分類できない。
7 生殖毒性 分類できない - - - - 試験報告がなく、分類できない。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分3(気道刺激性) 警告 H335: 呼吸器への刺激のおそれ(気道刺激性) P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。
P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。
P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ヒトについて呼吸器刺激の記述がある(ACGIH(2001))ので、「区分3(気道刺激性)」とした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない - - - - 試験報告、職業暴露影響の報告がないので、分類できない。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - データがなく、分類できない。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分2 - - H401: 水生生物に毒性 P273: 環境への放出を避けること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
甲殻類(オオミジンコ)の48時間EC50=4.0mg/L(環境省生態影響試験、1998)から、区分2とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分2 - H411: 長期継続的影響によって水生生物に毒性 P273: 環境への放出を避けること。
P391: 漏出物を回収すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
急性毒性が区分2、生物蓄積性が低いものの(BCF=50(既存化学物質安全性点検データ))、急速分解性がない(BODによる分解度:0%(既存化学物質安全性点検データ))ことから、区分2とした。


分類結果の利用に関する注意事項:
 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。
 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

厚生労働省モデルラベル

職場のあんぜんサイトへ

厚生労働省モデルSDS

職場のあんぜんサイトへ


GHS関連情報トップページに戻る