GHS分類結果

名称:オルト-フタロジニトリル
CAS番号:91-15-6

結果:
物質ID: 698
分類実施者: GHS関係省庁連絡会議
分類実施年度: 平成18年度
使用マニュアル: GHS分類マニュアル(H18.2.10版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - 分子内に爆発性に関連する原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - GHSの定義による固体である。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品ではない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義による固体である。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義による固体である。
6 引火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義による固体である。
7 可燃性固体 分類できない - - - - データなし。
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - - 分子内に爆発性に関連する原子団、あるいは自己反応性に関連する原子団を含んでいない。
9 自然発火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義による固体である。
10 自然発火性固体 区分外 - - - - 発火点 >580℃(ICSC(2004))
11 自己発熱性化学品 分類できない - - - - データなし。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外 - - - - 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義による固体である。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - - 酸素、フッ素または塩素を含んでいない有機化合物。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - 分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分3 危険 H301: 飲み込むと有毒 P301+P310: 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P330: 口をすすぐこと。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
4データ(85mg/kg, 85mg/kg, 125mg/kg, 125mg/kg)(厚労省報告(2005)、SIDS(2001))から計算処理したラットLD50= 86.1mg/kgに基づき、区分3とした。
1 急性毒性(経皮) 分類できない - - - - ラット、ウサギおよびネコのデータ(IUCLID(2000))があるが、ラットでは試験濃度が不明で、ウサギおよびネコではいずれもLD50値が得られていないため、データ不足で分類できない。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHSの定義による固体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - - 7データ(SIDS(2001), IUCLID(2000))で飽和蒸気圧濃度(39.6 ppm)においてもLC50が得られていないため、データ不足で分類できない。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - - 粉塵を用いたデータなし。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分外 - - - - モルモットの24時間試験でわずかに刺激性が報告されているが、ウサギの4試験(SIDS(2001)、IUCLID(2000))で刺激性が見られないことに基づき、区分外とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分外 - - - - ウサギを用いた試験(SIDS(2001)、IUCLID(2000))で刺激性が見られないので、区分外とした。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データなし。
4 皮膚感作性 区分外 - - - - データなし。
5 生殖細胞変異原性 区分外 - - - - マウスのin vivo小核試験および暴露されたヒトのリンパ球染色体分析(体細胞in vivo変異原性試験)で陰性(SIDS(2001))に基づき、区分外とした。
6 発がん性 分類できない - - - - ラットとマウスの試験(SIDS(2001))で腫瘍が見られたが、対照群の腫瘍発生頻度が記載されていないと報告されている。IUCLID(2000)にはラットに腫瘍が見られるが、やはり不充分なデータであると記載されている。したがってデータ不足のため分類できないとした。
7 生殖毒性 区分外 - - - - ラットを用いた試験で生殖毒性が見られない(厚生労働省(2005)、SIDS(2001))ことに基づき、区分外とした。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1(神経系) 危険 H370: 臓器の障害(神経系) P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
区分1のガイダンス値範囲内の濃度において、2試験で運動障害が見られ(厚労省報告(2005)、RTECS(2004))、1試験でけいれんが見られた(IUCLID(2000))。ヒトの暴露例で目眩、吐き気、おう吐、頭痛、意識不明、およびてんかん性発作が報告された(SIDS(2001))。これらの記載に基づき、区分1(神経系)とした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない - - - - 2つの生殖試験との併合試験で肝臓および腎臓に若干の影響が見られたが(厚生労働省(2005)、SIDS(2001))、他の3試験では特定臓器に対する影響が見られていない(IUCLID(2000)、SIDS(2001))。しかしいずれの試験も区分1のガイダンス値範囲内の投与量であり、より高用量のデータがないため、分類できないとした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - データなし。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分3 - - H402: 水生生物に有害 P273: 環境への放出を避けること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
魚類(ヒメダカ)の96時間LC50=22.6mg/L(SIDS、2003)から、区分3とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分3 - - H412: 長期継続的影響によって水生生物に有害 P273: 環境への放出を避けること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
急性毒性が区分3、生物蓄積性が低いものの(BCF=1.3(既存化学物質安全性点検データ))、急速分解性がない(BODによる分解度:3.3%(既存化学物質安全性点検データ))ことから、区分3とした。


分類結果の利用に関する注意事項:
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 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

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厚生労働省モデルSDS

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