名称:カルシウムシアナミド
CAS番号:156-62-7
物質ID: | 701 |
分類実施者: | GHS関係省庁連絡会議 |
分類実施年度: | 平成18年度 |
使用マニュアル: | GHS分類マニュアル(H18.2.10版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義における固体。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義における固体。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義における固体。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義における固体。 |
7 | 可燃性固体 | 分類できない | - | - | - | - | 純品は不燃性(Merck, 13th, 2001)であるが、製造上の副生成物である炭素の含量が多くなると可燃化することも考えられる。 【注】炭化カルシウム(カルシウムカーバイド)の含量が0.1%以下の石灰窒素は、可燃成分の炭素を含むが、国連番号がなく危険物に該当しないため、区分外である。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性に関連する原子団、あるいは自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義における固体。 |
10 | 自然発火性固体 | 区分外 | - | - | - | - | 主な用途が肥料(農薬)であり、常温の空気と接触しても自然発火しない。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 区分外 | - | - | - | - | 純品は不燃性(Merck, 13th, 2001)で区分外である。また、製造上の不純物である炭化カルシウム(カルシウムカーバイド)の含量が0.1%を超える場合(国連番号1403)はUNRTDGが4.3、IIIに分類されており、4.2は付されていない。以上から、区分外と判断した。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 区分3または区分外 | 警告 | H261: 水に触れると可燃性又は引火性ガスを発生 |
P231+P232: 湿気を遮断し、不活性ガス下で取り扱うこと。 P370+P378: 火災の場合:消火するために...を使用すること。 P402+P404: 乾燥した場所又は密閉容器に保管すること。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
水と反応して引火性ガスのアセチレンやアンモニアを生じる(HSDB, 2003)。製造上の不純物である炭化カルシウム(カルシウムカーバイド)の含量が0.1%を超える場合(国連番号1403)はUNRTDGが4.3、IIIに分類されており区分3に該当するが、それ以外の場合は区分外である。 | |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義における固体。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 酸素またはハロゲンを含んでいない無機化合物。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 無機化合物。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分4 | 警告 | H302: 飲み込むと有害 |
P301+P312: 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P330: 口をすすぐこと。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットを用いた経口投与試験の試料純度100%換算したLD50値1958mg/kg(4300mg/kg/純度45.54%)及び403mg/kg(700mg/kg/純度45.54%)から(農薬登録申請試料(2000年))、小さい値(403mg/kg)を採用し区分4とした。 | |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分5 | - | 警告 | H313: 皮膚に接触すると有害のおそれ | P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 | 2800mg/kg(100%純度換算値:1640mg/kg)までを投与したラット経皮急性毒性試験において、最高用量(純度換算値:1640mg/kg)では雄に死亡例が認められるが、雌では認められなかったことから(農薬登録申請試料(2000年))、LD50値は区分4(1000-2000mg/kg)を超えた用量域にあると推察され、区分5とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 区分5 | - | 警告 | H333: 吸入すると有害のおそれ | P304+P312: 吸入した場合:気分が悪いときは、医師に連絡すること。 | 吸入に関し「LC50は最大許容濃度、1m3あたりカルシウムシアナミドの50%水溶液13g以上」の記述があり(農薬登録申請資料(2000年))、LC50は>6.5mg/L(ミスト)となることから区分5とした。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分2 | 警告 | H315: 皮膚刺激 |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P332+P313: 皮膚刺激が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P362: 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 |
ヒト皮膚でのビマン性膨張発赤、掻痒感、ウサギ皮膚での硬結、潰瘍、痂皮の形成(農薬登録申請資料(2000年))及びEU-AnnexでR38に分類されていることから、区分2とした。 | |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分1 | 危険 | H318: 重篤な眼の損傷 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P310: 直ちに医師に連絡すること。 |
石灰窒素の懸濁液のpHは11.5以上(農薬登録申請資料(2000年))及びEU-Annex I(Access in 2006)でR41に分類されていることから、区分1とした。 | |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分外 | - | - | - | - | マウス骨髄小核試験及び1000μg/plateまで実施したAmes試験の陰性から(農薬登録申請資料(2000年))、区分外とした。 |
6 | 発がん性 | 区分外 | - | - | - | - | マウス及びラット発がん性試験における陰性から(農薬登録申請資料(2000年))、区分外とした。 |
7 | 生殖毒性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分2(全身毒性)、区分3(気道刺激性) | 警告 |
H335: 呼吸器への刺激のおそれ(気道刺激性) H371: 臓器の障害のおそれ(全身毒性) |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P309+P311: 暴露したとき、又は気分が悪いとき:医師に連絡すること。 P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラット経皮急性毒性試験において、中毒症状として自発運動量減少、横たわり、不整呼吸、振顫、体温低下、貧血、歩行失調、呼吸緩除が認められたが(農薬登録申請資料(2000年))、用量との関連が明確ではなく、本試験の無毒性量は、雄2000mg/kg(純度換算値1172mg/kg)、雌1000mg/kg(純度換算値586mg/kg)とされていること、加えて標的臓器を特定することは困難であることから、概ね区分2のガイダンス値における所見と考え、区分2(全身毒性)とした。また、ラット吸入急性毒性試験において、呼吸道の炎症、咽頭炎、気管炎が認められていることから、区分3(気道刺激性)とした。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 分類できない | - | - | - | - | マウス及びラット発がん性試験において本物質に起因する非腫瘍性病変は認められず、また、カルシウムシアナミドの職業上の暴露に関して、8mg CaCN2/m3の濃度までは急性、あるいは慢性疾患のいずれについてもカルシウムシアナミドによると考えられる根拠は何もなかった(農薬登録申請資料(2000年))ことから、データ不足のため分類できないとした。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分2 | - | - | H401: 水生生物に毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
甲殻類(オオミジンコ)の48時間EC50=7.7mg/L(農薬登録申請資料、2004)から、区分2とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分2 | - | H411: 長期継続的影響によって水生生物に毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
急性毒性が区分2、生物蓄積性が低いと推定されるものの(log Kow=-0.2(PHYSPROP Database、2005))、急速分解性がないと推定される(BIOWIN)ことから、区分2とした。 |
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