名称:クロロフェノール
CAS番号:25167-80-0
物質ID: | 712 |
分類実施者: | GHS関係省庁連絡会議 |
分類実施年度: | 平成18年度 |
使用マニュアル: | GHS分類マニュアル(H18.2.10版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 分類対象外(o、m、p-体) | - | - | - | - | 分子内に爆発性に関連する原子団を含んでいない。(o, m, p-体) |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外(o、m、p-体) | - | - | - | - | GHSの定義によるガスではない。(o, m, p-体) |
3 | エアゾール | 分類対象外(o、m、p-体) | - | - | - | - | エアゾール製品ではない。(o, m, p-体) |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外(o、m、p-体) | - | - | - | - | GHSの定義によるガスではない。(o, m, p-体) |
5 | 高圧ガス | 分類対象外(o、m、p-体) | - | - | - | - | GHSの定義によるガスではない。(o, m, p-体) |
6 | 引火性液体 | 区分4(o-体)、分類対象外(m、p-体) | - | 警告 | H227: 可燃性液体(o-体) |
P370+P378: 火災の場合:消火するために...を使用すること。 P403+P235: 換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。 P210: 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
引火点64℃(密閉式)より、区分4(GHS基準:引火点60℃超、93℃以下)とした。(o-体) GHSの定義による固体である。(m, p-体) |
7 | 可燃性固体 | 分類対象外(o-体)、分類できない(m、p-体) | - | - | - | - | GHSの定義による液体である。(o-体) データなし。(m, p-体) |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外(o、m、p-体) | - | - | - | - | 分子内に爆発性に関連する原子団、あるいは自己反応性に関連する原子団を含んでいない。(o, m, p-体) |
9 | 自然発火性液体 | 分類できない(o-体)、分類対象外(m、p-体) | - | - | - | - | データなし。(o-体) GHSの定義による固体である。(m, p-体) |
10 | 自然発火性固体 | 分類対象外(o-体)、区分外(m、p-体) | - | - | - | - | GHSの定義による液体である。(o-体) 引火点測定を112℃以上の温度で行っている(ICSC(1999))ことから自然発火することはないと判断した。(m, p-体) |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない(o、m、p-体) | - | - | - | - | 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。(o-体) 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。(融点140℃以下の固体)(m, p-体) |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外(o、m、p-体) | - | - | - | - | 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。(o, m, p-体) |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外(o、m、p-体) | - | - | - | - | フッ素を含んでいない有機化合物。酸素および塩素を含むが、この酸素は炭素、水素以外の元素と化学結合していない。(o-体) GHSの定義による固体である。(m, p-体) |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外(o、m、p-体) | - | - | - | - | フッ素を含んでいない有機化合物。酸素および塩素を含むが、この酸素は炭素、水素以外の元素と化学結合していない。(m, p-体) GHSの定義による液体である。(o-体) |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外(o、m、p-体) | - | - | - | - | 分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物。(o, m, p-体) |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない(o、m、p-体) | - | - | - | - | データなし。(o, m, p-体) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 急性毒性(経口) | o-体:区分4、m-体:区分4、p-体:区分3 | 危険 | H301: 飲み込むと有毒 |
P301+P310: 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P330: 口をすすぐこと。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
o-体:ラットLD50値の2データ(厚労省報告(2005)、EHC 93(1989))のうち、低い方のLD50=670mg/kgを採用して、区分4とした。 m-体:ラットLD50=570mg/kg(EHC 93(1989))に基づき、区分4とした。 p-体:ラットLD50=261mg/kg(EHC 93(1989))に基づき、区分3とした。 | |
1 | 急性毒性(経皮) | o-体:区分4、m-体:分類できない、p-体:分類できない | 警告 | H312: 皮膚に接触すると有害 |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 P322: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
o-体:ウサギLD50=1000-1580mg/kg(ATSDR(1999))に基づき、区分4とした。 m-体:データ無し。 p-体:データ無し。 | |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義により、o-体は液体、m-体およびp-体はそれぞれ固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | o-体:区分2、m-体:分類できない、p-体:分類できない | 危険 | H330: 吸入すると生命に危険 |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P284: 呼吸用保護具を着用すること。 P310: 直ちに医師に連絡すること。 P320: 特別な処置が緊急に必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
o-体:飽和蒸気圧濃度が2277ppm(11.98mg/L)であり、蒸気で行われたと考えられる試験で得られたラットLC50=389.5ppm(2.05mg/Lからの換算値)(ATSDR(1999))に基づき、区分2とした。 m-体:データ無し。 p-体:データ無し。 | |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | o-体:分類できない、m-体:分類できない、p-体:区分4 | 警告 | H332: 吸入すると有害 |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 |
o-体:データ無し。 m-体:データ無し。 p-体:飽和蒸気圧濃度が128.7ppm(0.677mg/L)であり、粉塵で行ったと考えられる試験で得られたラットLC50=1.01mg/L(IUCLID(2000))に基づき、区分4とした。 | |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | o-体:区分1A-1C、m-体:区分2、p-体:区分1A-1C | 危険 | H314: 重篤な皮膚の薬傷及び眼の損傷 |
P301+P330+P331: 飲み込んだ場合:口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。 P303+P361+P353: 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと/取り除くこと。皮膚を流水/シャワーで洗うこと。 P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P310: 直ちに医師に連絡すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
o-体:ウサギで重度の刺激性、腐食が見られるとの記載(ATSDR(1999))、およびヒトで発赤、痛みがあるとの記載(ICSC(J)(1999))に基づき、区分1A-1Cとした。 m-体:ヒトで発赤、痛みがあるとの記載(ICSC(J)(1999))に基づき、区分2とした。 p-体:動物で重度の刺激性、腐食性があるとの記載(ATSDR(1999)、RTECS(2004)、IUCLID(2000))、およびヒトで発赤、痛みがあるとの記載(ICSC(J)(1999))に基づき、区分1A-1Cとした。 なお、モノクロロフェノールは動物において腐食性が見られるとの記載がある(ATSDR(1999))。 | |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | o-体:区分1、m-体:区分2A-2B、p-体:区分1 | 危険 | H318: 重篤な眼の損傷 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P310: 直ちに医師に連絡すること。 |
o-体:皮膚腐食性物質であり、ウサギで重度の不快感および腐食が見られたとの記載(ATSDR(1999))、およびヒトで発赤、痛み、かすみ眼が見られるとの記載(ICSC(J)(1999))があることに基づき、区分1とした。 m-体:ヒトで発赤、痛み、かすみ眼が見られるとの記載(ICSC(J)(1999))に基づき、区分2A-2Bとした。 p-体:皮膚腐食性物質であり、ウサギで腐食性が見られたとの記載(RTECS(2004)、IUCLID(2000))、およびヒトで発赤、痛み、かすみ眼が見られるとの記載(ICSC(J)(1999))があることに基づき、区分1とした。 | |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない(o-体、m-体、p-体) | - | - | - | - | o-体:データなし、m-体:データなし、p-体:データなし |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない(o-体、m-体、p-体) | - | - | - | - | o-体:データなし、m-体:データなし、p-体:データなし |
5 | 生殖細胞変異原性 | o-体:区分外、m-体:分類できない、p-体:分類できない | - | - | - | - | o-体:ヒト経世代疫学、経世代変異原性試験、生殖細胞および体細胞in vivo変異原性試験のいずれにおいても陽性結果が無く、in vivoのマウス精巣細胞および骨髄細胞を用いる姉妹染色分体交換試験で陰性の記載(ATSDR(1999))、およびin vivoのマウス小核試験で陰性の記載(IUCLID(2000))があることに基づき、技術指針に従い区分外とした。 m-体:データなし。 p-体:in vivoの試験結果が無く、in vitro試験で複数の指標での強い陽性結果がないことに基づき、技術指針に従い分類できないとした。 |
6 | 発がん性 | o-体:区分2、m-体:分類できない、p-体:分類できない | 警告 | H351: 発がんのおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
o-体:日本産業衛生学会で2Bに分類している(JETOC特別資料 No. 190(2004))ことに基づき、区分2とした。 m-体:データ無し。 p-体:データ無し。 | |
7 | 生殖毒性 | o-体:区分2、m-体:分類できない、p-体:区分2 | 警告 | H361: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
o-体:ラットおよびマウスで、親動物への一般毒性に関する記述がないが、一腹児数の減少、受胎率、死産児数の増加が見られたとの記載(IRIS(2005)、EHC 93(1989))に基づき、区分2とした。 m-体:データ無し。 p-体:ラットおよびマウスで、親動物への一般毒性に関する記述がないが、精子形成(遺伝物質、精子形態、運動性、精子数)への影響、着床後死亡率増加、胚毒性、胎児毒性、胎児死亡などの記載(RTECS(2004))に基づき、区分2とした。 | |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | o-体:区分1(中枢神経系)、区分3(気道刺激性)、m-体:分類できない、p-体:区分1(中枢神経系)、区分3(気道刺激性) |
危険 警告 |
H370: 臓器の障害(中枢神経系) H335: 呼吸器への刺激のおそれ(中枢神経系) |
P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
o-体:区分1のガイダンス値範囲内の用量で、ラットおよびマウスにおいて後弯姿勢、毛の逆立ち、興奮、呼吸促進作用、眼刺激の徴候、唾液過多、振せん、けいれんが記載され(ATSDR(1999)、RTECS(2004)、IUCLID(2000))、ヒトではし眠、脱力感、痙攣が記載されている(ICSC(J)(1999))。これらに基づき、区分1(中枢神経系)とした。ラットで鼻粘膜の刺激が記載され(IUCLID(2000))、ヒトで咳、息切れ、咽頭痛が記載されている(ICSC(J)(1999))ことに基づき、区分3(気道刺激性)とした。 m-体:データ無し。 p-体:区分1のガイダンス値範囲内の用量で、ラットにおいて眼瞼下垂、血管拡張、多呼吸、呼吸困難、音刺激への低応答性、間代性けいれん、臥位が記載され(IUCLID(2000))、ヒトでめまい、頭痛、息苦しさ、吐き気、嘔吐、脱力感、意識喪失が記載されている(ICSC(J)(1999)、IUCLID(2000))ことに基づき、区分1(中枢神経系)とした。ヒトで咳、咽頭痛、粘膜刺激性が見られるとの記載(ICSC(J)(1999)、IUCLID(2000))に基づき、区分3(気道刺激性)とした。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | o-体:区分2(中枢神経系、肝臓)、m-体:分類できない、p-体:区分2(中枢神経系) | 警告 | H373: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害のおそれ(中枢神経系、肝臓) |
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
o-体:ラットおよびマウスにおいて、区分2のガイダンス値範囲内の投与で振戦、自発運動の低下、唾液過多、運動過多、脳重量の減少、肝重量増加、肝細胞肥大、肝細胞が見られるとの記載(厚労省報告(2005)、ATSDR(1999))に基づき、区分2(中枢神経系、肝臓)とした。 m-体:データ無し。 p-体:ヒトにおいて睡眠障害(眠気または不眠)、興奮性、気分障害、急速の易疲労感が見られたとの記載(IUCLID(2000))に基づき、区分2(中枢神経系)とした。 | |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | o-体:分類できない、m-体:分類できない、p-体:分類できない | - | - | - | - | o-体:データ無し。 m-体:データ無し。 p-体:データ無し。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
11 | 水生環境有害性(急性) | 分類できない | - | - | - | - | データがなく分類できない。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 分類できない | - | - | - | - | データがなく分類できない。 |
政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。 |
使用マニュアル |
|
解説・用語集(エクセルファイル) |